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Netflixが日本で流行りそうな理由!

インターネットテクノロジー

音楽、オーディオブックに続いて、Netflixという動画のサブスクリプションにも黒船が来航します。2015年9月2日にサービス開始です。

Netflix月額料金は、SD 650円、HD 950円、4Kは1,450円

9月2日に日本国内でスタート予定の映像配信サービス「Netflix」の月額利用料金が24日発表された。ベーシック(SD)/スタンダード(HD)/プレミアム(4K)対応の3つの料金プランが用意され、月額料金はSDで650円、HDで950円、4Kで1,450円。

Netflixは、世界50カ国以上で6,500万人を超える会員を抱える世界最大級の映像配信サービス。Netflix独自製作のオリジナルシリーズ、ドキュメンタリー、長編映画などを含め、多くのTVドラマや映画を低料金の月額定額制で配信する。日本におけるサービス開始に向けて、今秋発売のテレビメーカー各社のテレビリモコンには「NETFLIXボタン」を設置。ボタン一つで、瞬時にNetflixを楽しめるようになる予定。

Netflixとは

知らない人もいると思うので、かんたんに説明しますね。

アメリカのオンラインDVDレンタル及び映像ストリーミング配信事業会社です。1997年の創業時は、郵送でのレンタル事業を展開していました。1999年に月定額制が始まり人気が爆発。以来ネットフリックスが業界1位の座を守り続けています。10万種類4200万枚のDVDを保有し1,600万人の顧客がいます。映像ストリーミング配信では、全世界で4,040万人の加入者を持っています(2013年9月現在)。

Netflixのサービス

オリジナルドラマシリーズ、ドキュメンタリー、長編映画などを、フルHDや4Kなどのハイクオリティーな映像で見ることができる、サブスクリプション型のサービスです。スマートフォンなどの通信環境さえあれば、どこでも、いつでも、自分に合ったコンテンツを視聴できます。スマートフォンの普及に合わせて、ものすごい勢いで広がっています。

Netflix

Netflixの戦略

コンテンツのローカライズ

コンテンツに関しては、日本のユーザーの舌は肥えてますので、アメリカのものをそのまま持ってくるのではなく、日本向けに合わせることが爆発的なヒットの条件になります。

Netflixは日本を独自のマーケットとして位置づけ、オリジナルのコンテンツを配信します。フジテレビの人気ドラマ「テラスハウス」第2弾、新ドラマ「アンダーウェア(英題:Atelier)」などは、テレビに先駆けて先行独占配信が決定しているのです。Netflix独占配信タイトルとして海外配信されて話題だったアニメ『シドニアの騎士』のスペシャルコラボレーション映像も解禁します。

スマートフォンのゲームアプリも世界展開で成功するには、各国のローカライズに対応しています。

レコメンド機能

サブスクリプションでは、とにかくコンテンツの量が膨大なので、いかに自分に合ったものを探しだしてサービスを使い倒す感覚が求められます。そうでないと定額制のお得感が無いですからね。

Apple MusicやAWAなどの音楽のサブスクリプションもそうですが、ユーザーの好みに合わせたレコメンド機能が充実しています。

Netflixのユーザーの75%がレコメンド結果から視聴しているというデータがあるので、Netflixのレコメンド機能は、視聴者本人も予想しない作品をレコメンドしてくれるアルゴリズムを実装しているのです。これは楽しみです。

動画は1本が長いので、音楽のようにさくさく試聴できるわけではないので、自分に合った作品に出会えることがサービスを継続する一番大事なポイントだったりしますよね。

Huluとの違い!Netflixの3つの月額料金体系

すでにHuluが先行して日本ではサービスを開始しています。料金は月額933円です。Netflixでは、この料金にベースに画質によって3つのプランで勝負をかけてきました。

ベーシック (月額 650円)

画質はSDのみで、HD画質や4K画質には非対応です。同時ストリーム数も1つのデバイスだけです。自分のスマホ以外では動画は見ないという方にオススメです。

スタンダード(月額 950円)

画質はHD画質です。4K画質には非対応です。同時ストリーム数は2つのデバイスです。タブレットやPC、ハイビジョンテレビといったデバイスで使う方にオススメです。

プレミアム(月額 1,450円)

4K画質に対応します。また、同時ストリーム数は4つのデバイスです。4Kテレビをお持ちの方、ファミリーシェアで使い方にはオススメです。

Netflixとソフトバンクの提携

日本進出にあたって、ソフトバンクと提携しました。AppleがiPhoneで日本に進出した時の手法と同じです。アメリカのものを日本に取り入れるというのはソフトバンクは上手いですよね。

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オフラインの販売経路

Netflixの店頭販売はソフトバンクが独占します。Softbankショップや家電量販店のソフトバンクコーナーで、スマートフォンの端末割引とセットで販売するのでしょう。

オンラインの販売経路

ソフトバンクで10月以降に発売するAndroid端末にアプリをプリインストール。そして月額利用料を「携帯電話」や「Softbank光」などと一緒に支払えるようになります。
これがミソで、携帯電話料金にまとめられると、ユーザーは払っていることを忘れて課金がずっと続きますよね。

Netflixとソフトバンクが提携。店頭はソフトバンク独占

携帯キャリアとコンテンツホルダー

ガラケー時代の話になりますが、携帯キャリア同士の激しい価格競争があって、通話やパケットの料金の安さを争っていました。

そんな中、docomoが携帯コンテンツ市場を一番最初に開拓しました。いかに自分たちの利益を落とさずにユーザーにコンテンツを利用してもらうという戦略です。コンテンツホルダーからコンテンツを安く買い叩くことで、自分たちの利益を落とさずに、毎月の携帯電話代金を下げることができたのです。この後、auもソフトバンクも仕組みは若干違いましたが、コンテンツホルダーからコンテンツを買い叩くという戦略は同じでした。

現在もMVNOが参入してきたこともあって、携帯キャリアは価格競争でしのぎを削っています。

docomoもdTV(旧:dビデオ)を月額500円でキャリアの枠にとらわれず使えるようにしました。音楽のサブスクリプションになりますが、docomoの「dヒッツ」は300万人も会員がいます。

300万人もいる「dヒッツ」の会員数!サブスクリプションの品質劣化が止まらない!
dヒッツとは、NTTドコモが提供しているスマートフォン向けの定額制音楽配信サービスです。 「dヒッツ powered by レコチョク」というサービス名で、月額500円(税抜)でストリーミング形式の音楽配信サービスを提供しています。最新曲、...

携帯キャリアがコンテンツを買い占めるという戦略が、ガラケー時代の再現を見ているようです。

Netflixの成功の鍵は!

ソフトバンクはAppleと組んで、iPhoneで日本市場を上手に攻略した実績があります。日本でのiPhoneシェア6割というのは、ソフトバンクの力によるものが大きいです。

Netflixは、ソフトバンクが持っているiPhoneで培った日本市場攻略のノウハウと、日本市場に向けた独自動画コンテンツを用意して、ローカライズにもしっかり対応していけば、先行するHuluより大きく前進できると予測します。