このエントリーでは、AMPがサーバーの負荷対策になることについてお伝えします。
月額1000円程度のレンタルサーバーは、常時接続が1000人を超えるとアクセス制限がかかりサーバーはダウンします。
みなさまもテレビで紹介されたサイトにアクセスしたところ、サイトのアクセスが集中し500エラーや503エラーが返り接続できなかった経験があると思います。
せっかくユーザーがサイトに訪問しているにも関わらず、サーバーの負荷が原因でサイトが表示できないのはもったいないですよね?
サーバーの負荷対策をするのであればサイトをAMP化すると効果的なので、その辺のお話をいたします。
エックスサーバーは常時接続1000人を超えると、アクセス制限される
格安サーバーの中では接続が安定しているエックスサーバーでも、常時接続1000人を超えるとアクセス制限されます。
先日クライアントのお店がテレビで紹介された際、常時接続1000人を超えたあたりで、500エラーが頻発してサイトが見られなくなりました。このサイトはAMP化しておりません。
後日、エックスサーバーからアクセス制限を行ったという内容のメールが届きました。
お客様のサーバーアカウントにおいて、上記ドメイン名への集中アクセスにより7/4 18:25頃、サーバー全体に非常に高い負荷がかかっておりました。
そのため、障害の発生を防ぐことを目的とし、お客様のサーバーアカウントへのWebアクセス・リソース制限を一時的に実施しておりました。
現在はWebアクセス制限・リソース制限を解除しております。
事後のご連絡となり大変申し訳ございませんが、何卒ご理解くださいますようお願いいたします。今後も同様の負荷が継続する場合、お客様のサーバーアカウントに対して、個別のリソース制限を設ける可能性がございます。
最後の文面にもありますが、1回や2回であればアクセス制限は一時的なものになりますが、継続してサーバーに負荷がかかる状況が発生する場合、個別にリソースが制限されます。アクセス制限の解除には、具体的にサーバーの負荷対策をどのように行ったかについてエックスサーバーに報告しないと制限は解除されません。
例えば、季節ごとにテレビに紹介される飲食店があるとします。テレビに登場する度にサーバーが落ちてしまう場合、エックスサーバーが納得する内容のサーバーの負荷対策を取らなければなりません。
サーバーの負荷対策としては、画像の最適化、キャッシュプラグインの導入、CDNの利用などがあります。このような負荷対策を行ったとしても、エックスサーバーのような共用サーバーの場合、2倍の常時接続2000人に耐えることは難しいです。
そこで登場するサーバーの負荷対策がサイトのAMP化です。AMP化することで手っ取り早くサーバーの負荷を軽減できます。
AMPがサーバーの負荷対策になる理由
AMP化すれば、モバイル端末で検索エンジンからアクセスがあると、AMPキャッシュのコンテンツが表示されます。AMPキャッシュがモバイルページの高速化に繋がる技術なのですが、実は他にもメリットがあります。
モバイルユーザーにはAMPキャッシュからコンテンツが配信されるので、お使いのレンタルサーバーには一切負荷がかかりません。その結果、モバイル端末からAMPキャッシュ経由でコンテンツを表示する限り、サーバーがダウンする心配はなくなります。
Google 検索などの Google サービスは、有効な AMP ドキュメントやそのリソースをキャッシュから提供し、モバイルウェブ全体で高速なユーザー エクスペリエンスを実現します。
検索エンジン経由だけでなく、Twitter・はてブ経由もAMPキャッシュが返る
サイトをAMP化すると、モバイルユーザーにAMPキャッシュが返るのはGoogle検索経由だけではありません。Twitter・はてブ経由からのアクセスもAMPキャッシュが返るため、レンタルサーバーの負荷はかかりません。
バズる時は、以下の3つのどれかであることが多いですよね?
- テレビで紹介されてバズる・・・検索エンジン経由 (GoogleやYahoo)
- Twitterで拡散してバズる・・・Twitter経由
- はてブでバズる・・・はてブ経由
しかも、バズるとモバイルからアクセスが大半を占めます。僕の経験では8割以上がモバイルからのアクセスでした。
AMP化すれば、同時アクセス数が1000人を超えてもサーバーはダウンしない
AMP化すれば、どのくらいの人数が同時にアクセスしてもサーバーがダウンしないのか数字を元に紹介します。
先程もお伝えしたとおり、サイトをAMP化すればモバイル端末からのアクセスは、AMPキャッシュ経由になりレンタルサーバーに負荷はかかりません。実際はモバイル端末からのアクセスがすべてAMPということは考えにくいのですが、理論上のお話をします。
AMP化したサイトがバズった場合、実質的なレンタルサーバーの負荷がどのくらいなのか見ていきましょう。
同時接続が2000人
同時接続が2000人の場合、モバイルからの流入がすべてAMP経由だったとすると次のようになり、サーバーがダウンする可能性はかなり低くなります。
- 9割がモバイルからの流入・・・デスクトップからアクセスする200人 → サーバーはダウンしない
- 8割がモバイルからの流入・・・デスクトップからアクセスする400人 → サーバーはダウンしない
- 7割がモバイルからの流入・・・デスクトップからアクセスする600人 → サーバーはダウンしない
同時接続が3000人
- 9割がモバイルからの流入・・・デスクトップからアクセスする300人 → サーバーはダウンしない
- 8割がモバイルからの流入・・・デスクトップからアクセスする600人 → サーバーはダウンしない
- 7割がモバイルからの流入・・・デスクトップからアクセスする900人 → サーバーはダウンしない
同時接続が5000人
- 9割がモバイルからの流入・・・デスクトップからアクセスする500人 → サーバーはダウンしない
- 8割がモバイルからの流入・・・デスクトップからのアクセスする1000人 → サーバーがダウンする可能性あり
- 7割がモバイルからの流入・・・デスクトップからアクセスする1500人 → サーバーはダウンする
モバイルの比率にもよりますが、AMP化すると同時接接が3000人くらいならばサーバーはダウンしません。
以下の画像はクライアントの飲食店がテレビに紹介された際のGoogleアナリティクスです。
瞬間的な同時接続は2500人近くいましたが、AMP化していたのでサーバーはダウンしませんでした。
この日のGoogleアナリティクスを見るとAMPページへのアクセスは83%でしたので、実質的な同時接続数が1000人を超えたことはなかったと思います。
さいごに
以上、AMPがサーバーの負荷対策になることについてお伝えしました。
同時接続が1000人を超えるようなサイトを運営しているのであれば、AMP化によってサーバーの負荷を軽減することが可能です。レンタルサーバーがダウンする可能性も低くなりますので、ぜひお試しください。
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