Amazon、Google、Appleのプラットフォームから音楽や動画のサブスクリプションのサービスが発表されました。
各社サービス内容は異なりますが、面白いのは3社ともテレビに映し出すハードウェアの発売を開始したことです。Amazonは「Fire TVシリーズ」、Googleは「Chromecast」を発売しました。以前は「Apple TV」しかありませんでしたからね。
各社どんな戦略なのか、各サービスを比較してみます。
Amazonの戦略
プライム会員向けに、プライムビデオのサブスクリプションのサービスを提供し、会員数の増加を狙います。モデルはコストコのビジネスモデルです。
プライム会員を増やすための施策として、ハードウェアを会員向けに格安でばら撒きます。期間限定でしたが、Fire TV Stickが980円でしたからね。Fireタブレットは4980円です。
Fire TV Stick、Fireタブレットは、プライムビデオとの相性が良い端末になっていますよね。
Googleの戦略
10月28日からYouTube Redのサービス提供が始まります。月額9.99ドルです。
提供するサービスは以下のものです。
- 広告無しのYouTube
- オリジナルコンテンツ
- オフライン再生
- Google Play Musicも同料金で聴き放題
Chromecastは4200円と格安で提供されています。先日新しいChromecast2も発表されました。
Chromecast 2の概要はまだわかりませんが、初代Chromecastのようにミラーリング専用機なのか、CPUを内蔵して単体でも動作するようにするのか、Googleの戦略が楽しみです。
Appleの戦略
Apple TVは、Apple製品との親和性は高いです。
iPhoneやiPadを使って、iTunes Storeで映画を購入したものを、テレビで見るには使い勝手はとてもいいです。
ただし、AmazonもGoogleもお得なサブスクリプションのサービスを提供しているので、割高感は否めません。AppleのiTunesでビデオをレンタルするのははっきり言って高いですからね。
Apple Musicというサブスクリプションの音楽サービスを持っていますから、動画とどのように連携させていくのか、期待しています。今後Apple Videoといったサブスクリプションが登場するかもしれません。
他社が提供するサブスクリプション
「Hulu」「Netflix」などの動画配信のサービスだけを提供している会社は、冬の時代を迎えます。
コンテンツの提供だけなら、価格の叩き合いになりますよね。
オリジナルコンテンツを投入するといっても、ユーザーは飽きっぽいので、何年も継続して課金してもらうことは難しいです
有料課金モデルでの成功
ニコニコ動画の戦略が参考になります。
有料会員数はうなぎのぼりで、プレミアム会員数は250万人を突破しました。
dビデオという店頭アフィリエイト
dビデオは、携帯ショップで端末の割引には加入を進められるサービスで、店頭アフィリエイトと言われております。携帯端末の割引を条件に加入するけど、ユーザーは全く利用せず、アクティブ率2割だそうです。
「Netflix」もソフトバンクと提携しており、ソフトバンクショップで販売されますので、同じような販売手法が取られるように思えてなりません。
各端末を比較してみる!
まずはスペックを見てみます。
「Fire TVシリーズ」
2種類あります。
Fire TV Stick
価格は4980円とお得です。
形状は「Chromecast」に似ていますが、「Fire TV Stick」はCPUを内蔵しているので、単体で動作する点が異なります。
Amazon Fire TV
12980円と少し値が張ります。
ハイスペックゲームにも対応できるCPUやメモリを搭載しています。「Apple TV」に近いスペックですね。
「Chromecast」
4200円ですが、初代「Chromecast」は2013年7月24日発売なので、スペックはやや古めです。
先日Googleから2代目「Chromecast」が発表されました。まだ詳細はわかりませんが、初代「Chromecast」は単体では動作しませんので、この点が改善されるかもしれません。
「Apple TV」
2007年1月9日に初代「Apple TV」が発表されました。元祖です。
2015年10月26日に第4世代が発売になります。今回の「Apple TV」はiOS9をベースにしたtvOSで動作。
価格は32GBモデルが149ドル、64GBモデルが199ドルなので、本日、紹介した中で一番高いです。
どんな機能が使えるの?
ミラーリング
各社端末によって異なります。
スマホならどの端末でもアプリを入れれば可能です。
PCで使うなら、「Apple TV」「Chromecast」なら画面全部をミラーリングが可能。「Fire TVシリーズ」は手元にないのですが、Amazonへ確認したところ、Miracast対応しているPCなら可能ということです。
本体のみでアプリやビデオ再生は?
CPUが内蔵されているので、「Fire TVシリーズ」「Apple TV」は可能です。
「Chromecast」はできません。
ゲームは?
こちらも「Fire TVシリーズ」「Apple TV」なら可能です。
リモコンは?
「Fire TVシリーズ」「Apple TV」はリモコンが付属しています。
リビングのテーブルにリモコンは邪魔だと思うのですが・・
個人的にはiPhoneやAndroidのスマホをリモコンにして欲しいです。
自社のクラウドサービスとの連携は?
クラウドの写真を見る用途なら「Chromecast」「Apple TV」は自社クラウドサービスとの相性はいいです。
「Fire TVシリーズ」はまだ手元にないので詳細はわかりませんが、Amazonのサイトを見る限り連携は良さそうです。
サブスクリプション元年
2015年はサブスクリプション元年と言われています。
技術の陳腐化とともに、各社横並びで同じようなサービスが登場するようになりましたよね。
迅速なサービス展開をしていかないと、日本市場での「Spotify」のように完全に出遅れてしまいます。
Amazon、Google、Appleというプラットフォームが、ハードウェアとセットでサブスクリプションのサービスを展開しているので、今後この3社にどんどん寡占化していきそうです。
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