今後の出版業界!

活字離れが加速しています。

書籍や雑誌が全然売れない理由として、昨年から定額制の音楽配信や動画配信が始まっていて、余暇時間の争奪戦が始まっていることも原因の一つです。

書籍・雑誌の販売額、過去最大の落ち込みに

2015年の書籍・雑誌の推定販売額(電子出版を除く)は前年比5・3%減の1兆5220億円で、過去最大の落ち込みとなったことが25日、出版科学研究所の調べでわかった。

続いて、出版業界全体の売上の推移を見てみます。

出版社と取次と書店の総売上の合計です。過去5年間の売上を見ると、

2008年の6兆3495億7500万円 → 2013年の5兆997億3500万円と19.7%減少しています。

帝国データバンクの資料です。

総売上高は 5 年間で 1 兆 2500 億円消失

出版業界全体の売上

出版流通の仕組み

紙の書籍と電子書籍で異なります。

紙媒体の書籍

読者に届くまでの流れはこんな感じ。

  • 著者 → 出版社 → 印刷所 → 取次 → 流通 → 書店 → 消費者

書籍の金額から、取次が8%、書店が21~24%を中抜きします。

電子書籍

電子書籍になると、KindleやiBooksなどの電子書籍のプラットフォームから、ユーザーは直接ダウンロードします。

そのため、印刷所・取次・流通・書店の中抜きがなくなります。今までの中抜してた利益は、著者・出版社・プラットフォーム・消費者へ分配されるのです。

読者の届くまでの流れはシンプルになります。

  • 著者 → 出版社 → Kindle・iBooksなどの電子書籍のプラットフォーム → 消費者

電子書籍のプラットフォームとは?

コンテンツの枠組みを構築して、流通させる仕組みを提供しています。

紙媒体の書籍の場合、印刷所・取次・流通・書店を一括りにしてプラットフォームの役割を果たしますが、電子書籍だとAmazonやAppleが1社で代替します。

取次とは?

出版社と書店の間をつなぐ流通業者なのですが、日本は再販制度という特殊な事情があって、取次の力が出版社より強いです。

再販制度

出版取次の売上高ランキング 2012年

  • 日販   7044億4900万円
  • トーハン 5034億8400万円
  • 大阪屋    948億8000万円

取次なんていらない? 出版界の嫌われ者に宿っていたもの

本の霊力がたまる場所

かつて「世界最先端」と言われた出版取次の全国流通網とシステムが、戦後の読書人口と出版市場を大きくしてきたことは間違いありません。

世界の中で日本の出版業界がユニークな点は、取次という名の巨大流通機構が存在する点です。

約4千社といわれる出版社の新刊の多くは、ごく少数の取次会社に搬入されてそこから全国約1万店の書店に配本される。その流れの中で、トーハン・日販は出版流通シェアの約7割を占有する寡占企業です。ここまで中央集権型の出版流通は世界的にも稀。

一つ目は、amazonの猛攻です。

アメリカとは交通事情も読書事情も違う日本では通用しないだろう。

そう甘くみていたamazonが21世紀に入ってから日本でも開店しました。瞬く間に国内出版市場を侵食し、わずか12年で年商2千億円を超える、すなわち市場の1割以上を占める「中抜き」書店と化したことです。

このままamazonが成長すると、売上高で取次が抜かれるのではないか。

取次以上の物流センターを各地に建設しはじめて、取次事業まで始めるのではないか。

取次機能を内製化するAmazon

将来的に取次は不要になっていくはず。

アマゾンと角川、取次「中抜き」の差別化 アマゾンがケンカで見せつけた「強かさ」

大手出版社KADOKAWAが、インターネット通販大手アマゾンジャパンと書籍や雑誌の直接取引を始めている。従来は取次といわれる日本出版販売やトーハンなどの卸を経由して、アマゾンに書籍や雑誌を卸していた。このKADOKAWAの施策は、差別化として他出版社に優位に機能するだろうか。

出版流通構造の歴史

みずほ銀行の調査結果が面白い。出版流通構造の歴史が詳しく載ってます。

各コンテンツの産業の現状分析

江戸時代末期

出版・卸・小売業の複合流通で、書籍出版が中心です。

明治時代

出版・卸・小売業の分化が始まり、新聞・雑誌流通の「東京堂」「良明堂」など大取次が登場。雑誌出版の発展します。

大正時代

大取次は雑誌流通の元取次と書籍流通の専門取次に分かれる。大手雑誌出版の台頭。

昭和時代(戦前)

政府による「東京堂」「北隆館」「東海堂」「大東会」の4取次の再編。出版社数が3000社から200社へ縮小。

昭和時代(戦後)

集配法により日本出版配給が解体。出版社の数が増加します。

出版社が生き残るには!

Amazonやその他の書籍のプラットフォームへの依存を最小限にすることです。

具体的には顧客との接点を、プラットフォームに委ねること無く、出版社が確保する必要があります。

ドワンゴの川上量生さんの「鈴木さんにも分かるネットの未来」を引用すると

いまのiTunes StoreやKindleストアにコンテンツを提供しても顧客との接点はAppleやAmazonに独占されるだけなのです。お客さんがコンテンツを購入した時、iTunesやKindleで購入したとは記憶するでしょうが、そのコンテンツがどこの出版社のものなのかということは通常はあまり意識されません。

また、コンテンツホルダーにはどのユーザーがコンテンツを購入したかの情報はもらえませんから、購入者限定でなにか、特別なマーケティングをおこなうこともできません。あるコンテンツを購入したひとに、他にどんなコンテンツを買えばいいかをリコメンドするのはプラットフォームホルダーの権利なのです。そしてプラットフォームホルダーたちにとってコンテンツはとっかえのきく消耗品であり、なにが売れるかを彼らが自由にコントロールできるのが、一番、都合がいいのです。

コンテンツホルダーがプラットフォームホルダーに対抗するためには顧客との接点を自分たちの手に取り戻さなければなりません。そのためには自分たちのコンテンツを誰がいつ購入したのかという情報を自らの手で管理しなければいけないのです。

出版社が生き残るために、出版社自らが著者のファンクラブを作ったり、定期購読者向けのサービスを展開が有効な策になることは間違いないです。

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