ティム・クック氏が日本を訪問中です。
任天堂訪問、iPhone7のSuicaでJRの自動改札をテスト、首相官邸で安倍総理との会談など、精力的に活動しています。
来日中のAppleCEOティム・クックがJRでApple Pay使ってる!これからBuzzFeed Japanが密着します #TimInJapan pic.twitter.com/4dceHFZkoy
— BuzzFeed Japan (@BuzzFeedJapan) 2016年10月13日
日本政府がティム・クックを歓迎するのは、12月に完成する綱島TDC(テクニカル・デベロップメント・センター)に期待しているからなのでしょう。
具体的にどのような開発拠点になるのかは分かりませんが、米国以外の開発拠点は、イスラエル、中国、スウェーデン、イギリスに続いて、5ヶ所目になります。
米アップルのティム・クック最高経営責任者(CEO)は14日午後、首相官邸で安倍首相と会談し、横浜市で建設を進めている技術開発拠点が12月に完成すると報告した。
菅官房長官が同日午後の記者会見で明らかにした。アップルにとって日本は、スマートフォンの販売シェア(占有率)が大きく重要な拠点だ。クック氏は会談で、「日本の製造業は大企業から小企業まですばらしいものをもっている。さらに日本との関係を緊密なものにしていきたい」と語った。
安倍首相は、「我が国の企業と密接な関係を構築しながら、新たな開発拠点での開発をさらに進めてほしい」と述べた。
島野製作所の一件は?
日本の中小企業の島野製作所とAppleが裁判中なのはご存知な方も多いと思います。
何で係争しているのかというと、Magsafeの特許に関することです。
2006年に登場したMacBook ProのACアダプターは画期的でした。MagSafeと呼ばれるACアダプターは、電気ポッドのように磁石になったので、Macを引っ掛けることもなくなりましたよね。
Appleからの依頼を受けて、MagSafeを開発したのは東京都荒川区にある島野製作所という日本の中小企業です。
ところが2012年6月にAppleは、Magsafe2を発表します。当然、島野製作所への発注は減り、別の下請けにMagsafe2を作らせるということになりました。
Appleは別の下請けに発注したMagsafe2は、Magsafeとは別設計のため、島野製作所の特許を侵害していないとする立場を取っているようです。
「ティム・クックはジョブズのようなアーティストではありません。彼はコンパックやIBMといった大企業で調達担当として辣腕を振るってきた人間です。ジョブズが太陽とすれば、クックは月。ジョブズが世界中が憧れるようなデザインの商品をつくる裏で、彼はそれをギリギリのコストで世界中の部品メーカーから調達するという影武者のような役割を担ってきました。いまの『世界一アコギな企業』といってもいいアップルをつくり上げた人物です」
総額100億円アップル社を訴えた 日本の中小企業島野製作所「下請け」だからって、ナメるなよ 絶対に負けられない戦いがある
安倍総理は、日本の中小企業を守るっていう発送はないのかしら?
わざわざティム・クック氏が首相官邸まで訪問しているんだから、せめて島野製作所の件について、苦言を呈するってことはできなかったのだろうか・・
裁判中の案件というデリケートな問題には触れることができないのなら、「日本の下請けをいじめないで欲しい」くらいの発言があってもいいと思いますけどね。
日本に歩み寄るApple
Appleは、iPhone7から急に日本に歩み寄りはじめました。
理由は明白で、iPhoneの販売実績を見れば明らか。
アップルの4~6月期の決算によれば、世界的にiPhoneの販売台数は落ちているのに対して、日本市場だけ23%増ですからね。しかも、日本人はiPhone大好きなので、日本でのiPhoneのシェアは50%を超えています。
7月にはiPhoneの販売台数が対前年比で15%減少と報じられたが、やはりiPhoneは凋落してきているのだろうか。アップルの4~6月期の決算をみると、売り上げは420億ドル(約4・2兆円)で、対前年比15%減、営業利益も10億ドル(約1兆円)で同28%減と減収減益になっている。
ただ、地域別の売り上げをみてみると、アメリカ11%減、欧州7%減、中国33%減と軒並み下がっているのに対し、日本のみ23%増と伸びている。カンターなどの調査でも、日本では依然としてiPhoneが50%以上の市場シェアを有していることを示しており、グローバル市場と日本市場を浮き彫りにしている。iPhone7でわざわざ日本仕様を出したことにも納得がいく。
今までのiPhoneになくて,Androidにあったものは、「モバイルSuica」「防水機能」の2つです。
この2つの機能をiPhone7に搭載してきたということは、日本人は、欧米人と比べて課金するし、日本市場がお金になるってことなんだろうね。
ガラパゴスなFeliCaチップを搭載するiPhone7
AppleやGoogleから発売されるスマホって、グローバルモデルだから、各国に合わせてローカライズするってことは今までありませんでした。
NFCだって、グローバルモデルのスマホはType A/Bしか搭載されてなかったでしょ?
それが今回、iPhone7でSuicaが使えるのは、Type FのFeliCaチップが搭載されたからです。Type FのFeliCaチップって、日本国内でしか使われていないガラパゴスなのにね。
日本のSuicaの牙城をApple Payで切り崩すことは無理なのは明らかです。Apple Payってタッチしてから決済までの速度が激遅だもん・・ロンドンの地下鉄の自動改札ってApple Payなんだけど、タッチしてから5秒近くかかるんですよ・・
それに対して、Suicaはタッチしてから0.2秒以内に決済まで完了しますので、性能はずば抜けて優秀なのです。Suicaの仕様は、1分間に60人が自動改札を通過できる仕様ですからね。
Suicaがグローバルスタンダードになるかも
Suicaがグローバルスタンダードになって、世界中の自動改札で使われるかもしれません。
だって、このガラパゴスなFeliCaチップは、日本仕様のiPhone7だけに搭載されているわけじゃなくて、海外版のiPhone7にも搭載されています。ソフトウェアで海外版のiPhone7はFeliCaチップを無効にしているだけなのです。今後、ソフトウェアアップデートで、海外版のiPhone7もSuicaが使えるようになるかもしれません。
まとめ
わたくしは15年以上Macユーザーだし、iPhoneもずっと使っているので、Appleにはお世話になっています。MacとiPhoneの連携したときの使い勝手は、Androidには太刀打ちできないものがあります。
まあ、Macに関しては他に選択肢がないということもあるんだけど。Windowsとかクソだし、ChromebookもMacという母艦がなければ使い勝手悪いもんね。
でも、なんだか最近のAppleは、新製品にときめくものがないんだよね。
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