iOSのKindleアプリから電子書籍を購入できないのは不便だと思いませんか?
Amazonが発売している「Kindle電子書籍リーダー」「Fireタブレット」ならば直接、端末から電子書籍を購入することが可能です。「AndroidのKindleアプリ」も同様で、アプリ内から電子書籍を購入することが可能です。
Amazonのサイトに、「AndroidのKindleアプリ」から電子書籍を購入する方法が詳しく載っています。
- Kindle無料アプリを開きます。
- 購入する本を探すには、メインメニューのストアにアクセスするか、アプリ内で目的の本のタイトルを検索します。
- 表紙を選択します。
- 1-Clickで今すぐ買うを選択します。
ところが、「iOSのKindleアプリ」では、アプリ内で電子書籍を直接購入することはできません。あくまで、ウェブで購入した電子書籍を「iOSのKindleアプリ」でダウンロードするという形をとっているのです。ビューワーの機能しかないのです。
- モバイル端末またはコンピュータでウェブブラウザを開きます。
- Kindleストアにアクセスします。
- 購入する本を検索します。
- 1-Clickで今すぐ買うを選択します。 必要に応じて、本を配信する端末またはアプリを配信先:ドロップダウンで選択できます。
一度、ブラウザでAmazonのサイトへ行って、そこで電子書籍を購入。その後、Kindleアプリでライブラリに追加するという、とても面倒なことをしなければなりません。
iOSを使っている場合、「Kindleアプリ」だけでなく、「Amazonアプリ」からも電子書籍は購入できません。ユーザーにとってはものすごく不便ですよね。
iOSのKindleアプリで電子書籍が購入できない理由
なぜこのようなことが起きているのかと言うと、Appleは自社の課金システムを使わせてAmazonから手数料を取りたいのに対して、Amazonは手数料を払いたくないという両者の攻防があるからです。
ユーザーの利便性を無視してまでやることなのでしょうか?
Appleの課金システムを使わなければならない
iOS版のアプリでは、Appleの規約により、Amazonなどのアプリディベロッパーは、コンテンツの決済にAppleの課金システムを使わなければなりません。アプリ内課金をする場合、Appleの課金システムを使うということになっています。
このAppleの課金システムがアプリディベロッパーには不評で、250円・300円・500円など、あらかじめ設定された金額しか使うことができないので、様々な値段設定がある電子書籍に使うことができません。
App Storeの審査に通らなければ、アプリを世に出すことはできないので、AmazonもApple社のポリシーに従う必要があるので、こういうことになっている模様です。
Amazonも、自社の電子書籍が売れる度に、Appleへ手数料を支払いたくないという事情もあると思います。
自社へのリンクはダメ
2011年の話ですが、Kindleアプリに電子書籍の購入ボタンが付いていた時期がありました。購入ボタンを押すと、Amazonのウェブページヘと飛んで、電子書籍が購入できる仕組みになっていました。
Amazonは、アプリ内課金で30%の手数料をAppleにとられるので、それを回避するために、自社サイトへユーザーを誘導していたのだと思われます。
以前、こういうことがあったので、今はKindleアプリに限らず、アプリに商品ページへのリンクがあると、App Storeのアプリの審査に通らなくなっています。
こちらについては、以下の記事が参考になります。
Amazonもギブアップ、ついにiOS向け電子書籍アプリから自社課金サイトへのリンクを撤去
iOSで電子書籍を購入する方法
今お伝えしたとおり、iOSユーザーはKindleアプリから電子書籍を直接購入できませんが、iOSで電子書籍を購入する方法を紹介します。
iOSだと、KindleアプリもAmazonアプリも電子書籍の購入には使えないので、電子書籍を購入するならSafariやChromeなどのブラウザ経由ということになります。
電子書籍を購入してiOSデバイスで読むまでの流れは以下のような感じです。
1. iOSのブラウザ経由で電子書籍を購入
PCブラウザ経由でも構いません。
2. iOSのKindleアプリで、購入した電子書籍をダウンロード
ブラウザ経由で購入した電子書籍を、iOSのKindleアプリにダウンロードします。
iOSのKindleアプリはビューワーとしての機能しかありません。
Appleの狙いはiBookで買わせること?
ユーザーの利便性を考えたら、「iOS版のKindleアプリ」から電子書籍が購入できるのが一番使いやすいです。1タップで購入できます。
ところが現状は、iOS版のKindleアプリから新しい電子書籍を購入しようと思った場合、ユーザーがブラウザを立ち上げて、Amazonのページで購入することになります。さらに購入後、iPhoneなどのデバイスへダウンロードすることも必要です。面倒くさいことこの上ないですね。
Appleは、もう少しユーザーの利便性を考慮してくれるといいなと思います。3年くらい前までは (2013年頃)、KindleとiBooksはお互いにライバルという感じでしたが、今はiBooksを利用しているユーザーは少なくなってきました。
少しうがった見方をすると、Appleの狙いはiBookで買わせることなのかなと思ってしまいます。
iBooksのシェアを上げて顧客満足度を上げるべし
個人的には、AppleのiBookのシェアを上げて欲しいです。
電子書籍を購入するユーザー側に立てば、大手のプラットフォームが競い合っているのが理想的な状態です。
価格競争も生まれるし、利益を少なくしても顧客満足度を上げるサービスを提供してくれますので。
電子書籍がKindleのプラットフォームだけになったら、値上げもするだろうし、一強だけの寡占状態が健全だとは思えません。
AppleはApp Storeからの利益も重要だと思いますが、iBooksのシェアをどうやったら今以上に取れるかを真剣に考えて欲しいです。
iOSというプラットフォームと、iBooksという電子書籍のプラットフォームの両方を持っているので、Appleユーザーの利便性を追求できるようなエコシステムを開発してもらえると、iOSユーザーとしては嬉しいです。
今後、iOSのアプリ内課金はどうなる?
実は、WWDC2016の前に、Appleの規約に変更がありました。
今までよりアプリの手数料を下げたり、サブスクリプション方式の課金を変更しました。
アップル、App Storeの大幅改革を発表。柔軟な価格設定、月額制アプリの適用範囲拡大と利益配分の変更など
アップルが、App Storeの全面的な変更を実施すると発表しました。最も大きな変更となるのはそのビジネスモデルで、月額制アプリのカテゴリー縛り撤廃や「アップル税」とも呼ばれる売上からのアップル徴収分30%を、15%にまで引き下げる(月額制アプリのみ)など、ビジネスモデルの多様化を見込んでいます。
ユーザーの利便性を考えて、顧客満足度が高くなるような仕組みをAppleとAmazonが考えてくれると、僕らユーザーにとっては嬉しいですよね。
少なくとも、「iOSのKindleアプリ」がビューワーの役割しか果たしてないのは、テクノロジーに対する冒涜のように思えてなりません。
※この記事を読んでいる方は、こちらの記事も参考にしています。
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