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Amazonで「1円の古本」と「257円の送料」の組み合わせがなくなった理由と、その影響で古本が値上げになった件

Amazon

Amazonマーケットプレイスで「1円の古本」と「257円の送料」の組み合わせが、なくなってしまいました。

自分のアカウントのAmazonの注文履歴を見てみると、2017年11月くらいまでは258円で古本を購入していましたが、2017年11月以降は1件もありません。

「1円の古本」もAmazonマーケットプレイスにあるのですが、送料は300円とか350円とかに変更されています。

なぜ、このようなことが起こっているかご存知ですか?

今日のエントリーは、Amazonマーケットプレイスで「1円の古本」と「257円の送料」の組み合わせがなくなった理由と、その影響で古本が値上げになった件についてお話します。

Amazonで「1円の古本」と「257円の送料」の組み合わせがなくなった理由

Amazonマーケットプレイスで「1円の古本」と「257円の送料」の組み合わせが、なくなった
Amazonで「1円の古本」と「257円の送料」の組み合わせがなくなった理由は、2017年10月に「送料の自由化」と「Amazonマーケットプレイスの手数料の改定」があったためです。

送料の自由化

Amazonマーケットプレイスの送料は、商品カテゴリーごとに固定されていました。本ならば257円が送料として決まっており、出品者が自由に変更することはできなかったのです。
Amazonマーケットプレイスの出品者は、「大口出品者」と「小口出品者」がいますが、どちらも送料の変更はできませんでした。

ところが、2017年10月から、「大口出品者」は自由に送料を変更できるシステムに切り替わりました。その結果「大口出品者」が出品する本の送料が、300円とか350円に値上がりしたのです。出品者ごとに送料はバラバラです。

ちなみに、「小口出品者」の本の送料は257円のままです。

参考 出品者の配送料と配送条件

Amazonマーケットプレイスの手数料の改定

「送料の自由化」と同時に、Amazonマーケットプレイスの手数料の改定も実施されました。

2017年10月までは、Amazonマーケットプレイスに「1円の古本」と「257円の送料」の組み合わせは無数にありました。この金額でも、出品者にとって利益がでるシステムだったからです。

2017年10月以降、Amazonマーケットプレイスの手数料の改定が行われ、出品者は「商品の値段」か「送料」を上げなければ赤字になるように手数料の改定が行われたのです。

大口出品者のAmazonマーケットプレイスの手数料の推移

手数料は次のように変更になりました。

大口出品の場合、月額4900円が固定費としてかかります。小口出品のように、 基本成約料100円は必要ありません。月に50冊以上本を販売するのであれば、大口出品の方がお得です。

手数料 カテゴリー成約料
改定前 販売価格の15% 60円
改定後 (販売価格+送料)の15% 80円

「1円の古本」を「257円の送料」で販売した場合、改定前と改定後で、利益がどのように変化するのか見ていきます。

  • 改定前・・・140円の手数料 (1円×15% + カテゴリ成約料60円 + 送料80円) → 1冊1円で販売しても、258円-140円で1冊あたり118円の利益が出た。
  • 改定後・・・199円の手数料 (258円×15% + カテゴリ成約料80円 + 送料80円) → 1冊1円で販売しても、258円-199円で1冊あたり59円の利益が出る。

小口出品者のAmazonマーケットプレイスの手数料の推移

手数料は次のように変更になりました。
小口出品者の場合、1冊あたり、基本成約料が100円かかります。

手数料 カテゴリー成約料 基本成約料
改定前 販売価格の15% 60円 100円
改定後 (販売価格+送料)の15% 80円 100円

「1円の古本」を「257円の送料」で販売した場合、改定前と改定後で、利益がどのように変化したか比較します。

  • 改定前・・・240円の手数料 (1円×15% + カテゴリ成約料60円 + 送料80円) + 基本成約料100円 → 1冊1円で販売しても、258円-240円で1冊あたり18円の利益が出た。
  • 改定後・・・299円 (258円×15% + カテゴリ成約料80円 + 送料80円)+ 基本成約料100円 → 1冊1円で販売すると、258円-299円で1冊あたり41円の赤字。

以上の理由で、「1円の古本」を「257円の送料」で販売すると、小口出品者は赤字になるために、258円で本を販売する出品者がいなくなったのです。

300円以上で販売しないと利益が出ない

小口出品の場合のいくらで販売すると利益が出るかと言うと、299円で販売して1円の利益です。→内訳 (258円×15% + カテゴリ成約料80円 + 送料80円 + 基本成約料100円)

299円以上で販売しないと利益が出ないので、Amazonマーケットプレイスで、本と送料の合計が300円以下というのは、全く見なくなりましたね。300円で販売しても2円しか利益でないけど・・

メルカリの普及も関係あるかも

メルカリは最低出品金額が300円です。しかもメルカリは出品者が送料負担するのがデフォルトです。メルカリで販売される本も送料込み300円の商品が増えております。Amazonはメルカリの金額に合わせてきたのかもしれませんね。

さいごに

以上、Amazonで「1円の古本」と「257円の送料」の組み合わせがなくなった理由と、その影響で古本が値上げになった件でした。

ここまでお話したとおり、2017年10月に「送料の自由化」と「Amazonマーケットプレイスの手数料の変更」があったために、Amazonの古本の販売価格の値上げが行われるようになりました。

Amazonの一人勝ちの状況を考えると、以前のように258円で古本が購入できることは、なくなってしまうんだろうね。