携帯各社の決算が出揃いました。
2015年後半に安倍総理の携帯電話料金引き下げ議論に端を発して、総務省の「携帯電話の料金その他の条件見直しに関するタスクフォース」での議論によって、大手キャリアに対して端末販売の適正化・ライトユーザー向け料金プランの提供なの要請が始まりました。
総務省が実質0円の自粛を要請しているということは、大手キャリアにとっては経営的に悪くない話ですよね。端末分がそのまま利益になる訳だから。
総務省が厳しく一括0円を取り締まったおかげで、今年の3月の携帯商戦は全く盛り上がりませんでした。
2年前の2014年3月は、2013年9月にdocomoがiPhone 5sを販売したことで、めっちゃくちゃ盛り上がりました。他社からdocomoへMNPする場合、一括0円だけでなく、MNP1台ごとに4万円キャッシュバックが行われるという大盤振る舞いだったのです。
今年の3月のように、実質0円や一括0円を自粛するのであれば、ユーザーに向けて通信料を安くするという方法があるのにも関わらず、大手キャリアは3社とも全然安いプランを出しません。
だってMVNOと同じ料金体系のプランがあってもいいじゃないと考えるのは僕だけでしょうか?ソフトバンクでLTE1GBのプランが月額2900円っておかしくないですか?DMM mobileなら月額480円ですよwww
実質0円や一括0円がなくなった結果、3社の決算はどうなったのか?docomo・au・ソフトバンクの決算を見ていきましょう。
docomo の決算
2015年度の決算は増収増益です。利益率は17.3%。
- 営業収益 4兆5271億円(前年度比 +3.3%)
- 営業利益 7839億円(前年度比 +22.5%)
- 設備投資 5952億円
契約数は、2015年3月 66595件 → 2016年3月 70964件と上がっています。
docomoが好調だった理由は、新料金プランのユーザーが通信容量の多いプランへ移行したためだそうです。でも、一般ユーザーにとって複雑すぎる料金プランを設定して、ファミリーでパケットシェアを組ませるという手法は、褒められたものではないよね。
2016年3月には、docomoのiPhone 6sの一括0円は皆無だったし、iPhone6sを契約する場合、機種変更や新規契約だと31752円、MNPで15552円かかります。実質0円もなくなった・・・0円で配ってた端末分が利益になっています。
政府の介入がなければ、一括0円・実質0円は続けてたはずです。政府が口を挟むことで、より利益が出るというwww
au の決算
auの2015年の決算も絶好調です。利益率は18.65%。
2014年から営業利益が毎期2ケタ増って儲け過ぎですよね?
- 売上高 4兆4661.3億円(前年同期比4.6%増)
- 営業利益 8333.5億円(同25.2%増)
- 設備投資 5600億円
スマートバリューも1155万契約(世帯数572万)と好調です。
auスマートパスは1400万人を超えるということは、店頭アフィリエイトのような気がするけど・・
わたくしも以前auのiPhoneを契約してたことがありますが、auスマートパスに入ることにより一括0円でした。
大手キャリア3社の中では、料金プランは一番良心的です。
iPhoneを契約する場合、docomoやソフトバンクがかけ放題プランしかないのに対して、通話が少ない人向けに通話が従量制になるLTEプランも選択できますからね。
といっても、他のキャリアよりマシなだけで、料金体系はMVNOと較べたら複雑です。
docomoのiPhone 6sの一括0円が全くない中、auは2016年の3月にも一括0円が結構ありました。総務省は抜き打ち調査をしているということでしたが、実際は目をつぶってましたよね。
どうしてもキャリアで契約するなら、auかな?半年経ってSIMロック解除すれば、docomo系のMVNOでの利用もできるからね。
でも、iPhoneだったら、Apple StoreでSIMフリーを購入してMVNOで契約した方が安いです。
ソフトバンク の決算
ソフトバンクの決算も絶好調です。利益率は22.2%。
- 売上 3.1兆円(前年度比 +4%)
- 営業利益 6884億円(前年度比 +7%)
国内通信の数字なので、米国スプリント分は入っていません。
ソフトバンクの料金プランも複雑で分かりにくいです。
国内の携帯市場は完全なゼロサムゲーム
今まで一括0円を武器に、MNPで奪い合いを行っていましたが、これからは少なくなっていきそう。
ARPUという、1契約あたりの売上を表す数値がありますが、言ってみれば客単価です。ガラケーは音声通話がメインで、スマホはデータ通信がメインなので、単純な比較はできませんが、キャリアはARPUを上げる事に腐心しています。ガラケー時代は3000円ほどだったのが、今は5000円超えてますからね。
情報弱者を狙った大手キャリア
あとは情報弱者を狙った囲い込み。
元々はauスマーバリューから始まった、携帯料金とインターネット固定回線の割引での囲い込みが激化していきます。
ドコモ光やソフトバンク光などのフレッツ光とセットにした光コラボレーションを宣伝していますが、これ全然安くならないから気をつけてくださいね。一度転出すると、プロバイダーの変更はできなくなります。まあ初期工事費を払うなら戻せるけど・・最低でも18000円はかかります。
あとは、電気料金とのコラボレーションかな?これも囲い込まれるだけで、割引額は月100円程度と全然安くなりません。
複雑過ぎる大手キャリアの料金プラン
大手キャリアの料金プランはひどすぎると思いませんか?
徹底的に調べない限り、docomo・au・ソフトバンクの料金を比較することなど、素人にはできません。複雑すぎてよく分からないです・・
料金が安くてシンプルな料金体系のMVNOへの移行をオススメします。2年縛りもありませんし。
決算を見ると、3社だけの利益で2兆3056.5億円です。もう少しユーザーに還元してもいいと思いますが、みなさまどう思いますか?
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