車が売れなくなっております。
自家用車って、乗ってる時間と乗ってない時間を比べたら、圧倒的に乗ってない時間が多い。
都心ではシェアリングカーも普及してきたし、車の所有がどんだけ無駄かってことにみんな気づき始めてきました。
自動車の未来は、3年先の将来と、10年先の将来でどのように変わっていくのでしょうか?
自動運転の電気自動車も普及してくるので、大きく変化していくことは間違いないです。
まずは、現状を分析するために、過去4年間の自動車の販売台数を見てみましょう。データは、一般社団法人日本自動車販売協会連合会の統計から引用します。
新車販売台数の推移
普通車と小型車を合算した乗用車の新車販売台数の推移を見ていきましょう。
乗用車(普通車 + 小型車)
まずは乗用車の新車販売台数から。
- 2015年 2,704,485台(前年比94.5%)
- 2014年 2,860,472台(前年比99.6%)
- 2013年 2,872,111台(前年比95.3%)
- 2012年 3,014,651台(前年比126.3%)
参考 日本自動車販売協会連合会 乗用車合計(普通+小型)
2012年が前年比126.3%となっているのは、政府がエコカー補助金に2700億円を使った恩恵です。
エコカー補助金
乗用車のエコカー補助金は、登録車10万円、軽自動車7万円でした。
トラック・バスは、小型20万円、中型40万円、大型90万円。
買い替え需要を先に食ってしまったので、2013年以降は毎年落ち込んでます。
CEV補助金
2012年までは、エコカー補助金かCEV補助金を選択できましたが、2013年以降の補助金はCEV補助金(クリーンエネルギー自動車等導入対策費補助金)に一本化されました。
車種によって補助額は異なり、テスラ 85万円・日産 e-NV200バン 85万円・日産リーフ 27~51万円など。
これだけ補助金出しても、乗用車の新車販売台数は前年比を割ってます。
軽自動車の販売台数
次に軽自動車の販売台数を見ていきます。
年々、軽自動車の販売台数は増えており、維持費の掛からない軽自動車へシフトしていることが分かります。
- 2015年 1,511,314台(前年比82.2%)
- 2014年 1,838,991台(前年比108.8%)
- 2013年 1,690,073台(前年比108.5%)
- 2012年 1,138,734台(前年比88.6%)
参考 日本自動車販売協会連合会 軽乗用車
中古車販売台数の推移
中古車販売台数の推移を見ていきます。
乗用車(普通車 + 小型車)
ほぼ横ばいです。
- 2015年 3,271,148台(前年比99.6%)
- 2014年 3,283,635台(前年比96.4%)
- 2013年 3,407,457台(前年比96.9%)
- 2012年 3,514,941台(前年比107.3%)
参考 日本自動車販売協会連合会 乗用車合計(普通+小型)
新車(乗用車 + 軽自動車)と中古車の合計の推移
2014年3月の消費増税の駆け込み以降、販売台数は減っています。
2017年4月に消費税が10%になれば、また落ち込むだろうね。駆け込みはあるかもしれないけど・・
- 2015年 7,486,947台
- 2014年 7,983,098台
- 2013年 7,969,641台
- 2012年 7,668,326台
消費税が10%になると
2017年4月に消費税10%に上がる予定です。そこでガクッと冷え込むと言われていますよね。
例えば、消費税19%のドイツは中古車の流通は消費税のかからない個人売買が主流です。オーストラリアも消費税10%なのでドイツ同様に中古車屋はほとんどありません。
日本も10%になれば、消費税のかからない個人売買が今より増えるのは絶対。個人売買を独占しているプラットフォームはヤフオクです。今後、ヤフオク以外のプラットフォーム出てくるかもしれません。
でも、現状ヤフオクで販売されている車のほとんどは、下取りに出しても値段がつかない格安の車両です。
いつ壊れてもおかしくない車両ばかりなので、程度のいい中古車を購入したいという層には刺さりません。
今後、車の個人売買を仲介するビジネスが台頭するかもね。中古車の程度を審査するような。車の目利きがデキる人は、中古車販売から目利きビジネスへ業態を変えるのもありですね。
3年後の自動車業界
新車、中古車共に、販売台数は減っていくはず。
反対に、カーシェアリングは増加します。
カーシェアリングは、2013年の8,831台から2015年に16,418台へと倍以上に増えています。
2019年にはかなりの数の車両台数になるはず。
