Facebookが「Marketplace」を発表しました。
Facebookは米国時間10月3日、同社モバイルアプリの新しいセクション「Marketplace」を発表した。ユーザーは自分の家具、車、衣服を掲載して、近隣地域の任意のFacebookユーザーに販売できるようになる。Facebookには既に人気を集めている売買目的のグループがあるが、Marketplaceはこれらのグループとは異なり、ユーザーは参加する前に承認を受ける必要がない。
Marketplaceタブは、米国、英国、オーストラリア、ニュージーランドの「iOS」と「Android」上のFacebookアプリの最下部に、目立つ形で表示される。他の国とデスクトップ版にも今後提供される予定だ。
Facebookは、Marketplace上の売買から手数料を徴収したり、Marketplaceページ上に広告を表示したりすることを直ちには計画していない。この新しい取り組みから(少なくとも現時点では)直接収益を得ることはないが、FacebookはMarketplaceを、ユーザーに同サイトを使い続けようと思わせるさらなる要素として利用できるかもしれない。17億人という莫大なユーザー層の拡大にもつながる可能性がある。
「Marketplace」とは
「Marketplace」とは、Facebookのプラットフォームを使って、売り手と買い手を結びつけるサービスです。
このサービスを利用すれば、近隣に住んでいるユーザーに、ユーザーが所有している商品を売ることが可能です。
言ってみれば、フリマアプリのようなもの。
まずは、アメリカ・イギリス・オーストラリア・ニュージーランドの4ヶ国でサービスの提供が始まります。
Introducing Marketplace: Buy and Sell with Your Local Community
現時点で「Marketplace」は個人間売買しかできません(CtoCのみ)。企業のページを許可していないので、BtoCはできない模様。
このあたりは、ユーザーの反応を見ながら、変わっていくだろうけどね。
なぜ「Marketplace」をリリースするのか?
Facebook Groupsでの、個人売買ってめちゃ盛んなのご存知ですか?
Facebookの発表によれば、毎月4億5000万人以上のユーザーが、個人売買のFacebook Groupsを訪れているのです。
すでにFacebookは、CtoCのプラットフォームになりつつあります。
このようなユーザーの動きがあるので、Facebookは「Marketplace」をリリースすることで、ユーザー間の利便性を高めることを目的としているのです。
↓「Marketplace」アプリを見ていきましょう。
「Marketplace」アプリを立ち上げると、近隣ユーザーが売っている商品の一覧がでてきます。商品のキーワード検索も可能です。検索は、「場所」「商品のカテゴリー」「価格」で絞り込むことも可能です。
今の時点では、モバイルアプリでローンチします。利用するユーザーが増えれば、ウェブ版でも使えるように展開していくはず。
Messengerで送金
アメリカ国内だけですが、Messengerには、すでに送金機能が追加されているので、決済についてのハードルは全くありません。
Facebook上でのECの歴史
Facebookは、今までに何度もECの機能を取り入れようとしてきましたが、あまりうまくいかなかったんですよね。
例を見てみましょう。
Facebookはアメリカで一般向けに公開されたのは、2006年9月26日以降です。日本語版が公開されたのは2008年。
Facebookが日本でリリースされた頃、Facebook上でECを構築するサービスを行うウェブ制作会社が、けっこうありました。FacebookアプリでのEC機能がついたものをリリースしているアプリディベロッパーもありましたからね。
でも、全然流行らなかったのです。理由は明白で、Facebookを利用するユーザーがは、人との繋がりを求めていたからです。
特にFacebookが流行りだした頃は、高校の同級生を核に、昔の友だちと再び繋がったりできることが、Facebookが爆発的に流行った理由の一つでした。友だちと繋がりに来ているプラットフォームで、商品を買おうとは思わないですよね?
でも、今回「Marketplace」がリリースされたということは、Facebookユーザーが、人との繋がりだけを求めてるというフェーズは終わったということなのでしょう。繋がるだけだったら、飽きてきちゃいますから。
「Marketplace」の手数料は無料
今のフェーズは、競合するフリマアプリから、ユーザーを獲得する段階です。なので、Facebookはマネタイズを全く考慮に入れない戦略にでています。
どういうことかというと、Facebookは、「Marketplace」の売買における手数料は無料、Marketplaceページに広告を表示することもないようです。
これはフリマアプリを展開している会社にとっては、脅威だろうね。
今後の手数料は?
Facebookの場合、すでにプラットフォームはあるわけなので、ずっと個人間売買の手数料が無料ということも十分考えられます。
マネタイズするとしたら、Facebook広告の出稿にする方が、ユーザーの理解は得られるはずだし、競合サービスを駆逐することができるからね。
Facebookによる買収は?
2015年3月に、FacebookはEC用の検索エンジンのTheFindを買収しています。
今後、Facebookによる、フリマアプリを展開しているスタートアップの買収とか絶対ありそう。シェアを伸ばすには、ユーザーを抱えているサービスを買収するのが一番手っ取り早いもんね。
「Marketplace」の登場でメルカリはどうなる?
Facebookがマネタイズを度外視して、「Marketplace」のユーザー獲得に動いたら、そりゃメルカリはヤバイですって。
メルカリの手数料10%に対して、「Marketplace」の手数料は無料ですから。
今のところ「Marketplace」が、どのようにユーザー間の取引の仕組みを構築しているのかは分かりません。
でもユーザー数の差は歴然です。
メルカリの月間ユーザー数が500万人超えに対して、Facebookの月間ユーザー数は9億人。メルカリの140倍の月間ユーザー数をFacebookは持っているのです。
今後、「Marketplace」の手数料がずっと無料だったら、メルカリは爆死するね。
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