9月16日に発売される次期 iPhone7 には、FeliCaチップが搭載されるので、Suicaでの決済が可能になります。
今まで、グローバルモデルのスマホには、日本国内のガラパゴス規格であるFeliCaチップが搭載されることはありませんでした。モバイルSuicaで決済できたのは、FeliCaチップが搭載された「ガラケー」や「国内モデルのAndroid端末」だけだったのです。
多くのiPhoneユーザーやNexusユーザーは、スマホケースにSuicaを入れて使っていましたよね?
わたくしはクレジットカード付きのSuicaなので、Suicaを使うためだけに、iPhoneケースにクレジットカードを入れたくないというのが本音でした。クレジットカード付きのSuicaなので、オートチャージの設定をすれば、チャージの手間は省けたけどね
Google Nexus もSuicaを搭載すべき
iPhone7 でSuicaを使った決済が可能になる状況を、Googleがだまって指を加えて見ているということはないはず。
Google Nexusにも、FeliCaチップを搭載してSuicaが使える環境を整える必要があります。Googleが本気で、日本市場でモバイルマネーのシェアを取りに行くのなら、Androyd Payだけでは役不足で、FeliCa搭載はマストなのです。理由は後述します。
FeliCaとは
まずはFeliCaがどういうものか見ていきましょう。
FeliCaとは、ソニーが開発した非接触のICカードのことです。最近、NFCの「TypeF」とも呼ばれるようになりました。
NFCには様々な規格があって、「TypeA」「TypeB」がグローバルスタンダードのNFCとして圧倒的なシェアを持っています。「TypeA」「TypeB」は、iPhone6sやNexus5Xに搭載されています。
それに対して「TypeF」であるFeliCaは、ガラパゴスと揶揄されていました。ガラパゴスとはいえ「TypeF」の性能は、「TypeA」「TypeB」と比較すると、桁違いに高いのが特徴です。決済処理の時間が早いのです。
Appleが日本仕様のiPhoneに、Suicaを搭載した理由
iPhoneはグローバルモデルなので、世界中のiPhoneにFeliCaチップが搭載されるのかと思ってたら、どうやら違うようです。
日本仕様のiPhone7だけにFeliCaチップが搭載されるのです。海外で購入したSIMフリーのiPhone7ではSuicaは使えませんのでご注意下さい。
Appleが、1ヶ国だけのために仕様を変更したiPhoneを発売するというのは珍しいですよね?
なぜ日本仕様のiPhoneにだけ、Suicaを搭載したのかというと、以下の4つの理由が考えられます。
- 世界的にiPhoneが売れない中、日本だけiPhoneが売れている
- 日本ではiPhoneのシェアが60%を超えている点
- Suicaの利用率の高さ
- FeliCaの決済処理スピードが早い点
世界的にiPhoneが売れない中、日本だけiPhoneが売れている
主要国でiPhoneの販売台数が落ち込む中、日本だけ例外で売れているので、Suicaの導入で反転攻勢をかけるということなのでしょう。
今年1月から3月までのiPhone出荷台数は5120万台。前年同期の6120万台から大幅に落ち込んだ。金額にして80億ドル(約8900億円)にのぼるiPhoneの売上の減少は特に中国(26%減)と米国(10%減)で顕著だ。
国別の売上では日本が唯一売上を伸ばし、24%の増加だった。
日本ではiPhoneのシェアが60%を超えている点
日本人のiPhone普及率は世界的に見ても異常に高いです。スマホ人口のおよそ6割近くがiPhoneユーザですからね。
このブログに訪問してくれるユーザも同様の割合です。2016年8月の1ヶ月間に、訪れてくれたモバイルユーザーの内、67.38%がiPhoneからのアクセスになります。
Suicaの利用率の高さ
Wikipediaを見ると、2015年3月末時点でのSuicaの発行枚数は、5070万枚です。日本の人口の約4割がSuicaを持っている計算になります。
FeliCaの決済処理スピードが早い点
Suicaは、かざすだけで高速データの送受信が可能なことです。具体的には、約0.1秒でデータの読み書きができるため、どんなに遅くても0.2秒以内に電子マネーでの決済が完了するのです。
なぜ、こんなにハイスペックなのかというと、日本の通勤ラッシュでは大量の乗客をさばく必要があるためです。JRの評価試験の基準はとても厳しく、自動改札を1分間に60人通過することを求めているのです。
Android Payは決済の時間がかかる
Suicaに対して、「TypeA」「TypeB」を使った「Android Pay」や「Apple Pay」は、決済処理にものすごく時間がかかります。
ロンドンの地下鉄でApple Payを使う動画を見ると、あまりの遅さにびっくりします。タッチしてから5秒近くかかってますからね。こんなポンコツ、都会の通勤ラッシュでは全く使いものにならないです。
日本市場での決済はFeliCaがマスト
公共交通機関の自動改札、コンビニ、駅ビルなどの実店舗には、「FeliCaチップに対応した決済リーダー」が既に数多く普及しています。日本市場では、Suicaじゃないと決済できないのです。
これに対して、「Android Pay」「Apple Pay」といったグローバルスタンダードである「TypeA」「TypeB」を使う決済システムは、日本の実店舗において「決済リーダー」が対応しておりません。
日本政府もインバウンド需要を狙っているわけだし、2020年の東京オリンピックに向けて、グローバルスタンダードである「TypeA」「TypeB」の決済リーダーを店舗に導入させることは間違いないです。でも、「TypeA」「TypeB」の決済リーダーの導入には、時間がかかるはず。
なので、Google Nexusは、FeliCaチップを搭載して行くべきなんですよね。部品代なんてたかが知れてるでしょ?
日本に来た外国人旅行者が、手元のスマホで、Suicaにチャージして、JRや地下鉄に乗れるって、すごく便利だと思いませんか?
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