先日のエントリーでau系のMVNOだとiOS8での通信が安定しないことを書きました。
なぜ、au系のMVNOのmineoだとデータ通信が安定しないのか、その理由をGoogle先生で調べましたが、よくわかりませんでした。
そこで、IIJmioのエンジニアによる公式blogを執筆している堂前清隆氏にTwitterで質問してみました。
なんと返事をいただくことができ、しかも非常にわかりやすかったのでご紹介します。
auのMVNOが、iOS8で使えない理由
@ischool_ito まず、前提として。docomoとauは、1)3Gの通信方式が異なる、2)MVNOへ提供される機能が異なる、という違いがあります。携帯電話の通信方式には規格上もバリエーションがあるため、事業者によって設備に違いがあるのはおかしな事ではありません。(続
— どうまえ@IIJ (@IIJ_doumae) 2015年9月16日
@ischool_ito 次に、iOS8は携帯電話網に接続する際の手順で、一部不可解な動作をしている部分があります。MNOを利用する際にはこの問題は顕在化しないのですが、MVNOを利用する場合はこの問題のため、携帯電話網が期待する動作をできない状態になっています。 (続
— どうまえ@IIJ (@IIJ_doumae) 2015年9月16日
@ischool_ito iOSは接続に失敗すると何度か条件を変えてリトライするのですが、docomo網ではリトライによって接続が可能になるものの、au網に対してはリトライをしても網側が期待する動作をする事ができていません。結果接続に失敗します。 (続
— どうまえ@IIJ (@IIJ_doumae) 2015年9月16日
@ischool_ito ただ、私たちの調査の中で「APN構成プロファイル」に特定の設定を追加すると、iOSがau網の期待する動作をするようになることが判りました。すべての機種ではありませんが、一部機種ではこれによりiOS 8でもau網MVNOが利用できるようです。(続
— どうまえ@IIJ (@IIJ_doumae) 2015年9月16日
@ischool_ito このあたりの詳細な事情はIIJmioのイベントでも発表しています。http://t.co/lUeCFXd8lW の「続、MVNOとSIMフリー端末の問題について (iOS編)」もご覧頂ければ幸いです。
— どうまえ@IIJ (@IIJ_doumae) 2015年9月16日
通信方式が異なるau
au系のMVNOは、「mineo」「UQ mobile」などがあります。auの3GネットワークはCDMA方式であり、W-CDMA方式のdocomoやソフトバンクと異なります。
日本で売っているSIMフリー端末、例えばFreetelのPriori2などは、W-CDMA方式のdocomoやソフトバンクのSIMカードでは使えますが、CDMA方式のauのSIMカードでは使えないのです。
IIJmioのMVNOに対する取り組み
IIJmioの技術力は、他のMVNO各社と比べるとぶっちぎりで高いです。
だって、mineoなどのau系のMVNOが、iOS8でデータ通信ができなくて困っていたところを、IIJmioがau系のSIMでデータ通信ができる方法を見つけて救ったのですからね。
IIJmioとDMM mobileの2社は、9月17日午前2時にiOSが配信されるとすぐに、自社で提供している「APN構成プロファイル」の動作検証を行い、iPhoneの対応状況をブログやTwitterでアップしました。
その他のMVNOは、動作検証はありませんでした。
ユーザーがiOS9へアップデートして自社MVNOで通信できなくなったら困るという目線が、素晴らしいです。ユーザーに真摯に向き合ってるところが、他のMVNOとは違いますよね。
MVNEとは
Mobile Virtual Network Enablerの略です。わかりやすく言うと、MVNO回線の仕入先です。
MVNOとMNO(docomo、au、ソフトバンク)の間に立ち、回線をMVNOへ提供します。仮想移動体サービス提供者とも呼ばれています。
docomo系 MVNOといっても、全てが同じ回線品質ではないのです。どこのMVNEから回線を提供されてるかで、通信速度は大きく変わります。
IIJは、MVNEとしてMVNO各社へ回線を提供するとともに、自らユーザーにMVNO回線を販売しております。当然、回線も安定しておりますので、MVNOを利用するなら、IIJmioがオススメなのです。
回線品質は、提供元のMVNEで決まります。
IIJ
回線速度も早く、評判が良いです。下記の会社へMVNEとして回線を提供しています。
- IIJmio
- DMM mobile
- BB.excite モバイル LTE
OCN
こちらも回線速度が早く安定していると評判です。
- OCN モバイル ONE
- ぷららモバイルLTE
- ASAHIネット LTE
日本通信
回線や応答速度が遅いなど、あまり評判が良くないです。わたしも5年前に日本通信を使っていましたが、回線は遅かったです。
- B-mobile
- 楽天ブロードバンド LTE
Freebit
回線速度が遅く、評判は良くないです。
- U-mobile
- DTI ServersMan SIM LTE
NTTドコモの主要なMVNEとMVNOの関係をAPNから整理してみた
IIJmioの技術力の高さ
IIJmioの公式ブログ「てくろぐ」を見ると、MVNOでのiPhoneのテスト、通信の関する技術的な話など、IIJmioのMVNOの対する熱い取り組みが分かります。
今のところdocomo系MVNOでは、iOSのアップデートでMVNOが使えなくなることはありませんが、今後iOSのアップデートの際は、通信が安定しないという問題が出る可能性もあります。
MVNOを選ぶ際は、サポート体制も重要になってきそうですね。
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