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今後の人工知能はどうなる?

インターネットテクノロジー

人工知能への投資が盛んに行われています。

IBMは日本のソフトバンクとも、Pepperの開発で提携しており、この新型ロボットは初めての海外出荷が始まっている。

Watson内蔵のPepperは、画像やテキストからソーシャルメディア、ビデオに到るまで幅広いデータソースを利用する。なぜか? IBMによると、これはロボットに「人間と同じやり方で ― 五感、学習、体験 ― 世界を理解する能力を与えるものだと言う。

「これはもうSFの世界の話ではない」と、ソフトバンクロボティクス事業推進本部長の吉田健一氏が今日のステージで語った。

Watsonを頭脳に持つ最初のロボットたちは、接客あるいは小売りの分野で試行されるとIBMは言っている。同プラットフォームの直接体験を初めて広い範囲人々に提供する。これはPepperのようなロボットが、店員を置き換えようというものではなく、既に人間を置き換えている無味乾燥なキオスク端末に取って代わるものだ。

IBMの「ワトソン」、ソフトバンクのPepper等に人工知能を提供

pepper

Pepperに人工知能の「ワトソン」をインストールすることによって、店舗ごとにカスタマイズすることができることになります。

人件費より安く導入できるなら、人間から置き換わっていきそうですよね。

人工知能で人間の仕事が置き換わるの?

クリエイターなどの創造性が必要な業種、他人との強調や理解・説得・ネゴシエーションなどが必要な職種については、人工知能での代替が難しいと言われています。

その反面、事務作業、データ解析などの仕事については、人工知能で代替できる可能性が高いです。

一昔前は弁護士や会計士などの知的な分野が、人工知能やロボットで代替されるなどとは思いもよりませんでした。ところが今やアメリカでは、裁判において過去の判例を調べるのは弁護士ではなく人工知能が行っています。

また、クラウド会計の「MFクラウド会計」や「Freee」の登場によって、経理についても、人工知能が学習しながらクラウドで展開するようになってきました。経理が自動化するメリットは計り知れないほど大きいです。めちゃくちゃ便利だしね。

今後、様々な業種が人工知能やロボットで置き換えられることは明白で、あとはコストの問題ということになるでしょう。

どのくらいの業種が代替されるかというと、

株式会社野村総合研究所(本社:東京都千代田区、代表取締役会長兼社長:嶋本 正、以下「NRI」)は、英オックスフォード大学のマイケル A. オズボーン准教授およびカール・ベネディクト・フレイ博士*1との共同研究により、国内601種類の職業*2について、それぞれ人工知能やロボット等で代替される確率を試算しました。この結果、10~20年後に、日本の労働人口の約49%が就いている職業において、それらに代替することが可能との推計結果が得られています。

この共同研究は、NRI未来創発センターが「“2030年”から日本を考える、“今”から2030年の日本に備える。」をテーマに行っている研究活動のひとつです。人口減少に伴い、労働力の減少が予測される日本において、人工知能やロボット等を活用して労働力を補完した場合の社会的影響に関する研究をしています。

日本の労働人口の49%が人工知能やロボット等で代替可能に

人工知能 vs 人間

チェスや将棋といったボードゲームでは、既に人工知能が人間を凌駕しつつあります。

チェスと将棋

チェスにおいては、1997年に世界チャンピオンのカスパロフ氏に、IBMの人工知能 deep blueがはじめて勝利しました。

将棋において、人工知能が人間のプロ雀士に勝ったのは2012年です。

チェスは取られた駒は使えないのに対して、将棋は持ち駒として再利用できる違いがあり、将棋の手の組み合わせ数は、チェスを遥かに凌ぎます。人工知能にとっては将棋のほうがチェスよりも難しいということになります。

組み合わせ数がどのくらい多いのかというと、チェスの分岐数(ルールで指すことができる手の組み合わせ数)はおよそ35。一局の手数は80なので、チェスの手の組み合わせ数は25の80乗、およそ10の120乗になります。

将棋の場合は、およそ80の115乗、、およそ10の220乗になるので、手が複雑になります。

現実に起こっていることは、チェスの世界チャンピオンが人工知能に負けてから19年経過し、将棋でもプロ雀士が負け始めているのです。

囲碁と人工知能

囲碁では、今のところ人工知能より人間が強いです。

理由はチェスや将棋よりも手数が複雑なため。

囲碁の分岐数はおよ250。一局の手数は250なので、250の250乗という途方も無い手数になります。

とはいえ、人工知能に積極的に投資しているGoogleやFacebookによって、この状況が変わる可能性が非常に高い。

2017年5月28日 追記
囲碁は、人間よりも人工知能が強くなってしまいました。

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ディープラーニングとは?

人工知能の進化の鍵となるのは、ディープラーニングの進化です。

ディープラーニングとは、ニューラルネットワーク(人間の脳神経回路を模倣した情報処理システム)の機械学習のことです。自動で学習することによってどんどん価値を増やしていくことができるのです。

特に、画像認識やパターン認識に優れていることが証明されています。

例えば、ディープラーニングで有名なのは、0から9までの数字を手書きで書いたものを読み込んで学習するMNISTと呼ばれるものがあります。

あらかじめ分類しておいたデータを読み込ませると、ニューラルネットワークが自動で特徴を学習してくれるのです。

Google社員が登場し、Googleの「20パーセントプロジェクト」を取材する動画です。ディープラーニングをわかりやすく解説しています。英語なのですが・・

技術的特異点

技術的特異点とは、人工知能の能力が全人類の知能を上回る時点を指します。

技術的特異点の後は、テクノロジーの進歩を支配するのは人類ではなく人工知能となり、人類が築いてきたテクノロジーの延長線では予測できなくなるのです。

アメリカの未来学者のレイ・カーツワイルによれば2045年に訪れると言われています。

SFマニアによるオカルトと揶揄されていましたが、2012年にGoogleがレイ・カーツワイルを獲得したことから、現実味を帯びた話になってきました。

今後の人工知能

コンピューターの処理速度は過去20年で1000万倍と進化していて、この流れは今後加速していくはず。

これに伴いディープラーニングも進化して、人工知能は格段に賢くなっていきます。

Googleの創業者のラリー・ペイジは、「人工知能の進化によって、近未来において、10人中9人が今とは違う仕事をすることになるであろう」と言ってます。

人工知能によって幸福な社会が来るといいのですが、実際はどうなるんでしょうね?