日本でも UberX が始まります。
UberXとは、個人が自分の車を使う「自家用車タクシー」です。アメリカやフランスではUberXは一般的ですが、今まで日本では法律で規制されていました。
配車アプリ「Uber」を展開するUber Japanは5月26日、同社のシステムを活用した有料配車サービス「ささえ合い交通」を京都府京丹後市で始めると発表した。過疎化・高齢化が進むエリアで、交通の利便性向上を目指す。
専用アプリからスマートフォンのGPSで現在地を取得し、付近の登録ドライバーに配車を依頼できるサービス。連携するNPO「気張る! ふるさと丹後町」によると、同市では2012年から住民のニーズに合わせて運行するデマンドバスを運行してきたが、事前予約必須、乗車できる曜日や地域に限りがある――などの理由から、さらなる地域交通の充実を望む声が上がっていたという。Uberのシステムを活用し、市内のどこにでも移動したい時に利用できる運行代制を整える。
運転手はNPOが主体となって募集。地元の一般人から、二種免許の取得など法定要件を満たした18人を選んだという。公共交通機関と違い、ルートや営業日の制限がなく、持続可能な運行方法の確立を目指す。
業界で様々な綱引きがあったと推測できます。時系列で見てみましょう。
2015年11月の時点では、国土交通省は猛反対していました。
10月20日に開かれた国家戦略特区諮問会議で安倍晋三首相が提言した「白タク解禁案」に、国交省が猛反発している。
2016年3月には、方針は180度変わり規制緩和の方向に進みました。タクシー業界は猛反発したはずですが、政府に押し切られてしまいました。
タクシー業界はどうなるの?
どこの国でもタクシー業界は、国の法規制に守られています。免許制にしないと、誘拐などの事件に巻き込まれることがあるためです。
「自家用車タクシー」って、言葉を変えれば白タクのことを指しますよね。
Wikipediaによると、
事業用自動車を示す緑地に白字(軽自動車のタクシーは黒地に黄字)、3ナンバー又は5ナンバーのナンバープレートがつけられる。自家用自動車を用いて無資格で営業しているものは白タクと呼ばれ、違法である。この呼び方はナンバープレートの色が事業用車のそれに対して白地緑文字であることに由来する。
タクシーが走ってないエリア
田舎に行くとタクシーが皆無のエリアってありますよね?
わたくしも毎年1月に北海道の伊達市大滝区(旧大滝村)にクロスカントリーの大会に行くのですが、このエリアもタクシーは走っていません。なので、お酒を飲む人は、みんなで集まって打ち上げとかできないんですよね・・・帰るにも車じゃないと帰れませんから・・
こういうエリアには、Uberが提供する「自家用車タクシー」は非常に有効です。
UberXは本当に過疎地だけ?
「自家用車タクシー」という名のUberXは、当初は、過疎地だけということになってますが、絶対に都市部にも進出してきますって。あったら便利ですからね。
UberXが都市部に進出する前に、タクシー業界は再編して体力つけておかないと、潰れる会社が続出します。
2020年までに自動運転のタクシーも導入するという話だし、タクシー業界は大変革を迫られています。
犯罪防止に有効
Uberの場合、車両登録をして、GPS追跡を可能にすれば、犯罪防止に役に立ちます。
海外旅行でUberを使う
海外旅行でUberを使った経験がある方は多いと思います。
Uberのメリット
旅行先で利用するならUberのメリットは大きいです。旅行先でタクシーがメーターで走ってくれないという不満を持っている人は多いはず。
昨年11月にイタリアに行きましたが、ローマではメーターで走ってくれるタクシーはほとんどいませんでした。毎回、料金の交渉です。
この点、Uberなら事前に料金が分かるので明瞭会計です。
更に、乗車後にメールで実際に走行したGoogleマップのレポートが送られてくるので、遠回りされるというリスクも少ないです。おかしなことをしたら、Uber側からドライバーにペナルティーがあるはず。
Uberのデメリット
一般のタクシードライバーの仕事は確実になくなるでしょうね。フランスではデモやってますから。
タクシー業界を潰した後、Uberが値上げということは十分に考えられます。更に、飛行機の運賃のように、利用者の多い時間帯の料金は上がるということも一般化しそう。
配車アプリに投資する自動車メーカー
最後に配車アプリへの投資状況を見てみましょう。
GM、Appleに続き、トヨタも投資を始めました。今の時点でAppleは自動車メーカーじゃないけど、数年後Apple Carがでますからね。
GM の Lyft 出資
米自動車大手のGeneral Motors(GM)とモバイル端末用アプリを使った配車サービス手がける米Lyftは現地時間2016年1月4日、両社が長期におよぶ戦略的提携の契約を結んだと発表した。
Apple の Didi 出資
アップルが、中国配車サーヴィス最大手のDidi Chuxing(滴滴出行)に対して、単独では過去最大となる10億ドルを出資した。
アップルは5月13日(米国時間)、Didi Chuxing(滴滴出行)に10億ドルを出資すると発表した。Didiは、中国の配車サーヴィス最大手であり、中国での事業拡大をめざすウーバーにとって最大の脅威だ。
トヨタ の Uber 出資
トヨタ自動車(以下、トヨタ)は5月25日、米配車サービスUberと、ライドシェア領域における協業を検討する覚書を締結したと発表した。トヨタがUberに戦略的出資を行う他、日本以外で試験的な取り組みでの協業を模索していくという。出資金額は公表されていない。
具体的には、Uberのドライバーにトヨタファイナンシャルサービス(TFS)が車両をリースし、収入の一部をリース料として回収するサービスを構築する。
今後の配車アプリは?
ガソリン車から電気自動車となり、自動車業界自体大きく変わっていきます。更に人工知能を搭載した自動運転車も登場します。
Uber、Lyft、Didiは急成長を遂げており、自動車メーカー、タクシー業界、利用者が複雑にからみ合いながら、サービス展開していくことになりそうです。
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