テスラからレベル5の自動運転車が、遅くとも6ヶ月以内に登場するとのこと。
テスラモーターズのイーロン・マスクCEOが「完全自動運転機能の登場はいつになるのだろう?」という質問ツイートに対して、「3カ月以内かもしれない。6カ月以内は確実」と答えました。早ければ2017年前半に完全自動運転カーが登場することになりそうです。
テスラの電気自動車(EV)は、スマートフォンのようにソフトウェアをアップデートすることで機能を追加・改善することができます。例えば半自動運転機能の「オートパイロット」もソフトウェアアップデートで提供された機能で、このため、自動車オーナーは購入時以降もソフトウェアアップデートを通じてEVを進化させられます。
テスラは近い将来、ドライバーが一切操作することなく自動で運転できるレベル5の「完全自動運転」機能の搭載を明言しており、完全自動運転を見据えて、従来比40倍の性能を誇るNVIDIAのコンピューター「Drive PX 2」や、8つのカメラ、12個の超音波センサーなどに改良された「ハードウェアII」と呼ばれるハードウェアアップデートを行っており、2016年10月から生産するすべてのEVがハードウェアIIに対応していました。もちろん、旧型車のオーナーもこの新型ハードウェアにアップデートすることは可能です。
@elonmusk At what point will “Full Self-Driving Capability” features noticeably depart from “Enhanced Autopilot” features?
— Tom Randall (@tsrandall) 2017年1月23日
レベル5の自動運転車とは?
一般的には自動運転はレベル1からレベル4に分類されます。
これは、日本政府や米国運輸省道路交通安全局 (NHTSA) が自動運転のレベルを4段階に設定しているためです。
じゃあ、「レベル5の自動運転って何?」って話になりますよね?実は、アメリカにあるSAEインターナショナルという非営利団体が定義している自動運転のレベルを指します。SAEインターナショナルの自動運転のレベルは6段階あるのです。
SAEインターナショナルではNHTSAの定義を6段階に再定義している。レベル3まではNHTSAと同じであるが、NHTSAレベル3とレベル4の間を埋めるレベル4が定義されており、システムからの運転操作切り替え要請にドライバーが適切に応じなかった場合でも、特定の運転モードにおいて自動化された運転システムが車両の運転操作を行う。SAEのレベル5がNHTSAのレベル4相当の完全自動運転である。
↓レベル1からレベル4の自動運転については、以前のエントリーに詳しく書きました。
IT化していく自動車業界
2016年の1年間で出荷されたテスラの数は、なんと50万台です。テスラは、街中を走行しているModel SとModel Xのセンサーから集まったデータを解析して、自動運転システムを更新しています。
自動車業界はものすごい速度でIT化していますね。
自動車がネットに繋がることで、テスラやGoogleは自動車に搭載されたセンサーからの膨大なデータを収集することができます。集めたデータを解析して、自動運転システムをアップデートしていますからね。
データの解析は、IT企業の得意分野です。テスラやGoogleの子会社であるWaymoが、自動運転に関しては主導していくことは間違いなさそうです。
既存の自動車メーカーは、自動運転システムの進化には必須である、IT化のスピードについていけてないことは明らかだもんね。
自動運転の肝はセンサー
自動運転が進化していくには、自動運転車の取り付けられたセンサーが果たす役割が非常に大きいです。
センサーからの情報を元に、様々なデータを解析して、アップデートしていくということになりますからね。
どうやら、Googleの子会社であるWaymo CEOのJohn Krafcik氏によると、センサーを自社開発するとのことです。
グーグルカーではLidarというセンサーを使っておりましたが、1台の値段はなんと75000ドル。これを自社開発することで、コストを90%抑えることができるようです。それでも7500ドルしますけどね。
Lidar is the most expensive component of self-driving cars. As Krafcik noted in his address, a single unit cost $75,000 just a few years ago. A lidar sensor is attached to the top of a car where it spins and shoots out lasers to create high-resolution maps of the car’s surroundings.
“Just a few years ago, a single top-of-the-range lidar cost upwards of $75,000. Today, we’ve brought down that cost by more than 90%,” Krafcik said. “As we look to scale, we will do even better, with the goal of making this technology accessible to millions of people.”
Lidarは自家用車の中で最も高価な部品です。Krafcik氏が彼の言葉で指摘したように、わずか数年前には単体の単価が75,000ドルでした。Lidarセンサーは車の上部に取り付けられており、回転してレーザーを発射して、車の周辺の高解像度地図を作成します。
「ちょうど数年前、1台の最高水準のLidarに対して75,000ドル以上のコストを払っていましたが、今日ではそのコストを90%以上削減しました」とKrafcik氏は言います。「市場規模を見てみると、何百万人もの人々がこの技術を利用できるようにするという目的で、より良い結果が得られるでしょう」
Google just made a big move to bring down the cost of self-driving cars
Waymoの戦略は?
以前のエントリーで詳しく書きましたが、GoogleがWaymoという子会社を作って、自動運転プロジェクトを進める背景には、自動運転システムを自動車メーカーに売り込むためです。
自社で開発したグーグルカーでテスト走行を重ねるだけでは、グーグルカーの台数に限りがあるため、自動運転に関するデータが圧倒的に少ないですからね。
クライスラーやホンダと提携することで、自動運転に関する膨大なデータを集めて、解析するということになります。
自動運転システムとセンサーをセットで売りこむ
今後、Waymoの戦略は、自動運転システムとセンサーをセットにして、自動車メーカーに売るこむことになるだろうね。
今後、Googleは、グーグルカーによる自動運転の開発を進めながら、既存の自動車メーカーに自動運転装置をライセンス販売していくという戦略を取るだろうね。
ソフトウェアアップデートで進化するテスラ
テスラのオートパイロットは、ソフトウェアアップデートによって実装されます。
なので、オートパイロットが登場する前にテスラを購入したユーザーでも、2500ドル支払ってアップデートすれば、オートパイロットの機能が追加されます。
レベル5の自動運転システムも、ソフトウェアアップデートで実現していくんだろうね。
今後のレベル5の自動運転システムの実装が楽しみですね。
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