Search Engine Landの記事によると、iOS14でAppleマップで自前のレビューが登場する可能性について紹介しています。
Apple Ratings is coming to iOS 14, how disruptive will it be?
現在のAppleマップは自前の星やレビューシステムを持っておらず、星のみYelp・TripAdvisorなどサードパーティのデータを表示しています。レビューは表示されずサードパーティに移動しなければ確認できません。
iOS14でAppleマップのレビューはどうなるのでしょうか?
UGCを導入していないAppleマップ
iOS13のAppleマップは、GoogleマップのようなUGCを導入しておりません。
UGCとは、User Generated Contentの略で、ユーザーが投稿するコンテンツです。
Appleマップでは、星やレビューや写真についてユーザーがAppleマップに直接投稿することはできません。またビジネス情報についても編集できるのはオーナーとAppleだけで、ユーザーが間違ったビジネス情報を見つけても修正を提案することはできません。
この点がGoogleマップとは大きく異なります。Googleマップは、ローカルガイドと呼ばれるユーザーが、星やレビューをつけるだけでなく、情報修正の提案や写真の投稿をすることが可能です。このことがスパムを生み出す原因にもなっているのですが。
Applebotがインターネット上の情報を収集している
AppleマップはiOSとmacOSだけの閉じた世界ですが、Applebotと呼ばれるクローラからインターネット上の情報を収集しています。
これは現時点のiOS13でも同様の仕組みです。
アメリカの飲食店ならばYelp、ホテルならばYelp・TripAdvisor・Booking.comの星が、Appleマップに表示されます。
日本の場合、飲食店は食べログ、ホテルはじゃらん・TripAdvisor・(少ないですが)Booking.comの星が表示されます。
Apple の検索では、Web の検索結果にランク付けをする際、以下の点を考慮に入れています。
- 検索結果に対するユーザエンゲージメントの集計
- 検索語と Web ページのトピックやコンテンツとの関連度やマッチング
- Web 上のほかのページからのリンクの数や質
- ユーザの位置情報に基づくシグナル (近似データ)
- Web ページのデザインの特徴
スパムレビューの対応策
もしAppleマップで、ユーザーがレビューを書けるようになると、スパムの排除をどうするかの問題が発生します。
冒頭で紹介した記事によると、Appleマップではスパムレビューを防ぐために、機械学習を使用して、ユーザーが訪問した場所でのみレビューを与える機会を提供するとのこと。
実際にAppleが公式に言及している話ではないので正確性に欠けますが、要するに行ったことのないお店についてのレビューできないような仕組みにより、スパムを防止するような仕組みを構築するという話です。
iPhoneの位置情報を元にレビューを行うユーザーが、実際にその場所へ行ったかどうかを判定することは、技術的にあまり難しいことではないと思います。
Googleマップでも、訪問した場所に対しての質問が飛んできたりしますからね。
ユーザーの位置情報を活用するという話は、飲食店や美容室などのユーザーが訪問する店舗において役に立つ仕組みです。
しかし、オンラインサービスを提供していたり、工務店のようにお客様のところに訪問して行うビジネスの場合は、この方法は全く役に立ちません。このあたりどうするのか非常に気になります。
もし、Appleマップでユーザーのレビューが掲載されるようになるのであれば、スパムレビューが防止できるような仕組みがAppleマップに導入されることを願います。
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