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次期iPhoneでSuicaが使えるようになる!ガラバゴスから脱出したFeliCa

AppleiPhoneテクノロジー

ようやくSuicaがiPhoneで使えるようになります。早ければ9月に登場するiPhone 7 からSuicaが使えるようになる予定です。

米アップルはスマートフォン「iPhone(アイフォーン)」で公共交通機関の運賃支払いができる日本向け新機能を計画している。事情に詳しい複数の関係者が明らかにした。将来のアイフォーンには、ソニーが開発し日本で普及している非接触ICカード技術様式「FeliCa(フェリカ)」が採用されるという。

アイフォーンにIC乗車券機能、アップルが日本向け計画-関係者

日本はアップルにとって直近四半期の売上高の8%、営業利益の11%近くを占めるため、重要なビジネスチャンスになる。

なぜ、今まで iPhoneでSuicaが使えなかったのか?

スマホでSuicaを使うには、Type F(FeliCaチップ)が登載されていないと使えません。Type Fは、SuicaやEdyに使われている規格で、今までは、日本国内でしか通用しないガラパゴスな規格と揶揄されていました。

iPhone6以降のNFCは、Type A/Type Bの規格なので、Suicaが使えなかったということになります。

iPhoneのようなグローバル仕様のスマホでは、Type F(FeliCaチップ)のようなガラパゴスな規格は採用されなかったのです。

今回、なぜ AppleがType F(FeliCaチップ)を採用したのかといえば、「日本におけるiPhoneのシェアは60%を超えている点」「Suicaの利用率の高さ」「FeliCaの決済処理スピードが早い点」が認められたということなるのでしょうね。

Apple Payは?

Appleは、Apple Payという自社の決済サービスを抱えています。

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Apple Payで使うNFCの規格は、Type A/Type Bです。Appleは、Apple Payのサービスを拡げたいので、Type F(FeliCaチップ)をあえて搭載しなかったという、Appleの事情もあるのでしょう。

3つあるNFCの規格

NFCとは、Near field radio communicationの略で、近距離で無線信号をやり取りする技術です。

実は、NFCの規格は大きく分けると3つあるのです。ここからは、NFCの3つの規格を詳しく見ていきます。

  • Type A
  • Type B
  • Type F(FeliCaチップ)

NFCポータルの画像が分かりやすいので、参照します。

NFC

Type A

Mifare(マイフェア)と呼ばれています。オランダにあるNXPセミコンダクターズ(フィリップス)が開発したもので、NFCの中では世界的に最も普及した規格です。圧倒的なシェアを持っています。国際通信規格ISO14443 TypeA といいます。陳腐化した技術なので、安価に生産が可能です。

NFCシェア率

日本ではタバコ購入カードのtaspoに導入されています。

ロンドン、モスクワ、ソウル、北京でにおいて公共交通システムとして利用されていますが、Suicaと較べるとタッチしてからの認識が遅いというデメリットがあります

  • 通信速度:106kbps
  • 通信距離:10cm以下

Type B

アメリカのモトローラが開発しました。

Type BにはCPUが必要なので、Type Aと較べるとコストが上がってしまいます。

日本ではマイナンバーカード、住民基本台帳カード、自動車運転免許証、パスポートに導入されています。

Type F(FeliCaチップ)

ソニーが開発した非接触型ICカードの技術です。

日本での利用率が高いSuicaやEdyは、Type Fのチップが搭載された端末を利用しなければなりません。例えば、ガラケーはType F(FeliCaチップ)を搭載していたので、モバイルSuicaが使えたのです。

docomoなどのキャリアが開発したAndroidなどは、Type Fのチップが搭載された機種もあって、Suicaを利用することができました。

でも、iPhoneやNexusシリーズなどのグローバルモデルのスマートフォンは、Type A・Type Bしか搭載されておらず、今までSuicaやEdyを使うことはできなかったのです。

Type A と Type F の比較

  • 通信速度:212kbps(TypeAの2倍の速さ)
  • 通信距離:2cm以下

Suicaのメリット

Suicaのメリットは、決済処理がものすごく早いということです。

JRの評価試験の基準って国際的に見て、ものすごく高いスペックを要求します。日本の通勤ラッシュでは、大量の乗客をさばく必要がありますからね。

Suicaを使うと、0.2秒以内に非接触ICによる決済の処理が行われるため、自動改札を1分間に60人通過することが可能です。

Apple Payのデメリット

これに対して、Apple Payのデメリットは、反応がとにかく遅いということ。

Apple Payを使ったロンドンの地下鉄では、決済に要する時間は0.5秒以内となっており、自動改札を1分間に通過できるのは僅か24人となります。日本でやったら、改札に行列ができてしまうはず。

どれくらい遅いかは、ロンドンの地下鉄を利用する動画を見ると一目瞭然です。タッチしてから、決済までに5秒近くかかるんですよ・・Suicaのようにサクサクと改札を通れるわけではないのです。また、Apple Payを利用する場合、事前に指紋認証のTouch IDでロックを解除しておかないと、スムーズに改札を抜けられません。非常に面倒くさい。

日本の通勤ラッシュでは全く使い物になりませんよね?

日本の通勤ラッシュにはSuicaが必須

Suicaが自動改札を1分間に60人通過できるのに対して、Apple Payでは24人以下です。

Type F(FeliCaチップ)を使ったSuicaは、Type A・Type BのApple Payと較べると、決済処理は圧倒的に早いのです。

iPhoneがSuica使えるようになれば、iPhoneケースにSuicaを入れておく必要もなくなりますね!

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