Googleの公式情報によると、お店を探すユーザーの44%が地図サービスを利用しています。
以前は、飲食店であれば食べログやぐるなび、美容室であればホットペッパービューティーを使ってお店を探すユーザーが多かったのですが、最近この状況が変わりつつあります。
実際、僕もGoogleマップでお店を探す機会はめちゃくちゃ増えています。ここ1年位の話ですが、知らない土地でお店に入る際 (たぶん30回くらい)、Googleマップに表示されたレビューや評価を元にお店を選んで失敗したことは一度もありません。
地図サービスで表示されるお店の情報が整備されつつあるので、今後、地図サービスを使ってお店を検索するユーザーは更に増えていくと考えられます。
この記事では、お店を探すユーザーの44%が地図サービスを利用しているという公式情報を元に、地図アプリの利用状況、ユーザーが地図アプリを使う理由、今度の予測についてお伝えします。
地図アプリの利用状況は?
地図サービスを利用してお店を探すユーザーは、どの地図アプリを使っているのか、その内訳を見ていこうと思います。
いくつかの調査会社の結果があるので見ていきましょう。
どんなに少なく見積もっても、モバイルユーザーの6割以上はGoogleマップを使っているので、44%のユーザーが地図アプリを使っていることを考慮すると、全ユーザーの24%以上がGoogleマップを使ってお店を調べていることになります。
TesTee LabによるiPhoneユーザー4219人の調査【2018年8月】
iPhoneユーザーを対象とした調査なので、Appleマップの率が高いです。
- Googleマップ 63.5%
- Yahoo!マップ 7.3%
- Appleマップ 23.0%
- NAVITIME 3.8%
- その他 2.4%
The Manifest による海外での調査
2013年にWazeはGoogleに買収されていますので、Googleマップと合計すると79%になります。
- Googleマップ 67%
- Waze 12%
- Appleマップ 11%
- MapQuest 8%
- その他 2%
引用 The Popularity of Google Maps: Trends in Navigation Apps in 2018
ユーザーが地図アプリを使う理由
ユーザーが地図アプリを使う理由を一言でまとめると、通常の検索よりもノイズが少なく有益なお店の情報が手に入ること、お店へのナビや電話もワンタップでかけられるなど利便性に優れていることがあげられます。
地図アプリだとノイズが少ない
地図アプリでお店を検索するとノイズが少ないので、有益な情報を素早く手に入れられます。
例えば、通常のGoogle検索でお店を探すと、グルメサイトやランチ30選のようなサイトが上位に表示され、お店を選ぶのが面倒になります。30選も必要ないので。1つのページにお店がまとめて表示されるのは便利な側面もありますが、数が多すぎるとユーザーは選ぶことができず不便です。
個人的には、オススメのお店を2〜3件表示してくれた方がありがたいです。30選とか50選あっても、その中からお店を選ぶことは非常に困難なので。。
このあたり、Googleはユーザーの事情をよく分かっている感じがします。
Googleマップでお店を検索すると、とりあえずGoogleがオススメするお店が3件表示されます。Google検索でお店を調べてもローカルパックと呼ばれるエリアに3件お店が表示されます。この位の数だとお店を選びやすいですよね?
Googleマップの利用率が高い理由
以下、Googleマップの利用率が高い理由です。
- Googleマップのお店の情報が充実してる
- お店の情報に加えて、おすすめスポットや話題の場所、イベント情報、関心のある分野についての情報も表示される
- フィルターでさらにお店を絞り込むことが可能
- ルート検索できる
- Googleのサービスなので、お気に入りの場所やスター付きの場所を他の端末と共有できる
- グルメサイトと比較すると、レビューが信頼できる
ローカルガイドによるGoogleマップの情報整備が進んだ
Googleや店舗のオーナーで情報整備するだけでなく、ローカルガイドによってGoogleマップの情報整備が進んだことも、ユーザーが地図アプリを使ってお店を探す要因の一つです。
ローカルガイドは、Google マップでクチコミを投稿したり、写真を共有したり、質問に回答したり、場所の追加や編集を行ったり、情報を確認したりするユーザーの世界的なコミュニティです。旅行の目的地、レストランやショップ、アウトドア施設やテーマパークなどを選ぶときに、多くのユーザーがローカルガイドのクチコミ情報を参考にしています。
公式 ローカルガイドヘルプ
ここ数年、Googleはマップの整備にかなり力を入れてきました。ローカルガイドはGoogleアカウントを持っていれば誰でも登録でき、写真の追加・質問に答える・場所の追加・口コミに投稿する度にポイントが貯まり、レベルが上っていく仕組みです。以前は、レベルが上がるとGoogleドライブ100GBを1年間無料で使える特典がもらえるなど、ローカルガイドに参加するインセンティブがありました。地図の整備が進んだことと関係しているのかは分かりませんが、最近このような特典はなくなってしまいました。
コネクトライブと呼ばれるグローバルで行われるサミットも5年前から開催されています。レベル5以上のローカルガイドが応募できます。こちらはローカルガイドとしての活動履歴が考慮され、抽選によって参加者が選ばれますので、誰でも参加できるわけではありません。が、アメリカへの旅費や宿泊代、現地での食事代は全てGoogleが負担してくれるイベントです。
今後どうなる?
Google予約というGoogleマップ上でお店の予約ができるサービスをGoogleは提供しています。
今までGoogleマップで飲食店を予約しようと思っても、Google上で予約することはできず、グルメサイトに遷移してから予約する必要があり、非常に面倒でした。
最近はGoogle予約を経由してGoogleマップ上で予約が完了する飲食店も増えています。近い将来、美容室やホテルでもGoogle予約が利用できるようになります。
今後、Googleでお店を探して、Google上で予約できれば、更に地図アプリを利用するユーザーが増えていくことは間違いなさそうです。
Yahoo!プレイスもサービスが始まる
この状況にヤフーも追従しています。Googleマイビジネスと同様のサービスであるYahoo!プレイスを今年から始めています。
Yahoo!プレイスに登録したお店の情報を、Yahoo!地図・Yahoo!検索に露出させて、Googleマイビジネスと同じようなことができるようになります。
ヤフーにはYahoo!ダイニングという飲食店を予約できるサービスもあるので、すぐGoogle予約のようなシステムが構築されるのではと思っています。
日本では一定数のヤフー検索の需要があること、Yahoo!カーナビの評判の良さを考慮すると、Yahoo!プレイスのシェアも増えると予想できます。
さいごに
お店を探すユーザーの44%が地図サービスを利用しているという公式情報を元に、地図アプリの利用状況、ユーザーが地図アプリを使う理由、今後の予測についてお伝えしました。
今後、更に地図アプリを利用するユーザーは増えていくことが予想されますし、Google予約、Yahoo!プレイスの利便性も向上するでしょう。
このことを念頭に入れて、お店の集客を考えていただければと思います。
第1章 Googleマイビジネスの基本戦略
- Googleマイビジネスを徹底的に活用して集客につなげる
- お店を探すユーザーの44%が地図サービスを利用している いまここ
- Googleマイビジネスの運用は、お店の魅力を伝える視点を忘れずに
- Googleマイビジネスを始めたら、ウェブサイトやSNSの情報発信も忘れずに
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