2016年はVR元年になると言われていましたが、ARが一気に進んでいきそうです。
鍵となるのはスマートコンタクトレンズ。
医薬部品メーカーEPGLのマイケル・ヘイズ社長は、iPhoneと連携し、ARアプリによる映像を投影できるスマートコンタクトレンズの開発を、Appleの協力を得て進めていることを明らかにしました。
スマートコンタクトレンズの外周に沿ってセンサーやストレージ、電子回路などが埋め込まれており、普通のコンタクトレンズと同じ感覚で着用することができます。Google GlassなどのようなVRグラスと違い、着用していても周囲に気づかれません。
またEPGLによれば、スマートコンタクトレンズの場合VRグラスの「縁」のような視界を遮るものがないため、非常にクリアで見やすいとのことです。
スマートコンタクトレンズはまばたきによって充電され、映像はストレージに保存可能で、自動的に焦点を合わせることができます。
スマートコンタクトレンズとiPhoneでAR体験ができるのは、比較的近い未来に実現可能だと思います。2020年の東京オリンピックにはデバイスが登場してるなんてことも十分考えられますね。
スマートコンタクトレンズを開発しているIT企業
スマートコンタクトレンズを開発しているのは、Appleだけではありません。
↓Samsungでも、同様のARのスマートコンタクトレンズを開発しています。
SF映画の未来キタ!AR技術搭載のコンタクトレンズをSamsungが開発中
↓GoogleもVerilyという子会社で、スマートコンタクトの開発をしています。
12月7日、企業紹介ビデオとウェブサイトのローンチとともに、グーグルのライフサイエンス部門が新会社Verilyとしてデビューしました。これまで同社はアルファベット傘下の一部門として、スマートコンタクトレンズや採血用のウェアラブルデバイスなどを開発してきましたが、今後は独立した企業として事業を継続していきます。
スマートコンタクトレンズの登場で便利になること
スマートコンタクトレンズは、AR(拡張現実)との相性がめちゃくちゃいいです。
だって、スマートコンタクトレンズは、現実世界の上に新しいレイヤーを重ねて行くツールとしては最適だからね。両手が空くというのは、生活を便利にします。
運転中のカーナビとしても使えるし、ポケモンGOなどのARゲームにも活用できます。あとは、テスト中にカンニングしたりもできてしまうね。
スマートコンタクトレンズはどんな場所で活用できるのか?
スマートコンタクトレンズはウェアラブルデバイスですから、すでに、Google Glassを活用している事例には置き換えることが可能だろうね。
どんなケースがあるか見てみましょう。
日本航空では航空機の整備に活用
日本航空と野村総合研究所は1日、米ハワイのホノルル国際空港で、米グーグルの眼鏡型ウエアラブル端末「グーグルグラス」を使った機体整備の実証実験を始めたと発表した。整備士がグーグルグラスで航空機の傷の映像を日本の日航本社に送り、その場で指示を仰ぐ。
広島平和記念公園における観光案内に活用
山陰・山陽スマート観光プロジェクト推進協議会と総務省中国総合通信局は5月26日、広島市の広島平和記念公園において、米Googleが開発したスマートグラス「Google Glass」を活用したAR観光アプリのデモンストレーションを実施した。
スマートコンタクトレンズの問題点
ARの普及には一役買いそうなスマートコンタクトレンズですが、問題点もあります。
プライバシーの問題です。
スマートコンタクトレンズを使って、ビデオ撮影や・写真撮影ができてしまうというのは、ちょっと怖いです。だって誰が誰を撮影してるとか全くわからないですから・・
Google Glassの一般販売が中止になった一番の原因も、プライバシー問題と言われていますからね。
VRとARの違い
以前のエントリーでも詳しく書きましたが、VRとARの違いをおさらいしておきましょう。
「VR」とは
「VR」は、Virtual Realityのことで、コンピュータで作った世界に飛び込んでいくテクノロジーです。ヘッドセットをかぶって、完全に閉じた世界に没頭ので、ゲームには最適です。
最近、話題のゲームは↓
イリュージョンは、世界初をうたうVR専用アダルトゲーム「VRカノジョ」を2017年1月下旬に発売します。Oculus RiftとHTC Viveに対応。体験版の配信は10月28日より始まります。
「AR」とは
「AR」は、Augmented Realityという名のとおり、拡張現実のテクノロジーです。ヴァーチャルなものを現実世界の上に重ねていきます。「ポケモンGO」で一気にメジャーになりました。
分岐点はポケモンGOの登場
2016年の7月にリリースされた「ポケモンGO」によって、ARは一気にメインストリームへと駆け上がりました。
それまでは、VRの後ろに、ARが来ると言われていました。2020年までにVR、2025年までにARなんて話もあったけど、業界の進化のスピードはもっと早くて、VRと同じタイミングでARも進化していきそうです。
まとめ
「VR」が完全に外界と遮断した閉じた世界なのに対して、「AR」は現実の世界にレイヤーが重なっていく世界です。
多くの人が便利だな、楽しいなと感じるのは「AR」なんですよね。
スマートコンタクトの登場で、ARが一般層にも普及することは間違いないですね。
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