2022年6月30日に放送されたGoogle ポリシー オフィスアワーのまとめです。
Googleからのお知らせ
5月 コアアルゴリズムのアップデート (May 2022 Core Update)
検索クエリによっては、順位が上がるページ・下がるページがある。
掲載順位の回復についてご不明点があれば、ブログ記事をご覧ください。
2022 年 5 月のコア アップデートのリリース(Google 検索)
順位が下がったからといって、必ずしも何かが悪いわけではなく、間違った対応をすることで、より下がる、または上がりにくくなることも考えられる。サイトに改善が必要かどうか見極めることが重要。
動画コンテンツのベストプラクティス
Yukiko さんによるLightning Talks。
- 動画をより良く検索結果に表示される方法
- 動画が検索にどのように表示されているか
ちなみに Yukiko さんは、Google検索やGoogleアシスタントの領域で仕事をしているとのこと。
検索やディスカバーでの動画最適化表示について
効率的に物事を伝える手段として、テキストだけでなく動画フォーマットも有効だと考えている。幅広いコンテンツを効果的にユーザーに届けていきたい。
Googleプラットフォーム上での動画の見え方
主に3つある。
- 検索結果:検索内容と関わりある動画を表示
- 動画:検索結果に紐づく動画を、動画タブに表示
- ディスカバー:パーソナライズされた内容に合わせて動画を表示
通常のクロールやインデックスの過程で表示されるケース
- Video Cluster:検索結果上での表示、モバイルとデスクトップ
- Video Galleries:同一ドメインの動画をまとめて表示、モバイルとデスクトップ
- Video Web:検索結果での動画表示、モバイル
- Videos Tab:動画検索の結果での表示、モバイルとデスクトップ
マークアップが必要なケース
- Live Badge:検索結果でのLive配信、モバイル
- Key Moments:動画のハイライトや特定の秒数からの視聴を可能にする、モバイルとデスクトップ
検索とディスカバーに動画を表示させる方法
- 動画再生専用ページ(ウォッチページ)に動画を公開する。同じ動画を元ページと専用ページに配置することは問題ない
- contentURL記述したマークアップをクロールしてフェッチできるようにする
- VideoObject、Clip、SeekToActionのマークアップも活用する
- Search Console Sitemap APIを活用して、Googleにサイトマップを共有する
Key Moments (主な出来事)
ユーザーが書籍の章を読むように動画セグメント間を移動できる機能。ユーザーは、自分が知りたい所に飛ぶことができる。
タイムスタンプと合わせて、ディスクリプションを出すことも可能。
スキーマ マークアップを使用して Google に動画を表示させる
Q&A
動画のベストプラクティス
【質問】
1)「サポートされている動画エンコード」について、HLS (http live streaming) でM3U8ファイルの分割ストリーミングを検討している。GoogleはM3U8ファイルを認識できるのか?
2) 不正な行為者によるコンテンツへのアクセスを懸念する場合、セキュリティ上の問題から、M3U8ファイルへの直アクセスを禁止したい。Googleに動画を認識してもらいたいので、Googlebotにアクセスさせる場合、クローキングとなるのか?
【回答】
1)M3U8ファイルを認識できる。
2)以下のドキュメントをご覧くださいとのこと。
クローラが Googlebot などの Google クローラであることを確認する
サイト内多くのページがインデックスされない
【質問】
2021年12月に10ページの新規サイトを立ち上げたが、3か月経過してトップページがインデックス、他のページは1ページしかインデックスされていない。
①2年ほど前、同じようなページ数のサイトでも、2か月程度で全ページインデックスされていたが、直近1年でインデックスに時間がかかるようになったのはなぜか?
②時間が経過すれば、他のページもインデックスされるのか?
【回答】
いただいたURLを確認したところ、サイトに技術的な問題があるわけではなさそう (リアルビジネスの公式サイト)。
サービス名で検索すると、別サイト上の店舗情報が表示される。公式サイトにユーザーが訪問する理由を突き詰めてほしい。サービスの裏側、サービスへの想いだったり、公式サイトならではの情報を掲載するなど。
ユーザーが公式サイトにいかなければならない必要性を考慮して、サイトを改善していくと良い。
Googleはこれらのシグナルを掴んで、サイトをインデックスさせようとする。
リダイレクトの挙動
【質問】
1年経過したらリダイレクトを削除して問題ないとのことだが、サーバサイドのリダイレクトだけでなく、JavaScriptリダイレクトも同様と考えていいか?
