MVNOはスマホの通信費用を安くできるのと、料金も明朗会計なので、使っている方も多いと思います。
MM総研の調査を見ると、2016年3月末におけるMVNOの総契約利用回線は4717万回線です。この内、いわゆる格安SIMと呼ばれる「独自サービス型SIM」の契約者数は539.4万回線。2年前の2014年は173万件なので、この2年間でおよそ3倍に増えてきたことになります。
でも唯一のデメリットは、ほとんどのMVNOで「名義変更」ができないということ。
家族でバラバラの名義だと、家族間でファミリーシェアを組むことはできません。
IIJmioやDMM mobileで、家族間でファミリーシェアを組む場合は、「名義」を統一する必要があるのです。
携帯電話の名義変更の定義
携帯電話の名義変更には3つあります。どんなものがあるのか見てみます。
- 承継
- 改称
- 譲渡
「承継」「改称」に関しては、ほとんどのMVNOで名義を変更することが可能です。
「譲渡」に関してのみ、OCNモバイルだけが名義変更をすることが可能です。
承継
個人の場合は、契約者が死亡して引継ぐケース。法人の場合は、合併・分割時に新会社となるケース。
「承継」に関しては、ほとんどのMVNOで名義を変更することが可能です。
改称
個人の場合、結婚などで改名したケース。法人の場合、会社名を変更したケース。
「改称」に関しても、ほとんどのMVNOで名義を変更することが可能です。
譲渡
自己都合によって、第3者に譲渡するケース。家族間で、名義変更する場合、「譲渡」の手続きになります。
「譲渡」に関しては、ほとんどのMVNOで名義変更することができません。唯一、名義変更できるのは「OCNモバイル」のみ。
今日のエントリーは、「譲渡」に関する名義変更についてお話します。
まず、譲渡に関する名義変更ができるMVNOとできないMVNOを見ていきましょう。
「譲渡」に関する名義変更ができるMVNO
MVNOで「譲渡」に関する名義変更できるのは、OCNモバイルだけです。NTTコミュニケーションズが運営しているというのも、名義変更ができる理由の1つかもしれません。
- OCNモバイル
OCNモバイルで名義変更する
OCNモバイルでの名義変更の手続き方法です。
必要書類
以下の書類と手数料を用意すれば、「譲渡」に関する名義変更が可能です。
- 譲渡申請書
- 譲渡人の印鑑証明書
- 譲受人の身分証明書
- 1回線864円の手数料
「譲渡」に関する名義変更ができないMVNO
2016年9月27日現在、OCNモバイル以外のMVNOでは、「譲渡」の名義変更はできません。なんでできないのかは謎・・・
結婚した際の「改称」名義変更には対応してるんだから、「譲渡」の名義変更だってできてもよくね?
- IIJmio
- DMM mobile
- LINEモバイル
- mineo
- 楽天モバイル
- U-mobile
- BIGLOBE SIM
- FREETEL
名義変更が不要なケース
まずは、名義変更が不要なケースから見ていきます。
例えば、データ通信SIMの契約をまとめてシェアコースにする場合、名義変更は不要です。
データ通信SIMの場合、まとめたい名義の音声通話SIMに、データ通信SIMを追加すればいいので。
通話はガラケー、スマホは「データ通信契約」していて、シェアコースを契約する場合
主人、奥さんどちらかが、ガラケーとスマホの2台持ちをしている場合は、名義変更せずにシェアコースへ移行することが可能です。ガラケーで通話して、スマホではデータ通信のSIMで契約している場合です。
どういうことか説明します。
主人が、通話はガラケーでdocomo・au・ソフトバンク(以下、キャリア)のどれかで契約している、データ通信SIMのみをDMM mobileで契約しているとします。
奥さんは、通話SIMをDMM mobileで契約しているとします。
この場合、奥さんの通話SIMをシェアコースにして、主人用のデータ通信SIMを追加で借りればOK。名義変更は必要ありません。
名義変更が必要なケース
次は、MVNOの名義変更が必要なケースを見ていきます。
夫婦でスマホ2台を「音声通話契約」していて、シェアコースを契約する場合
名義変更が必要になるのは、MVNOで音声通話契約をしている場合です。主人名義の音声通話契約、奥さん名義の音声通話契約を一つにまとめて、ファミリーシェアを組むというようなケース。
例えば、夫婦別名義で、DMM mobileで通話SIM(LTE3GB)を契約しているとします。基本料金は、主人が月額1500円、奥さんが月額1500円支払うので、合計3000円かかります。各自、LTE通信は3GBづつ使えるということになります。
各自バラバラの契約を、シェアコースに変更するとどうなるのか見ていきます。
シェアコースに変更すると、通話SIM2枚 + データ通信SIM1枚が使えて、LTE8GBまで2人でシェアすることが可能です。金額は月額3380円なので、+380円で「データ通信SIM1枚」と「追加LTE2GB」がついてくる計算になります。
めちゃお得ですよね?データ通信SIMはタブレットに入れてもいいし、2台目のスマホに入れてもいいです。
ただし、シェアコースに変更するには、通話SIM2枚の名義が同じである必要があるのです。
先程見たように、DMM mobileは名義変更ができませんから、夫婦別名義でMVNOと契約していると、シェアコースには入れないことになります。
対策はあるの?
この場合、家族でシェアを組むとなると、かなり厄介です。
- OCNモバイルへ夫婦でMNPして名義を揃える。この場合、MNP転出費用が3000円程度、OCNモバイルの新規事務手数料も3000円かかります。
- 夫婦どちらかが、2台持ちにする。例えば、主人が音声通話のみキャリアのガラケーかけ放題へMNPします。スマホはデータ通信SIMでの契約になれば、名義変更しなくてもシェアを組むことが可能です。
これからMVNOへ移転する
今まで見てきたとおり、すでに家族全員が別名義でMVNOに移転している場合、音声通話契約の名義を変えるのは面倒です。
なので、これからMVNOへ移転する場合、キャリア側で名義変更を済ませてから、MVNOへ移転することをオススメします。
キャリアならば、名義変更の手続はかんたんですからね。
家族全員で、キャリアからMVNOへ乗り換える場合
家族全員がキャリアを利用していて、MVNOへ乗り換える場合は、キャリアで名義変更の手続を行って、名義を統一してから、MVNOへ乗り換えます。
先程お話したとおり、名義がバラバラのままMVNOへMNPしてしまうと、シェアコースの契約はできませんからね。
唯一の例外は、OCNモバイルに乗り換える場合です。OCNモバイルでは「譲渡」に関する名義変更が可能なので、家族の名義がバラバラでも問題ありません。OCNモバイルに乗り換えた後でも名義変更は可能です。
主人がすでにMVNOで契約、他の家族が乗り換える場合
主人がすでにMVNOで契約しており、他の家族がキャリアからMVNOへ乗り換える場合を見てみます。
主人がMVNOを使っている場合、他の家族が使っている名義を、主人名義に変更してから、MVNOへMNPします。
シェアコースは家族間なら、別名義でもできるようにすべし!
データ通信のシェアや、料金の支払いなど、同居の家族間ならシェアできるようにしたほうが使い勝手いいですよね?
なんで、MVNO各社はやらないんだろう。MVNO関連の法律で決まっているのならしょうがないけど、MVNO各社の内規で決めているだけなら、さっさと撤廃するべきですよね?
他でやってないんだから、やるべきだと思いませんか?
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