カーシェアリングが増える理由
車を所有する場合、車両価格だけじゃなくて、維持費がかなりかかります。
毎年かかる費用は自動車税・任意保険・2年ごとの車検費用(重量税や自賠責)・自宅に車庫がなければ駐車場代など。
にも関わらず、車を動かしている時間より、車庫に置いておく時間のほうが長い。なので、消費税が10%に上がった段階で、車の所有をやめようという人が増えてもおかしくないのです。
都会の人は、自動車を所有するのって無駄以外の何物でのないということや、車なくてもいいじゃんってことにみんなが気づいてしまってる。実際、東京23区だと車持たない人が圧倒的に多いですよね。駐車場代も月額3万~とめちゃ高いし。
生活に車が必需品である地方の人の場合、軽自動車がもっと増えるはず。
大きな1BOXカーを所有するとかもう流行らないね。使う時だけ、レンタカーを借りればいいので。
10年後の自動車業界
ガソリン車、電気自動車、ハイブリッドカー、水素自動車をそれぞれ見ていきます。
ガソリン車の未来
壊滅的な状況になるはず。今どきガソリン車乗ってるの?って話になるはず。
というのも、電気自動車は部品点数は、ガソリン車の1/100~1/300になります。
電気自動車なら、10年後にはトヨタや日産などの自動車メーカーでなくても、簡単に製造できるため、世界中にたくさんの電気自動車メーカーができるはず。
電気自動車の未来
中国や東南アジアに電気自動車メーカーが乱立するので、価格破壊が起きて30万円くらいで買える様になります。
自動運転に必要なカメラやセンサー類もコモディティー化して価格破壊がおきます。自動運転のオプションが10万円で付けられたりするでしょう。
海外の電気自動車メーカーのサイトで、ボディーカラーや内装をシュミレーションしてポチれば、1ヶ月後に自宅に届くなんてビジネスになっていくだろうね。
ハイブリッドカーの未来
電気自動車の価格破壊が起きたら、単なるゴミになるでしょう。
新車の電気自動車が30万円で買えるようになれば、中古のハイブリッドなんて誰も見向きしないもん。海外へ輸出できればいいけど、引き取ってくれる国もそんなにないはず。
どのくらいのハイブリッドカーがゴミになるかというと、
プリウス・フィット・アクアの販売台数は、2013年には約80万台、2014年は約70万台、2015年は約50万台。
ハイブリッドのバッテリー寿命は10年弱と言われてて、交換費用が部品代13万円 + 工賃10万円かかるようです。
自動車メーカーは、電気自動車の価格破壊が起きることをある程度予測した上で、今ガンガン売り切ってます。
水素自動車の未来
水素自動車に未来はありません。
水素は引火しやすく、貯蔵が難しいので、水素自動車の開発には莫大な費用がかかります。なので、大手自動車メーカーが、参入障壁を高くするためだけに、水素自動車を開発していると言っても過言ではありません。
自動運転の電気自動車の普及
あと10年以内に、自動運転の電気自動車が普及するので、都会にかぎらず、地方でも車を所有する必要がなくなります。
昼間は流しのタクシー運転手のように走ってるので、乗りたい時にスマホで呼べばいいのです。夜になれば、充電ステーションで待機して、呼ばれればそこから出動って感じになるはず。
中古車屋はウェブサイトで集客できるの?
中古車屋の集客はどうすればいいのでしょうか?
需要の絶対数が減っていく中、ウェブサイトをうまく運用して集客できるのか?中古車屋の視点で見てみます。
ターゲットを明確に
1円でも安く購入したいという顧客は、利益につながらないので、無視します。こういう層はヤフオクで購入しますからね。
ガソリン車を扱うなら、イギリス車やイタ車や旧アメ車などのマニアックな車を扱ってない限り難しいでしょう。
マニアックな専門店になれば確実に生き延びることは可能。数は多くなくても、一定層のマニアがいますから。
サイトのコンテンツを増やす
こういう層に向けて、サイトで自動車に関するうんちくや、解決事例などのコンテンツを増やしていくことができれば、ウェブでの集客は可能です。
もし普通の車しか扱わないのなら、10年後は厳しくなることが予測されます。
だって、電気自動車が新車で30万円で購入できたら、ガソリン車の中古なんて誰も買わないでしょ。
PC市場の話になりますが、2007年頃まではPCの中古市場はかなり大きなマーケットでした。これは新品のPCが高かったため。
技術の陳腐化によって、途上国でPCが組み立てられるようになって、新品PCの価格破壊が起きた結果、PCの中古市場の規模はかなり縮小されました。
同じことが電気自動車やガソリン車でも起きるはずです。
ナレッジ