みなさんこのニュース見てどう思いますか?
NTTドコモの加藤薫社長が2015年度第三四半期決算発表の場で、長期契約による割引を受けられる一方、途中解約の場合には違約金を課せられる、いわゆる『2年縛り』について、2016年3月頃を目処に無料解約期間を2ヶ月に延長すると明言しました。
加藤社長は、2年縛りについて『これまで有識者を交えて検討してきた。特に25ヶ月目の部分。自動更新の部分で、2年縛りを継続するかしないかを決められる期間が1ヶ月しかない。
また総務省などから問題視されている、スマートフォンなどの本体価格の行き過ぎた値引きについても言及。
『2月1日から0円以下での販売(いわゆる実質ゼロ円)は慎む』と明言。また実質ゼロ円の廃止は最新モデルに限らず、在庫となっている旧モデルも含めるとしました。
なお実質ゼロ円の廃止にあたっては、端末購入や回線契約が成立した際に販売代理店に支払われる「販売奨励金」は減らさずに、毎月の通信料金から端末価格の一部を割引く「月々サポート」で値上げ幅を調整する方針。
もう突っ込みどころ満載なんですけど。
無料解約期間を2ヶ月にするって、有識者を入れてまでやる議論?
100歩譲って24ヶ月の縛りはまだ理解できますが、その後はいつでも解約でよくね?
実質値上がりとなる携帯料金
政府が介入したのは、「無料解約期間の延長」と「実質0円の廃止」と「通話料金を安いものを用意する」の3点。
政府の指示通り、キャリアは横並びで「無料解約期間の延長」を2ヶ月に、端末割引を縮小して「実質0円の廃止」、データ通信1GBパックなどを新設し「通話料金を安いものを用意する」と面従腹背しています。
ソフトバンクの1GBプランよりもお得?――ドコモ「シェアパック5」の狙い
「シェアパック5」の料金
全然安くないです。
毎月6500円で5GBのデータ通信を家族でシェアできるプランです。
家族3人で契約した際、毎月13500円かかります。内訳は、カケホーダイライトの1700円、spモードの300円で、3人合計6000円。子回線には500円のシェアオプションも別途かかる。
MVNO DMM Mobileの料金
IIJmioと同じ高速回線を使っているのに、IIJmioより安い DMM Mobileだと、家族3人で10GBのデータをシェアして、4350円。
「シェアパック5」の3分の1です。
こんな感じで全然安くないので、キャリアはさらに利益を出すということになりそうです。
店頭アフィリエイトを規制すべし
本来、一番規制すべきは、携帯ショップで行われていた店頭アフィリエイトです。
政府は全然実態を分かってないから、スルーしてるけど・・
ご存知ない方もいると思いますので簡単に説明すると、携帯ショップでMNPや機種変更をする際、端末を割引く際に、有料コンテンツなどのオプションに加入させられるやつです。月額400円程度のオプションに3つ入ると、端末を1万円割り引きますってプロモーションよくやってますよね?
docomoだとdTV、auだとスマートパス、クックパッドの有料会員などが有名です。
どんな仕組みなのかというと、携帯ショップでユーザーがオプションに加入すると、dTVやクックパッドなどから、携帯ショップへお金が支払われる仕組みになっています。金額はまちまちですが、数千円~1万円程度。
すぐにユーザーが解約すると大赤字なんですが、このビジネスモデルってユーザーの解約忘れを狙ってるから、十分採算があうようです。
面倒な解約手続き
これがマジで面倒くさい。
オプションの種類によって、解約方法が異なります。電話だったり、ネットだったり、めちゃ複雑なのです。
政府はこういうの規制すべきだと思うんだけどね。全く野放しです。
実質0円と一括0円の違い
たまに混同されている人がいますが・・
実質0円というのは、全然魅力的じゃない。狙うなら一括0円です。
実質0円とは
実質0円というのは、端末をユーザーが24ヶ月の分割で購入する契約です。でも、毎月の通信費から24ヶ月間「毎月割」を割り引くので、実質0円になるというもの。なので、途中で解約したりすると、2年縛りの違約金10,260円だけでなく、分割金の残額も支払わないといけない。落として壊したとしても残額は残ります。
例えば、auのiPhone6s 16GBの機種代金は84,240円。で、毎月割の総額が73,440円。実質10,800円。
なので、実質0円ってのは、10,800円の割引ってことになる。たいして安くないでしょ?
かけ放題じゃなくLTEフラットの契約で見積ると、24ヶ月間の支払総額は、毎月6934円 × 24ヶ月で166,416円。
一括0円とは
一括0円とは、端末は無料で差し上げますよ。で、更に毎月の通信費から、24ヶ月間「毎月割」の割引があるので、安くなりますよというやつです。
もちろん途中で解約しても、支払うのは2年縛りの違約金のみ10,260円。
機種の残額はそもそもないからね。
例えば、auのiPhone6s 16GB の一括0円で契約すると、機種は0円で手に入る。
で、最初の12ヶ月間は、毎月2940円です。13~24ヶ月目は3784円。24ヶ月の総額は80,688円。
実際にはオプションなどの有料コンテンツに加入するので、+15000円くらいとすると、95,688円。
実質0円との差額は、70728円(166,416円 ー 95,688円)。結構安くなりますよね。
iPhoneの販売ノルマ
2月以降は実質0円がなくなるからという理由で、駆け込んでる人が多いようですが、焦らないほうがいいですよ。
一括0円はなくなっても、同額のキャッシュバックなどのキャンペーンが出てくるはず。
というのも、docomo・au・ソフトバンクなどのキャリアは、AppleからiPhoneの販売ノルマが凄まじいらしい。
なので、決算月となる3月にはノルマを達成するための様々なキャンペーンが行われます。
例年だと一括0円でiPhoneをばらまきます。
国内市場のスマホの6割近くをiPhoneが占めている現状です。
iPhoneのノルマを達成できず、AppleからiPhoneを供給されなくなるというリスクを回避するはずですから、ノルマ達成のためなら何でもやるはず。
政府から介入のあった、「無料解約期間の延長」と「実質0円の廃止」と「通話料金を安いものを用意する」の3点以外で様々なキャンペーンを打ってきます。
携帯キャリアだって、株式会社なんだから利益を優先するのは当たり前ですからね。
そして、iPhoneが投げ売りされると、人気のないAndroidのキャッシュバック金額が更に上がるという構図になります。
3月の携帯商戦を予測する
「店頭アフィリエイト」と「キャッシュバック」が増えると予測します。
でも「店頭アフィリエイト」は、解約忘れを狙った商法なので、これが増えることによる弊害は大きいです。
だって解約方法がオプションごとにバラバラなので、ユーザーにとっては最悪ですからね・・
キャッシュバックが増える
「店頭アフィリエイト」のオプションにいくつか入れば、一括0円でユーザーが得られる程度のキャッシュバックがもらえるようになるはず。1台で10万円キャッシュバックとかね。
なので、この時期に実質0円に飛びつくとのはやめた方がいいですよ。
でも多くの方が、2月に入ると実質0円がなくなると言って、駆け込んでいる現実を見ると、
政府が携帯料金に介入した結果、多くの人にとって通信費も端末代も値上がりし、更に店頭アフィリエイトで搾り取られるという事になりそうです。
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