お正月に、MVNOが割安感があってコスパが高いというエントリーを書きました。
大手キャリアが5Gに移行したら状況は変わりますが、少なくとも4GやLTEの間は、MVNOのお得感は続くはずです。
でも、MVNOは参入障壁が低いから、参入している会社の数がハンパない。
2016年の時点で、MVNO事業者は500社を超えています。IIJmio、OCNモバイル、LINEモバイル、楽天モバイル、FREETELなどの大手MVNO事業者の数なんて、多くて20社以下なので、ほとんどのMVNO事業者は聞いたことがない会社ばかりということになりますね。
となると、今度、MVNOの寡占化が進むはず。体力のある大手MVNOがどんどん買収していくことになるでしょう。
今日のエントリーでは、大手MVNOはどんな戦略を取れば、MVNOが大ブレイクするのか考えていきます。
MVNOのユーザー数の推移
まずはMVNOのユーザー数の推移を見ていきましょう。
MM総研が発表した2016年3月末の実績です。
独立系MVNO事業者がSIMカードを活用し、独自の料金プランで提供する独自サービス型SIMの回線契約数は、2016年3月末で539.4万回線となった。2015年3月末時点では326.0万回線だったので、1年間で回線数は65.5%増加した。
MVNOの事業者別のシェア
MVNOのユーザー数の推移と同様、MM総研のデータを見てみます。
2016年3月末時点の事業者シェアを見ると、1位はOCNモバイルONE等を提供するNTTコミュニケーションズ。次いで、IIJmio SIM・BIC SIM等を提供するインターネットイニシアティブ、楽天モバイルを提供する楽天、U-mobileブランド等を提供するU-NEXT、BIGLOBE SIM等を提供するビッグローブ、mineoを提供するケイ・オプティコムとなる。なお、個人向けサービスだけに限定した場合、インターネットイニシアティブのシェアが1位となる。
この数字は、MVNOの事業者別の契約数を元にシェアを出しています。ネットリテラシーが高い層は、通信速度の安定している「IIJmio」を選ぶ傾向がありますね。
ユーザーのMVNO事業者の人気ランキング
今度は、ICT総研が発表した、ユーザーの満足度調査を見ていきます。
この数字はMVNOを使っているユーザー613人からの回答を元にデータを出しています。
スマートフォンに格安SIMを挿して利用するユーザーの回答を集計した結果、楽天モバイルが17.0%となり、出現率ベースで利用者数シェアトップとなった。NTTコミュニケーションズの「OCNモバイルONE」が16.5%、インターネットイニシアティブの「IIJ mio」が12.4%、ビッグローブの「BIGLOBE SIM」が9.5%、ケイ・オプティコム(関西電力子会社)の「mineo」(マイネオ)が9.1%でこれに続く。この上位5社で合計64.4%と、シェアの2/3近くを占めた。
また、「コストパフォーマンスの高さ」は楽天モバイルがトップ、「最適な料金プランの有無」はFREETEL SIMがトップ、「事業者への信頼度」はIIJmioがトップという調査結果でした。
MVNOユーザーを増やすための方法は?
スマホの設定が自分でできる層がMVNOへ移行するのは簡単ですよね?すでに、ネットリテラシーの高い層は、MVNOへ移行している人が多いです。
今以上にMVNOユーザー数を増やすためには、自分でスマホの設定ができない層を取り込む必要があります。ネットリテラシーの低い層の人数の方が、圧倒的に大多数ですからね。
MM総研のデータでは、「NTTコミュニケーションズ」がトップシェアでしたよね?
それに対して、ICT総研が集計した利用者のアンケートでは、「楽天モバイル」のコストパフォーマンスが最も高いという結果になりました。
スマホの設定などが自分でできないユーザーにとっては、「楽天モバイル」のように店舗でのサポートを行っているMVNOを好むということなんでしょうね。
ネットリテラシーの低い層は店舗でのサポートが必須
MVNOユーザー数を増やすには、スマホの設定などのサポートを実店舗で行っていく必要があります。
要するに、大手キャリアのように、店舗でのサポートを行っていかないと、今以上にMVNOのユーザー数は増えないのです。
なので、MVNO各社は、MVNOのシェアを取りたかったら、実店舗を構築するのが手っ取り早いということになります。
MVNOはSIMフリースマホを利用するユーザーが多い
大手キャリアからMVNOに乗り換える場合、今まで使っている端末をそのまま使うか、新たにSIMフリースマホを購入するかどちらかになりますよね?
SIMフリースマホは2〜3万円で購入できるので、今後、SIMフリースマホの販売台数は上がっていくだろうね。
MM総研は、2016年度上期(2016年4月~9月)の国内携帯電話出荷台数の調査結果を発表した。出荷台数は過去最低の1518.8万台(前年同期比10.9%減)となった。
タイプ別では、スマートフォンが1216.8万台(前年同期比8.4%減)、フィーチャーフォンが302万台(同19.7%減)だった。スマートフォンでは大手キャリア向けが1097万台(同13.1%減)と減少する一方で、SIMロックフリーのスマートフォンが前年同期比で79.1%増となる119.8万台となった。
店舗を増やしたMVNOが生き残る
現状、MVNO各社は、SIMフリースマホとセットで、回線を売っています。なんだかキャリアと同じビジネスになってきた感じがします。
今後、どんなMVNOが生き残るのかといえば、店舗を増やしたところになるだろうね。
増やした店舗で販売とサポートを行うのです。
MVNOの移行でネックなのは?
MVNOの移行でネックなのは何かというと、
- キャリアのメールアドレス
- スマホの設定
高齢者の場合、周りの友人達との連絡が、大手キャリアのメールアドレスでやり取りしているという方も多いからね。
この2つのサポートをしっかりと行えば、高齢者もMVNOへの移行が進みます。
今後のLINEモバイルの展開が気になります!
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