明日、Spotifyの発表があります。
スポティファイジャパンは、音楽ストリーミングサービス「Spotify」に関する発表会を29日に都内で開催する。日本展開についての発表があるものと思われる。
定額制音楽聴き放題サービスの日本でのサービス状況
2015年の5月、AWAを皮切りに、日本で定額制音楽聴き放題サービスが始まりました。
6月にLINE MUSICが参戦、翌月Apple Musicも参戦、9月にGoogle Play Musicも始まり、11月にAmazonのPrime Musicの登場によって、大手プラットフォームが一通り参加した形になりました。
日本市場に参戦できなかったのは、世界ではダントツに高いシェアを誇るSpotifyのみという状況が続いていました。
時系列で見るとこんな感じ。以前のエントリーに詳しく書いたので引用します。
日本の市場は半年で勝負がつきました。
1. 5月27日「AWA」がサービスを開始
2. 6月11日「LINE MUSIC」がサービスを開始
3. 6月30日「Apple Music」がサービス開始
4. 8月9日「LINE MUSIC」の無料期間が終了
5. 8月26日「AWA」の無料期間が終了(3ヶ月間の無料期間)
6. 9月3日「Google Play Music」がサービス開始
7. 10月2日「Google Play Music」の無料期間が終了(1ヶ月間の無料期間)
8. 10月28日「YouTube Red」がサービス開始(「Google Play Music」は統合される)
9. 11月18日「Amazon プライムミュージック」がサービス開始
どのサービスも1〜3ヶ月くらいの無料期間がありました。無料期間が終わった後、ユーザーはどのように分布されたのでしょうか?
定額制音楽聴き放題サービスにおける、有料会員のユーザー数を見ていきましょう。
- Spotify 4000万人
- Apple Music 1700万人
- Google Play Music 不明
- 日本のPrime Music 600万人
- アメリカのPrime Music 5400万人
- LINE MUSIC 10万人
- AWA 10万人
- Rakuten Music 不明
Spotify
明日の発表会で、日本のプランは、どのようなものが出るのでしょうか?
注目すべきは、広告入りの無料プランが導入されるかどうかです。
日本でのサービスはまだ始まっていませんが、世界では4000万人の有料会員がいます。有料会員数は3月に3000万人だったので、この6ヶ月で1000万人増えたことになります。
実際、アップルは2011年から2015年にかけて、スポティファイに800万人のユーザーを奪われた。これらのユーザーはiTunesからのダウンロードを大幅に減らしたというデータもある。スポティファイの台頭に直面したアップルは、この分野に参入せざるを得ない事情があった。
ストリーミングサービスではダウンロード販売よりも売上が低くなる。だが、スポティファイにユーザーを根こそぎ奪われてしまうよりはましだ。また、売上だけでなく、アップルがiTunesで築き上げたコンテンツビジネスの覇権にダメージを与えることは避けたい。
アップルのストリーミングビジネスへの参入は、大きな決断だったと言える。もしもアップルがアップルミュージックを開始していなかったとしたら、私たちは今頃、次のような質問をしていただろう。「アップルはなぜトレンドを予見できずに、ダウンロードに固執してしまったのだろうか?」
Apple Music
Appleユーザーと音楽好きなユーザーが利用しています。月額980円です。
2016年9月7日のイベントでの、ティム・クック氏による基調講演では、Apple Musicは有料会員数が1700万人を突破したようです。
数字で振り返る「iPhone 7」イベント–「Apple Music」有料会員数1700万、アプリDL数1400億
Apple Musicの楽曲数は、Appleの発表によれば、3000万本以上。
Google Play Music
月額980円です。
Google Play Musicを利用している場合、無料でYouTube Redも利用できることもあって、Google Play Musicのユーザー数は不明です。
Google Play Musicの楽曲数は、3500万曲以上です。
日本のPrime Music
プライム会員に自動的に付与されるサービスです。プライム会員は年額3900円なので、月額325円の計算。
何でもいいから音楽がかかってればいいユーザーは、最終的にPrime Musicへ流れ着いたはず。だって、年間3900円払ってプライム会員になれば、Prime Musicだけでなく、プライムビデオも見放題だし、プライム会員の特典は他にもたくさんありますからね。
Amazonプライムの会員数は非公表ですが、2016年3月時点で、日本のプライム会員数は、約600万人いると言われています。
「Amazonプライム」は2007年から提供を開始しているのですが、積極的にサービスを拡充させた2015年は、会員数が1.5倍に拡大しました。
2015年、プライム会員が増えたというのは納得がいきます。だって、Amazonは、プライム会員を増やすため、プライム会員になると「Fireタブレット」が4980円に、Fire TV Stickが980円になる販促キャンペーンをやってましたからね。
さらに、送料についてもプライム会員は優遇されています。2016年4月6日以降は、プライム会員は送料無料ですが、非プライム会員は2000円以上購入しないと350円の送料がかかるようになりました。このタイミングでプライム会員になった人は多いはず。
Prime Musicの楽曲数は、Amazonのサイトによると、100万曲以上の楽曲、数百のプレイリスト、プライムラジオが聴き放題となります。
アメリカのPrime Music
2016年1月25付けの、アメリカの調査会社 Consumer Intelligence Research Partners による調査結果を見ると、2015年12月時点でのアメリカのプライム会員数は5400万人にも及びます。アメリカの場合、年会費が99ドルと日本の2倍以上にも関わらずです。
アメリカでもプライム会員であれば、Prime Musicは無料で聴き放題だからね。アメリカのPrime Musicは、Apple Musicの1700万人のおよそ3倍のユーザー数を抱えていることになります。
「AWA」と「LINE MUSIC」
「AWA」「LINE MUSIC」は、完全に終わったサービスになってしまいました。
定額制音楽配信サービスの先陣を切ったサービスだったにも関わらず、すでにオワコンな模様。
↓有料会員数を見てみましょう。
- LINE MUSICの有料会員数は約10万人。
- AWAの有料会員数も約10万人。
10万人というのは、日本のユーザ数です。が、元々、グローバル展開していない日本向けのサービスなので、外国人ユーザーはほとんどいないはず。両サービスとも、海外のIPアドレスからだと、接続できないからね。
料金を見てみると、
LINE MUSICは月額960円(学生600円)のプレミアムプランと、20時間500円のベーシックプランがあります。
AWAは、無料プランが月60分まで、Liteプランが月360円でプレイリストの作成などの一部機能の制約がありますが再生時間の制限なし、Standardプランが月額960円ですべての機能が利用できます。
Rakuten Music
ユーザー数は不明です。
楽天の発表によると、楽天の会員数は1億1044万人いるようです。なので0.1%が加入すれば10万人、1%の加入で100万人ということになります。
楽天の皮算用は分かりませんが、0.5〜1%くらいを狙っているのかな?
Rakuten Musicがサービスを開始したのは2016年8月4日なので、最後発ということになりますね。まあ、Rakuten Musicに期待することは何もありませんが・・・
まとめ
Spotifyの上陸によって、ユーザーの分布はどのように変わるのでしょうか?
プライム会員とセットになったPrime Musicからユーザーを奪うのは難しいので、Apple MusicやGoogle Play Musicから奪うという戦略を考えているのかもね。
明日、いよいよSpotifyの発表なので、どんなプランを出してくるのか楽しみですね。
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