【回答】
正規ページとして認識されていることが重要。1年経過して、新しいページが正規ページとして認識されていれば、問題ない。
旧URLへのアクセスをなくすことも重要。内部リンクや外部リンクを見直し、リダイレクト前のURLの存在が不要になれば、リダイレクトを解除してもSEO上の問題はない。
伊藤注)SEO上問題はないけれど、ブックマークしているユーザーなどもいるので、リダイレクトを続けておくことが望ましいと思います。
大規模サイトのフロントエンド
【質問】
10万ページ以上のサイトリニューアルを進めている。
フロントエンドをSPA、サーバサイドレンダリング、MPA (Multi Page Application) にするか検討している。
インデックス、レンダリングへの影響を教えてほしい。
【回答】
Googlebot が JavaScript を処理する仕組みを理解した上で、実装してくださいとのこと。
静的サイトと比べると、レンダリングするためのステップがあるので、インデックスに時間がかかる。
JavaScriptを利用した上で、インデックスの早さを求めるのであれば、MPAも一つの候補。
正規URLが適切に選択されない①
【質問】
「重複しています。送信された URL が正規 URL として選択されていません」と表示され、インデックされないページがある。
「ユーザーが指定した正規 URL」や「Google が選択した正規 URL」は別のURLになっているが、該当ページのcanonicalは適切に指定している。また、sitemap.xmlにも記載している。
【回答】
いただいたURLを確認した。
MFIに移行済み、かつモバイルでリダイレクトされていたため、別のURLに正規化されていた。リダイレクトを解除してくださいとのこと。
インデックス カバレッジ レポート > 重複しています。送信された URL が正規 URL として選択されていません
正規URLが適切に選択されない②
【質問】
①を質問していたが、該当URLからトップページにリダイレクトしていたことが判明した(おそらく別の日にご質問された模様)。
現在はリダイレクトを解除しているが、Googleにまだトップページが正規URLとして認識されている。
インデックス登録をリクエストしたが、他にできることがあれば教えてほしい。
【回答】
モバイルのリダイレクトはまだ残っているので、そちらを修正してください。
手動による対策の対象となり得るサイトを発見
【質問】
ある検索クエリで検索した際、上位表示されているページが構造化マークアップ (aggregateRating) を使用して、検索結果にリッチリザルト表示されている。
しかし、該当サイトは、レビュを提供していないため、Googleの手動による対策の対象になると思われる。
スパムレポートを送る以外に、対処方法があれば教えてほしい。
【回答】
スパムレポートを送ってください。
aggregateRatingをマークアップする場合、レビューをどのように集めたということが、わかりやすく信頼できる形でサイトに書かれていることが重要。
タイトルの書き換え
【質問】
1位に表示されているページだが、5/26頃からタイトルが書き換えられるようになった。
5/27以降、titleタグを何度か変更したが、検索結果上変わらない。
5/26以降、CTRが激減しており、修正方法があれば教えてほしい。
【回答】
Googleが自動生成するので、ユーザー側でできることは少ない。
ウェブページのタイトルの生成方法に関する最新情報
伊藤注)以下について試してみると良いかなと思います。
- 文字数をマルチバイト文字で25〜30文字程度にする
- H1要素と一致させる
- 記号を使用しない
- 同じキーワードを繰り返し使わない
- 引用されたくないコンテンツに data-nosnippet 属性を指定する
Googleによる意図しない正規化
【質問】
ECサイトを運用している。ブログからの集客に力を入れていたが、5/21以降、ブログへのアクセスが急激に落ちた。URL検査をすると、インデックスされておらず、「Google が選択した正規 URL」には異なるURLが表示されていた。
複数のブログ記事が、1つのURLに正規化されていたので、その記事を削除したが、別の記事に正規化されてしまった。
改善方法があれば教えてほしい。
【回答】
いただいたURLを確認した。
現在の状況について不明点もあるので、担当チームに連絡した。
次のドキュメントも参考にしてくださいとのこと。
CLSの原因要素が特定できない
