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出版社に書籍の直販をオススメする理由

ビジネスモデル

出版不況と言われて久しいですが、今後、今以上に出版社は冬の時代を迎えることになります。

特に弱小出版社は、厳しい経営を強いられることになります。
今日のエントリーでは、出版社に書籍の直販をオススメする理由を書きます。

書籍販売を取次に依存している出版業界

今まで出版社が直販に力を入れてこなかったのは、書籍の販売ルートを「取次」「Amazon」に依存していたことが考えられます。

書店の販売ルート

書店の販売ルートはどんなパターンがあるのか見ていきます。

  • 出版社→取次→書店→ユーザー
  • 出版社→Amazon→ユーザー
  • 出版社→書店→ユーザー
  • 出版社→ユーザー(直販)

取次の役割は?

取次の役割を見ていきましょう。

取次はプラットフォームなので、書籍の流通量をコントロールしています。

Amazonが出版社と直接取引すると、今後の出版社はどうなる?
Amazonが取次を通さずに、出版社と直接取引を拡げていくようです。いよいよ書籍流通の仕組みのガラガラポンが始まります。アマゾンジャパン(東京・目黒)は、出版取次を介さない出版社との直接取引を広げる。自ら出版社の倉庫から本や雑誌を集め、沖縄...

2015年の時点で、全国に13,488の書店があります。取次は、全国にある書店の売上データを握っていますので、過去の書店のデータを元に、「どの書店に何冊配本するか」ということを決めています。

販売実績のある大型書店には新刊が大量に並び、販売実績のない小さな書店には新刊がほとんど配本されません。

出版業界は、ごく一部の大手出版社を除いて、販売網を持ってる取次には頭が上がらないと言う構造を抱えています。

一般社団法人 日本出版取次協会という、取次が作った協会があります。取次という仕組み自体が、ネット通販の世の中には時代遅れな感じもします。

取次業者がいるおかげで各出版社は自分の手で運ばずにすみます。このシステムがあるためにベストセラーにならない少量の出版物も大量出版物と同一基準の運賃コストで全国の書店に配送されます。

現在も取次各社共通の問題の解決にあたるとともに、出版物取次業の健全な発展と、出版物による文化的使命の達成を図り、業界の発展に寄与しています。

創立の経緯

書店の数は、過去16年間で4割減なのに取次に依存してていいんですか?

書店の数は、過去16年間で4割減っています。

以前のエントリーを引用します。

1999年に22,296店あった書店が、2016年には13,488店まで減っているので、過去16年で8808店舗が潰れたことになります。

リアル書店は復活できるのか?生き残るための方法を考えてみる

これから地方の書店はどんどん減っていきます。こちらは2014年のデータです。

出版社が生き残るには、自社の販売網を構築することも検討する

これから出版社が生き残るには、取次やAmazonに販売網を頼るのではなく、読者に直販体制で、自社の販売網を構築していくことも有効な施策になります。

出版社が直販をするメリット

出版社が書籍を直販するメリットは、2つあります。

  • 取次やAmazonへの手数料がなくなるので、利益率が上がる
  • 読者との接点が増える

出版社が直販するデメリット

  • 発送業務が増える
  • 自社で販売網を構築できないと、書籍が売れない

出版社は、取次やAmazonに依存しないビジネスモデルを構築する

先日のエントリーで詳しく書きましたが、Amazonが取次を通さずに、出版社と直接取引を始めます。

ただし、出版社にとって、プラットフォームが取次からAmazonへと変わるだけで、販売網をAmazonに依存することには代わりがありません。

Amazonが出版社と直接取引をするというのは、短期的に見ると、弱小出版社の売上は上がります。
だって、今まで取次経由の流通では、Amazonで在庫切れになったら1〜2週間は在庫切れの表示だったわけですからね。これが1〜2日でユーザーのところへ届けられるようになるので、機会損失のリスクを減らすことができます。
でもね、長期的な視点に立つと、Amazonで売れるからと言って、Amazonに販売を任せてしまうと、Amazonに、自社の生存権を委ねてしまうことになります。
Amazonが、書籍取扱の手数料を上げたら、出版社の経営が成り立たなくなると思いますよ。
出版社の皆様は、短期的には出版社の売上は上がるけど、長期的には冬の時代を迎えることになるということを、肝に銘じておくべきです。

従来の取次経由の書籍流通システムでは、大手出版社が発行する書籍は全国の書店に流通仕組みになっています。が、弱小出版社の書籍は、流通に乗らないので、全国の書店に配本される機会は少なかったのです。

今後、Amazonと直接取引する出版社は、間違いなく増えます。
今までは、取次の目が気になっていて、Amazonと直接取り引きすることに躊躇していた出版社も、他の出版社もこぞって参加すれば、特に弱小出版社はこぞって参加するでしょう。
赤信号皆で渡れば怖くないじゃない的な発想はあると思いますよ。

Amazonが出版社と直接取引すると、今後の出版社はどうなる?

取次やAmazon以外の販売ルートを構築する

今後、出版社が生き残っていくためには、取次やAmazonに依存しないビジネスモデルを構築しないと、生き残れないでしょう。

そのためには、出版社は書籍の直販体制を取って、販売ルートを構築することも検討します。

出版社が直販するために必要なこと

出版社が直販するためには、読者やファンと交流するための「ファンクラブ運用」「ウェブサイト運用」「ソーシャル運用」が有効だと考えれれます。

  • ファンクラブ運用
  • ウェブサイト運用
  • ソーシャル運用

書籍の制作舞台裏、著者のサイン会に参加できるといった特典をつけたファンクラブ運営を行ったり、出版社がプラットフォームとなることで、読者に直販することも有効だと考えられます。

取次を通さずに、書籍を読者に直販することで、読者と双方向性を担保しながら、読者に書籍を届けて行くのです。

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