日本では、Kindle Unlimitedで出版社との間でゴタゴタしているAmazonですが、米Amazonで「Prime Reading」というKindle Unlimitedの書籍リストを縮小したサービスが開始されました。
Amazonは米国時間10月5日、随時変更される1000冊以上の書籍のライブラリを提供するサービス「Prime Reading」を同国で開始した。
現在のラインアップには、「The Hobbit(邦題:ホビット 思いがけない冒険)」「Harry Potter and the Sorcerer’s Stone(ハリー・ポッターと賢者の石)」「The Millionaire Next Door」などが含まれる。米国のプライム会員のみに提供されるこの無料サービスには、コミックや児童書のほか、「National Geographic Traveler」「People」「Sports Illustrated」などの雑誌も含まれ、ラインアップは随時変更される。
「Prime Reading」とは?
「Prime Reading」はプライム会員向けのサービスです。プライム会員ならば、追加料金を支払うことなく、1000冊以上のKindle電子書籍を読むことが可能になります。
今の段階では、米Amazonでのサービスとなります。
電子書籍、雑誌、マンガの他に、「Kindle Singles」で提供しているの短編小説・エッセイ・ルポ・回想録などが読めます。ジャンルは、「フィクション」」「ノンフィクション」「子供向けの児童書」などが用意されています。
Kindleオーナー ライブラリーはサービス終了
米Amazonのサイトを見ると、Kindleオーナー ライブラリーのサービスはなくなった模様です。
月に1冊しか読めないKindleオーナー ライブラリーよりも、「Prime Reading」の方が、プライム会員にとってメリットがありますからね。
iPhoneでも利用可能
利用できる端末は、Amazon純正のKindleやFireタブレットだけでなく、iOSのKindleアプリ、AndroidのKindleアプリでも利用できます。これはめちゃ便利です。
Kindle オーナーライブラリーは、対象の電子書籍が月1冊無料で読めましたが、端末に制約があって、KindleやFireタブレットじゃないと利用できませんでしたからね。
「Prime Reading」は一度に何冊まで読めるの?
一度に何冊まで端末にダウンロードできるのかは気になるところです。今の時点では、米Amazonのサイトには載ってないですね。
一度にダウンロードできる書籍数は、「Kindle Unlimited」なら一度に10冊まで、「Kindleオーナー ライブラリー」は月に1冊でした。
「Prime Reading」の日本でのサービスはあるの?
Amazonの新しいサービスは、毎回、米Amazonでリリースされ、2年後くらいに日本へやってくるというのがいつものパターンです。近い将来、日本でも「Prime Reading」が始まることは間違いないです。
「Kindle Unlimited」と「Prime Reading」の違いは?
↓違いをまとめました。
- 「Kindle Unlimited」は、プライム会員費の他に月額9.99ドルの追加費用が必要。そのかわり書籍数100万冊が読み放題。
- 「Prime Reading」は、プライム会員ならば追加費用は不要。書籍数は1000冊程度。
Amazonプライムのビジネスモデル
コストコ同様の会費制ビジネスモデルです。
どんなビジネスモデルかというと、年会費を取る代わりに、会員向けに様々なサービスを提供するというもの。
コストコの会員数は、世界全体を見ると、2016年5月25日付で、8550万人です。国別に年会費は異なりますが、一律4000円で計算すると、会費だけで年間3420億円の収入です。
米Amazonのプライム会員は、米調査会社のコンシューマー・インテリジェンス・リサーチ・パートナーズ(CIRP)の調査によれば、2015年末で5400万人と推計しています。
99ドルの年会費なので、年会費だけでおよそ50億ドルの収入です。
日本のAmazonプライムの値上げ
近い将来、必ず日本のAmazonプライムは値上げします。だって、年間3900円って安すぎますからね。
Amazonの戦略はプライム会員の獲得へシフト
米Amazonで「Prime Reading」が始まるということは、「Kindle Unlimited」の会員数は減るけど、プライム会員数は絶対に増えます。
Amazonは、「Kindle Unlimited」の会員数より、プライム会員数を増やすという戦略にでたことになります。
「Kindle Unlimited」は、一度に10冊まで端末にダウンロードできるけど、結局、積ん読になっちゃう人が多いと思いですからね。いくらサブスクリプションで100万冊が読み放題といっても、多くのユーザーは、電子書籍ってそんなに読まないからね。だって1日24時間しかないでしょ?
ほとんどのユーザーは、書籍数は少ない「Prime Reading」で十分満足できるはず。しばらくすれば、日本でも「Prime Reading」のサービスは始まります。
わたくしも含め、完全にAmazonプライムに囲われちゃってますね。
2017年10月6日 追記
日本でも「Prime Reading」が始まりました。
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