【質問】
Search Consoleで0.7前後と、大きなCLSが計測されているページがある(デスクトップのみ)。
Chrome DevToolsで確認しましたが、Search ConsoleやPageSpeed InsightsでレポートされているほどのCLSが確認できず原因がわからない。
フィールドデータとラボデータの違いは理解しているが、CLSの原因が特定できず困っている。対処方法があれば教えてほしい。
【回答】
Chrome DevToolsの中のRecorder panel、Lighthouse user flowsといったツールを使っていただければ、実際に動かしたところを確認できる。
- Record, replay, and measure user flows
- Lighthouse user flows
- web-vitals ライブラリを使用してウェブページの主なウェブ指標を測定する
よくある原因として、広告の配置(サイズの未指定)、ログインユーザーと未ログインユーザーの間でUIが異なることで片方をデバックしていないといったこともあるので、確認してみてくださいとのこと。
商品ページのマークアップに誤表記
【質問】
検索結果で商品情報が表示されるようになった。対象ページに構造化マークアップを実装しておらず、クロールで自動的に検知されて検索結果に商品価格が表示されている。
多くのページはページ内に価格表記があり、正しい金額が表示されているが、一部ページでページ内に記載の価格と異なる金額が、検索結果に表示されている。
今回は、複数の商品を掲載しているページのため、価格を表示したくない。
修正方法があれば教えてほしい。
【回答】
いただいたURLを確認したが、実際の状況を確認できなかった。
data-nosnippetを設定することで、価格を表示させることを避けられる。
JavaScriptを使っている場合、レンダリングが後になると、data-nosnippetを認識するのに時間がかかるのでご注意ください。価格の部分に、JavaScriptを使わないで記述すると良い。
ハッキングされているサイトの通報方法
【質問】
5月より多くのウェブサイトがハッキングされ、偽の通販サイトにリダイレクトされるように改ざんされている。
被害に遭っているドメインを「site:」コマンドで調べると、大量の日本語スパムページが表示される。
- 検索結果からアクセスすると偽の通販サイトに表示
- スパムページを直接ブラウザに入力すると、リダイレクトせず404が返る
- Googlebotがアクセスするとダミーコンテンツが表示されリダイレクトされない
Googleのスパムレポート、ホスティング事業者、公的機関に通報しているが、なかなか対応されない。対処方法があれば教えてほしい。
【回答】
特別な窓口はない。
スパムレポートを送ってくださいとのこと。
abuseの一種。Googleのスパム対策もご覧ください。
新機能のローンチ予定
【質問】
4月に発表されて「オリジナル記事だと分かるようにトップニュース枠で専用ラベルを表示」機能は、USでリリース済みかどうか教えてほしい。
また、日本ではいつリリースするのか?
Check the facts with these Google features
【回答】
記事を読む限り、「オリジナル記事だと分かるようにトップニュース枠で専用ラベルを表示」するのではなく、引用頻度の高い情報源にラベルがつく機能だと思われる。
有罪判決を受けたサービスに個別処置があるか
【質問】
サイトに載せているコンテンツが違法であるとして、裁判で有罪となったり、監督官庁から処分を受けたような会社のサイトに対して、順位低下やペナルティなどあるのか?
【回答】
コメントの仕方は難しいのだが、そのような対応をしていないと思われる。
検索者保護の観点からお話をすると、違法であることが判決として出たからといって、即時に検索結果に反映されることはないが、違法であるものの背景にある内容が、検索にとってよくない、上位に表示する内容でないのであれば、アルゴリズム上に反映されるべきだと思われる。
Google ポリシー オフィスアワーに質問するには?
質問フォームから質問できます。
質問が多い場合は、翌月に持ち越されることもあります。
URLを非公開で質問したい場合、その旨記載すると、URLは公開されません。
次回は、2022年7月14日を予定しています。
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