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コンビニに外国人技能実習は必要なのか?

ビジネスモデル

コンビニに外国人技能実習は必要なのでしょうか?

ローソン社長が外国人技能実習制度の対象職種に、コンビニ運営業務を入れて欲しいと要求している模様です。

ローソン社長の要望には全く賛成できません。この記事を読むと日本人として情けなくなります。

はっきり言って外国人を安価な労働力としてしか見てないでしょ。現状、東京に行くと、コンビニのバイトはほぼ全員外国人です。彼らにはバイト代として最低賃金を遵守して賃金を払っているはずです。

要するにローソン社長は、コンビニで働いている外国人に対して、最低賃金に基づいたバイト代すら支払いたくないということは一目瞭然です。

外国人技能実習制度を利用することで、最低賃金制度は守る必要がなくなりますからね。

ローソン社長がこういう発言すると、本当にがっかりします。利益のことしか考えてないんだろうね。

外国人がコンビニで小売店の技能を習得できるのか?

ローソンの竹増氏は、コンビニでの労働は小売業を運営する上でのノウハウが満載という発言をしています。果たして本当でしょうか?

実際のコンビニでの仕事内容は、短期のバイトやパートと同じです。長期間働くバイトであれば、店舗運営のマネジメントも学ぶことが出来るかもしれません。
でも、外国人技能実習の外国人は、数年で自分の国に帰っていくことが初めから分かっています。彼らに与えられる仕事は、使い捨ての雑用レベルの仕事の可能性が非常に高いのです。

コンビニ本部で、フランチャイズのマネジメントを教えるわけではありません。
本国に帰って技能を活かすということならば、コンビニ本部で流通からフランチャイズのマネジメントなどを教えるべきです。

外国人技能実習制度とは

外国人技能実習制度については厚生労働省のサイトに詳しい説明があるので引用します。

技能実習制度は、我が国が先進国としての役割を果たしつつ国際社会との調和ある発展を図っていくため、技能、技術又は知識の開発途上国等への移転を図り、開発途上国等の経済発展を担う「人づくり」に協力することを目的としております。

外国人技能実習

日本の高い技術を、途上国の若者に移転するという理念は素晴らしいです。が、実態は外国人技能実習の研修生を安価な労働力としか見ていないのです。現代の奴隷制度と揶揄する人もいます。

外国人技能実習制度の賃金は?

公益財団法人 国際研修協力機構が発表した2009年の研修手当を見ていきます。
研修手当とは、実習実施する企業が、研修生に支払う生活費(食費・日用品費・文書通信費・衣服費など)を指します。住宅や保険は事業者が負担することになっているので、ここには含まれておりません。

分かりやすく説明すると、外国人技能実習の研修生は、賃金として研修手当を受け取ります。ただし、住宅は事業者から無料で提供を受けるということになります。

支給額 人数 構成比
6万円未満 3,435 6.9%
6万~7万円未満 31,028 62.0%
7万~8万円未満 10,094 20.2%
8万~9万円未満 4,273 8.5%
9万~10万円未満 523 1.0%
10万以上 711 1.4%

何時間働いているのかの表示はありませんが、おそらく最低賃金を下回っていることは間違いない。時給400円とも言われています。

問題になった孫請け、岐阜県の縫製工場は、実習生たちをほぼ休みなく時給400円で長時間労働させた上に、1人600万円以上にものぼる賃金や残業代が未払いのままだ。請求されると「倒産した」として支払いを免れているが、場所や社名を変えて再び開業。明らかに、国の「未払い賃金立替制度」を悪用した計画倒産だ。

請求した実習生5人は解雇され寮も追い出され、訴えはいまだ無視されている。実習生たちを支援する岐阜一般労働組合のケンカイさんが電話で問題点を追及すると、弁護士は悪びれず「だってやれるんだもん。法律が認めているんだから」と言い放った。

技能実習生の問題に詳しい指宿昭一弁護士は、こうした制度の悪用はよく行なわれており、違法ではないが「制度上の不備がある」と問題視している。本当に、技能実習生とは名ばかりの「安く使い倒す労働力」になってしまっているのだ。

時給400円で働く外国人技能実習生の訴えを拒絶した人気女性服ブランドが大炎上 「同じ日本人として恥ずかしい」

外国人をアルバイトで採用すべし

コンビニ業界が人手不足なのは、周知の事実です。

採用が難しいのであれば、時給を上げるなどの工夫をすればいい話です。実際、ローソンは十分利益が出ていますから。

ローソンの17年3~8月期、純利益4.6%増236億円

外国人の求人サイトを活用

外国人留学生のためのアルバイト求人サイトを活用すれば、コンビニの人手不足は解消できるはずです。

さいごに

コンビニ本部は加盟店をいじめ、コンビニ加盟店はバイトを酷使する。もう、こういうのは止めるべきです。

外国人技能実習制度の対象職種にコンビニ運営業務を入れる要望を、ローソンの社長が発信する意味はどういうことなのでしょうか?

僕には、コンビニ本部が加盟店に対して、「コンビニ本部から加盟店へのロイヤリティは今まで通り要求するけど、外国人技能実習を使って人件費を下げることができる仕組みを政府に要望したから文句を言うな」ということにしか見えません。

コンビニ本部との加盟店の関係を改善するべきだと僕は思います。

その上で、きちんと労働に見合った賃金を外国人労働者に支払うべきです。

今後のコンビニ戦略どうなる?