来年は「QRコード決済」元年になると予測します。
次から次へと「QRコード決済」のプレイヤーが参戦しており、この秋より、NTTデータも実証実験を行う模様です。
NTTデータは、みずほ銀行、三井住友銀行や地方銀行10行と協力し、スマートフォンを利用した新しい決済サービスの実証実験を9月4日に開始する。2018年度上期に本サービス提供を予定しており、実証実験を通してサービスの展開の可能性を探る。
この決済サービスは、スマートフォンアプリ上でデビットカードのような、商品代金は銀行口座の残高から直接引き落とされる形で仕組みを実現するもの。銀行口座さえあれば利用でき、クレジットカードの契約や電子マネーへのチャージといった手間が不要となる。
決済周りに限って話をすると、NTTデータは儲かりそうなところには必ず参戦してきます。
CAFISという、日本独自のカード決済システムを作ったのはNTTデータの前身の電電公社なんだよね。日本のクレジットカード手数料が高いのは、CAFISの上にカードの手数料が載っているためです。NTTデータは、決済周りは自分の領域だと思ってるんだろうね。
でもね、グローバル化が進む現代において、NTTデータが考えるようなガラパゴスな仕組みなんて絶対に通用しないのです。NTTデータが「QRコード決済」に参戦しても、CAFISのような打ち出の小槌を作ることはできません。
今後、「QRコード決済」はどうなる?
2018年になると、「QRコード決済」の戦国時代を迎えることは間違いよね。
まずは、国内勢の動きを見ていきましょう。
国内勢は?
先日のエントリーで紹介しましたが、2018年3月までにdocomoも「QRコード決済」に参入します。
テクノロジーとしてみると、なにも新しいことはありません。Suicaのような非接触ICと比較すると、明らかに後退している感あるよね。
それに加えて、docomoが提供する「QRコード決済」は、携帯代金と一緒に支払いができることを売りにしている時点で、もうがっかりですわ・・・
docomoの提供する「QRコード決済」の特徴は、携帯代金と一緒に支払いができること。月額の上限額はどうなるんだろうね?
docomoのキャリア決済は、ユーザー毎に与信をするという発送は全くありません。docomoの契約年数に応じてキャリア決済の利用額は決まります。
- 契約期間1〜3ヶ月:1万円/月
- 契約期間4〜24ヶ月:3万円/月
- 契約期間25ヶ月以降:5万円/月
このあたりは、「QRコード決済」が普及したら、ユーザーの与信にあわせて、臨機応変に上限金額は変わっていくんだろうね。
他のキャリアの参戦は?
docomoが参入したら、auもソフトバンクも参戦することは間違いないです。
で、3社とも全く同じ手数料になることは、携帯電話の料金プランを見れば一目瞭然だよね。
店舗が支払う手数料は横並びに
「QRコード決済」を提供するプレイヤーは、携帯キャリア以外にも出てくるはずです。「QRコード決済」は陳腐化したテクノロジーなので、参入障壁はメチャ低いもんね。
で、日本の会社だけで戦うと、談合するので、手数料は横並びになります。もっと競争すればいいんだけど、日本企業は競争しないのです。で、その間に黒船に、美味しいところを全部持っていかれるというのは、スマホの時に味わってるはず。
手数料の価格破壊には、黒船の力が必要
この状況を破壊するには黒船の力が必要です。
2018年には、アリペイが日本市場で「QRコード決済」を始めるので、手数料は下がると思いますよ。だって中国では店舗が負担する手数料0.1%だもん。
アリペイ以外にも、Google・Apple・Facebookなどの巨大プラットフォームも参戦することで、手数料の価格破壊が起こることを期待しています。
「QRコード決済」は流行るのか?
「QRコード決済」は流行ると思うんだよね。だって店舗側は、スマホかタブレットを1台用意するだけですよ?
店舗は手軽に「QRコード決済」を導入できるのです。あとは店舗が負担する手数料が下がれば、使える店舗はどんどん増えていくので、「QRコード決済」は流行るはず。
クレジットカードと連動する「QRコード決済」が便利
今回のNTTデータの「QRコード決済」は銀行口座と連動するのが特徴です。ってことは、口座にお金が入っていなければ、使えないってことだよね?
docomoが提供するキャリア決済型の「QRコード決済」も、利用限度額はあらかじめ決まっています。
どちらも使い勝手悪いと思いませんか?
早く、クレジットカードで決済が可能な「QRコード決済」が普及することを望みます。絶対にクレジットカードと連動する方が使い勝手いいですから。
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