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オンライン質屋「CASH」がわずか1日でサービス停止になったけど、査定した商品を売りさばけば7600万円になるって知ってた?

ECテクノロジービジネスモデル

CASH6月28日、オンライン質屋「CASH」がローンチされましたが、わずか1日でサービスがストップしました。

狂ったサービスに相応しい初日じゃないだろうか。質屋アプリ「CASH」を提供するバンクは今朝未明、同サービスの査定を一時停止した。

リリース文にはこの騒がしい1日の結果が数字として公表されている。公開開始した28日10時から16時間34分でキャッシュ化された回数は7万2000回、金額にして約3.6億円がユーザーの手元に届いたことになる。前回の取材で同社代表取締役の光本勇介氏と雑談混じりに話していた数字の数十倍だ。

興味深いのは「キャッシュを返さない」、つまり商品をもう送った(集荷依頼がかかった)というアイテム数が7500個以上になっていることだ。メルカリの1日の出品数が1万点を超えたと公表されたのが開始から約5カ月後のことであることを考えると相当激しいロンチであったことが伺える。

質屋アプリCASHが査定停止、開始16時間で3.6億円以上のアイテムをキャッシュ化ーー集荷依頼アイテム数は7500個に

CASHとは

CASHとは、スマホで撮影した目の前にあるアイテムを、お金に換金できるアプリです。
要するにオンライン質屋なんだよね。買い取り上限額は20000円。

ユーザーの利用方法は以下の通りです。

スマホで写真を撮れば、アプリ上に査定額が表示され、その額で納得がいくのであれば、「キャッシュ」ボタンをタップすることで、その金額のキャッシュがアプリにチャージされます。キャッシュは、ローソンや銀行で現金することが可能です。この時点ではアイテムはまだ自分の手元にあります。

その後、ユーザーは、2ヶ月以内に、アイテムを送るか、キャッシュを返済するかの選択をすることになります。

キャッシュを返済する際の手数料は?

2ヶ月間で15%の手数料がかかります。例えば、自分のアイテムが10000円で査定されて、現金を引き出した場合、2ヶ月後に11500円を返済することになります。
この金額だとそんなに高い感じがしませんが、年利だと90%って高いよね・・・
質屋営業法の上限金利が109.5%なので、普通の質屋よりは利息は安いんだけどね。

というか、消費者金融の上限金利が29.2%というのも、暴利だと思うけど、質屋営業法の上限金利が109.5%って狂ってるわ・・

ちなみに、査定額は、だいたい中古価格の3割程度です。

CASHのスキームは?

質屋や消費者金融と違うスキームを使うことで、CASHは合法化になるようなスキームを作っています。
とはいえ、監督官庁に確認は取っていない模様。
法律面に関しては弁護士に確認しており、合法になるようなスキームを使っているとはいえ、事前に金融庁に、ノーアクションレター制度(法令適用事前確認手続)を使って調べた方が良かったんじゃないの?

ただ普通の質屋や消費者金融と違うのは、CASHでは次のようなスキームを用いていること。これによって貸金業法や質屋営業法といった法律を回避してサービスを提供するのだという。

まずアプリ上でキャッシュにするという処理を行うタイミングで、CASHがユーザーからアイテムの買い取りを行う。そのために、買取アイテムのキャッシュを即座に支払いする。

実際の買い取りまでには2カ月の猶予を置いており、その期間内に商品を送る(キャッシュを返さない)か、買取をキャンセル(手数料をつけてキャッシュを返す)するか、ということなのだという。

このスキームを実現するために、バンクは古物商許可を取得している。このスキームについて「監督省庁とは話していない」(バンク)そうだが、弁護士とも法律上問題ないことを確認した上でサービスを提供しているという。

目の前のアイテムを一瞬でキャッシュ(現金)に変えられる? 話題の新サービス「CASH」の仕組みに迫る 

CASHの運営元がどんなスキームなのかというと、具体的には、古物商の免許を取得して、15%の手数料は、金利ではなく、買取業務のキャンセル料という扱いになっています。

この部分はかなりグレーな感じするけどね。これが法的にOKなのかどうかは意見が割れるようです。弁護士の吉井和明氏のブログを見てみましょう。

マイクロレンディングサービスと貸金関連法規

そもそも、古物の流通のために、売主に所有を留保する必要はなく、これが単なる古物の流通であるという言い訳自体が不合理です。この状況は、返済を前提とするUIから認められるところでもあります。

結局のところ、ここで行われているのは、実質的には担保付きの貸金であるといます。

まとめ

3.6億円以上のアイテムがキャッシュ化されたというのは、CASHの運営元にとって想定外だったはず。

プレスリリースにある通り、運営元の株式会社バンクは社員4名、資本金は900万円なので、運営体制が整っていないということが、サービス停止の一番の理由ということになります。

「キャッシュを返さないと選択されたアイテム数」が7512個もあります。これはもう売ることが前提のアイテムですよね?
1アイテムあたりの平均キャッシュが5031円なので、約3800万円のアイテムを買い取る必要があります。中古価格の3割程度の査定額なので、第三者に販売できれば約3倍の利益が出るのですが、全部売れる保証はないし、運営側が偽物を掴まされるリスクもあります。

CASH

でもね、全部売りさばくことができれば、1億1400万円(3800万円×3)が入ってくるので、7600万円の利益が出るってことでしょ?

はよ売りさばいて、次のフェーズに進んで欲しいですね。今後の展開に注目です!

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