テスラやグーグルカーには、常時接続という武器が標準装備されていますよね?
テスラの試乗をした時に、自動車のアップデートは全てネット回線という話を聞いて、ワクワクしたのを覚えています。
車が常時接続になって可能なこと
常時接続になると、自動車メーカーもユーザーもめっちゃ便利になります。
どんなことが可能になるのか見てみます。
制御装置のアップデート
- 車両システムのバグ修正
- テスラのオートパイロット、リモート駐車機能など
自動運転の補助
基本的に自動運転は、車についているセンサーやカメラの情報を元に行います。なので、その情報を制御装置が誤って判断してしまうと、事故が起こってしまいます。
電気自動車メーカーのテスラは6月30日、ウェブサイトで、自動運転機能を搭載した自社の車「モデルS」を使った死亡事故が発生したと発表した。アメリカ運輸当局が、事故の詳しい原因を調査している。テスラによれば、事故は自動運転機能を使った初の死亡事故となる。
事故は5月7日に発生した。「車は、中央分離帯のある幹線道路を自動運転で走っていて、前方で交差点を左折しようとしていた大型トレーラーに衝突した」とテスラは説明している。「後方の空が明るく光っていて、白い色をしたトレーラーの側面をドライバーも自動運転機能も認識しなかった。そのため、ブレーキが作動しなかった」という。
今後、すべての車両にGPSが組み込まれて、位置情報がネットワークで繋がる社会になれば、自動運転の事故も減るはず。お互いの位置情報を保管し合いながら走行することになりますからね。
ドライバーの補助
常時接続によって、ドライバーはカーナビ以上の情報を瞬時に手に入れることが可能になります。
テスラのように17インチの車載されたモニターでGoogleマップが見ることができれば、ドライバーの情報は格段に上がります。音声検索がもっと進化すれば、手で操作する必要もないから安全だしね。
3G回線で常時接続してるテスラ
テスラの場合、常時接続といってもdocomo 3G回線ですから、はっきり言って遅いです。Googleマップとかめっちゃ遅いもん。
Googleマップでナビするなら、スマホのLTEでテザリングすれば、ある程度サクサク動かせます。3Gはマジ遅すぎて無理だけど・・
テスラはWi-Fiに繋がるの?
オートパイロットなどのソフトウェアアップデートは、Wi-Fi経由で行われます。
3G回線じゃ時間掛かり過ぎるしね。
スマホのアップデートと同様に、OTA(Over-The-Air)でアップデートが可能です。
Model Sには定期的に新機能を追加するワイアレスのソフトウェア アップデートが配信されます。アップデートの準備ができると、センターディスプレイにお知らせが表示され、すぐにインストールするか、後でインストールする時間を設定するかを選ぶことができます。ソフトウェア アップデートは通常45分程度で完了します。ダウンロード時間を短縮するためには、Model Sをご自宅のワイアレス ネットワークに接続してください。
5Gで自動運転はどう変わる?
5Gと自動運転のニュースを見てみましょう。
遠隔操作でブレーキをかけた場合、5Gを使うと現行方式より格段に早く止まることができる。また、複数の自動走行車両が存在する場合、5Gなら電波が互いに干渉する懸念が小さいという。
株式会社デンソー(本社:愛知県刈谷市、社長:有馬 浩二、以下デンソー)と株式会社NTTドコモ(本社:東京都千代田区、社長:加藤 薰、以下ドコモ)は、高度運転支援および自動運転技術の実現に向け、LTEや次世代移動通信システム5G(以下5G)を利用した車両制御システムの研究開発を協力して進めることに、本日合意いたしました。
NTTドコモは自動運転技術の開発に乗り出す。次世代の高速通信技術の開発で先行する強みを生かし、即座に膨大な情報をやり取りする路車間(道路と車の間)通信や車車間(車同士の間)通信の精度を高める。
3G ・4G・5Gの違いは?
どのくらい速度が違うのかおさらいしてみます。5Gは、4Gの10〜20倍の通信速度、3Gの約700倍の通信速度になります。
- 3G回線 約14Mbpsの通信速度
- 4G回線 50Mbps〜1Gbpsの高速通信
- 5G回線 10Gbps以上の高速通信
5Gの導入で自動運転は変わるのか?
現行のテスラのモデルSは、3Gで遅すぎて比較にならないので、置いておきます。
時速100キロメートルで走る自動車が通信制御しているケースを見てみます。
前を走る自動車が急ブレーキをかけた場合で4Gと5Gでどのくらい違うのか比較してみます。
4Gの場合、遅延は50ミリ秒なので、指示から停止までの間に14メートル進みます。
5Gの場合、遅延は1ミリ秒となり、指示から停止までの間は僅か2.8センチメートルしか進みません。
数台先を走る自動車が急停止したとしても、急ブレーキをする情報の伝達時間はものすごく短いので、玉突き事故を防ぐことができるのです。2.8センチですからね。
2020年から10年間くらいは、人間が運転する自動車と、自動運転車が共存する社会になるはずなので、人間の急ブレーキにも自動運転が対応できるということになりそうです。
携帯キャリアは土管屋から脱出する戦略をたてるべし
スマホの登場以前は、docomoはiモードというコンテンツを提供するプラットフォームを持っていました。
また、ガラケー端末の製造元に対しても、iモードが動くハードウェアを開発するための技術力を持っているdocomoが開発の主導権を握っていました。
これがiPhoneの登場によって一変します。
iモードはAppStoreに取って代わり、端末はiOSやAndroidになるので主導権は全く握れなくなりました。auもソフトバンクも同様の道をたどっています。土管屋と言われる所以です。
5Gの技術によって、自動運転の安全性は格段に上がるはずなので、上手くパッケージにしてGoogleやテスラに売り込んで下さい!
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