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Amazonが出版社と直接取引すると、ユーザーの利便性が上がる件について

Amazonビジネスモデル

Amazonが、出版社と直接取引を始めることになります。

まずは取次大手の日販との取引を一部終了して、出版社との直接取引に変更します。具体的に言うと、Amazonは「日販バックオーダー発注」を6月30日で終了する模様です。

ネット書店大手アマゾンジャパンが、出版取次大手の日本出版販売(日販)への一部既刊本の発注を6月末で取りやめることが1日、分かった。4月28日付で出版各社に通知した。日本の出版流通の中核である取次を経由せず、出版社との直接取引を進めようとする動きが加速。出版界でのアマゾンの存在感が強まりそうだ。

中止するのは、日販に在庫のない既刊本を調達するための「日販バックオーダー発注」。新刊本や、日販に在庫がある既刊本の発注は継続するが、アマゾンで一時的に品切れの本が増えるなど、読者への影響が出る可能性もある。

日販バックオーダー発注とは?

日販バックオーダー発注とは、日販の倉庫に在庫のない書籍を調達するための仕組みです。

取次のシステムって独特だから分かりにくいので、少し説明しますね。

今までは、Amazonで在庫が切れている書籍が売れた場合、日販の倉庫に在庫があろうがなかろうが、Amazonは全て日販経由で書籍を仕入れていました。

日販の倉庫に在庫がある書籍なら、すぐにAmazonに入荷するので、ユーザーの元にすぐに書籍が届きますよね?

でも、日販の倉庫に在庫がない書籍の場合、ユーザーの手元に届くまでに、ものすごく時間がかかったわけです。Amazonから日販バックオーダー発注があった際、どんな経路で書籍が流通するのか見てみましょう。

  • 出版社の倉庫 → 日販の倉庫 → Amazonの倉庫 → ユーザー

ユーザーはすぐに書籍を手に入れたいのに、日販の倉庫を経由するので、余計な時間がかかっていたんだよね。

なぜAmazonは日販バックオーダー発注をやめたのか?

Amazonはユーザーの利便性を最優先したためです。

Amazonと日販は、欠品率について協議していましたが、欠品率改善の話し合いはうまく行かなかったようです。
Amazonは、日販バックオーダー発注を継続している限り、欠品率が改善しないという判断をしたのです。

日販の倉庫に在庫がない書籍を、わざわざ日販の倉庫を経由してAmaozonが仕入れる意味はないですから。

あとは、取次を通さないことで、取次への手数料を払う必要がなくなることも、Amazonが日販バックオーダー発注をやめたもう一つの理由だろうね。

Amazonが出版社と直接取引すると、流通はどう変わるの?

今後、Amazonが直接出版社へ発注した場合、書籍流通の経路は「日販の倉庫」を経由しなくなります。

Amazonが、日販バックオーダー発注を終了することで、書籍がユーザーに届くまでの時間は、短縮されることになります。

日販バックオーダー発注を終了した際の書籍の流通経路

  • 出版社の倉庫→Amazonの倉庫→ユーザー

日販の倉庫を経由しないで、出版社の倉庫からAmazonの倉庫へ書籍が流通するので、今までよりも早く読者に書籍が届くことになりますね。

Amazonは出版社から、どうやって書籍を仕入れるのか?

取次を通さないということは、Amazonが自社で出版社から、Amazonの倉庫へ書籍を仕入れる必要があります。

Amazon 直接取引 出版流通

2017年1月に設立した所沢市にある「アマゾン納品センター」を、出版社との直接取引の拠点にするようです。
なんで所沢市に「アマゾン納品センター」を作ったのかというと、出版社の倉庫は、所沢市の周辺に数多く点在しているためです。

Amazonは自社のトラックを用意して、出版社の倉庫に集荷に回る模様です。

出版社の倉庫ってどこにあるの?

多くの場合、出版社は倉庫会社で書籍を保管しています。で、多くの倉庫会社は、埼玉県所沢市や朝霞市に集中しているのです。

だから、Amazonは、所沢市に「アマゾン納品センター」を作ったわけでしょ?
Amazonは自社でトラックを用意して、出版社の倉庫に書籍を集荷するシステムを構築していますから、取次を通さずに、自社で書籍の流通を確保したということになります。

ちなみに、日販の書籍を管理している「日販物流サービス株式会社」も朝霞市にあります。所沢市とは目と鼻の先です。
今後、Amazonは取次を通さずに、直接出版社と書籍の取引を行うことは間違いないだろうね。

日販スタンダード発注とは?

日販スタンダード発注とは、日販の倉庫に在庫がある書籍や、新刊書籍を発注するための仕組みです。

日販スタンダード発注に関しては、Amazonは今まで通り継続するようです。
とはいえ、今後、どうなるかは分かりませんけどね。

わたくしの予想では、「日販バックオーダー発注」を終了して、Amazonの自社トラックによる物流システムがきちんと稼働すれば、「日販スタンダード発注」も終了していくと思いますよ。

Amazonが出版社と直接取引をすると、ユーザーの利便性は上がる

日販に在庫がない書籍を、わざわざ日販を通してAmazonが仕入れる意味は全くありません。

取次を通さないことで、書籍の流通の速度が上がることは間違いないのです。

今後、Amazonで在庫切れの書籍が、より早くユーザーへ届くことになります。

Amazonが出版社と直接取引すると、今後の出版社はどうなる?
Amazonが取次を通さずに、出版社と直接取引を拡げていくようです。 いよいよ書籍流通の仕組みのガラガラポンが始まります。 アマゾンジャパン(東京・目黒)は、出版取次を介さない出版社との直接取引を広げる。自ら出版社の倉庫から本や雑誌を集め、...