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島野製作所とAppleの裁判どうなる?

AppleiPhoneMac

島野製作所と、Appleの裁判が、新たな局面を迎えています。

米アップル社のお手盛り契約にNO! 荒川区の下請け部品メーカーの損賠訴訟を東京地裁で審理へ

アイフォーンなどを販売する米デジタル家電大手「アップル」に、部品下請け「島野製作所」(東京都荒川区)が約100億円の賠償を求めていた訴訟で、「(両社の)紛争は米国の裁判所で解決する」との合意が有効かどうかについての中間判決が15日、東京地裁で言い渡された。千葉和則裁判長は「両社の合意は、合意が成立する法的条件を満たしておらず無効」と判断、国内で審理することを決めた。国際的な裁判管轄をめぐる企業間合意を無効と判断するのは初めて。今後、企業間の訴訟に影響することも予想される。

裁判では損害賠償請求の審理に先立ち、「どの国の裁判所で審理するか」という「国際裁判管轄」が争われた。両社が契約時に「紛争は(アップル本社がある)米カリフォルニア州の裁判所で解決する」と合意していたためだ。

アップルは「日本での提訴は合意に反し無効」と主張。一方、島野は「合意は独占禁止法が禁じる(アップル側の)優越的地位の濫用(らんよう)の下で結ばれたため不当だ。国内で審理されるべきだ」などと反論していた。

島野製作所の対アップル訴訟、「米で解決」合意無効 地裁判断

米アップルに部品を供給していた島野製作所(東京・荒川)が、アップルに独占禁止法違反や特許権侵害があったとして損害賠償を求めた訴訟で、東京地裁は16日までに、裁判の管轄について中間判決を出した。千葉和則裁判長は「『紛争は米国の裁判所で解決する』という両社の合意は無効」と判断し、審理を東京地裁で続けると決めた。

島野側はアップルが部品技術を他社に流用させたうえ、リベートの支払いを要求したと主張。独禁法違反などにあたるとして2014年8月、東京地裁に提訴した。両社の契約書には「紛争は(アップルの本社がある)カリフォルニア州の裁判所で解決する」との合意があったため、「日本の裁判所で審理できるか」がまず争われていた。

国籍の違う企業が取引をする際は通常、紛争が起きたらどの国の裁判所で争うかを事前に契約で決める。裁判では自国で争う方が有利なことがあるため、アップルは取引上有利な地位を利用してカリフォルニア州を管轄としたとみられる。

ただ日本の民事訴訟法は、係争地の合意は個々の取引契約ごとに定めなければ無効と定めている。アップルと島野製作所の合意は包括的にカリフォルニア州と決めていたもようで、民事訴訟法の専門家は「無効との裁判所の判断は納得できる」と話す。

今後東京地裁はアップルに賠償責任があるかどうかを審理する。独禁法が専門の川島富士雄・神戸大学教授は「アップルが合意を見直さない限り、今後、国内の他の下請けも同様の訴えを起こす可能性がある」とみる。

Magsafeを開発した島野製作所

2006年にMacBook Proが登場した際、一番衝撃的だったのは、Magsafeと呼ばれるACアダプターのコネクタでした。

今までのPowerBookは、丸いピンのコネクタをノートPCに差し込むようになっていたので、引っ掛けてPCを机から落としてしまうことが結構あったんですよね。

MagsafeのACアダプタは、電気ポットのような磁石になったから、Macを引っ掛ける心配もなくなりました。

このMagsafeを開発したのが島野製作所なのです。

Magsafe

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島野製作所が持っている特許

弁理士である栗原潔氏のブログが特許について詳しいので引用します。

島野のプレスリリースには、どの特許権が根拠かは書かれていませんが、現時点で島野製作所が日本で所有する特許権は第5449597号第5329516号第5280511号の3件です(※わが国の特許電子図書館は公報にリンクが貼れないという前近代的設計になっていますので、特許情報サービスのアスタミューゼのサイトへのリンクを貼りました)。MagSafeのピン部分の構造の特許と思われます。

なお、当然ながらアップルはMagSafe自身の特許権(第4774439号)を持っているのですが、この特許は磁気で結合されるコネクタ全体の構造に関するものであって、個別のピンの構造には及んでいないと思われます(特許ファミリーの内容を全部見たわけではないので確実ではないですが)。

島野製作所とAppleの取引開始後の主な出来事

フジサンケイビジネスアイによると、

  • 平成18年(2006年) 島野がアップルのノートパソコン向けにピンの供給を始める。
  • 平成19年(2007年) アップルが初代「iPhone(アイフォーン)」発売
  • 平成23年(2011年) アップルが創業者スティーブ・ジョブズ氏の引退でティム・クック氏が最高経営責任者(CEO)に就任。アップルが米エクソンモービルを抜いて時価総額世界首位へ。スティーブ・ジョブズ氏が死亡
  • 平成24年(2012年) アップルが、増産計画に応じた島野への発注を減らし、他社からも供給を受け始める
  • 平成25年(2013年) アップルの担当者が島野に約1億6000万円のリベート要求
  • 平成26年(2014年) 島野が特許権侵害と独占禁止法違反でアップルを提訴
  • 平成27年(2015年) アップルが島野の特許について無効審判を提起
  • 平成28年2月(2016年) 独禁法違反の訴訟で中間判決。アップル側の「訴訟は米国の裁判所で解決すると合意」の主張を認めず

島野製作所と取引を行っている2次サプライヤーとAppleが直接の取引をする場合、事前に島野製作所側へ伝えるという約束になっていたようです。が、2012年、Appleはこの約束を反故にして島野製作所の2次サプライヤーとAppleは直接取引を始めたのです。

島野製作所は設備投資もしているわけだし、ひどい話です・・

今後の島野製作所の行方

Appleの2015年度売上高は28兆円超えで過去最高益を出しながら、下請けイジメは本当にやめて欲しい。

突然、MacBook AirやMacBook ProのACアダプタが、2012年6月からMagSafe2という新型のACアダプタに変わったのは、不思議だったんですよね。

今後の裁判はどうなるかは分かりませんが、日本国内の裁判所で裁判を行う事になった点は、島野製作所にとって良かったはずです。