2020年12月3日に放送されたGoogle検索オフィスアワーのまとめです。
今回の放送より「ウェブマスターオフィスアワー」から「Google検索オフィスアワー」に名称が変わりました。
Googleからのお知らせ
GoogleウェブマスターからGoogle検索セントラルへ
今まで「ウェブマスター」という名称を使って情報発信を行っていたが、時代の流れを考慮した結果、ウェブマスターという言葉の定義が非常に狭くなっている。Googleとしては、エンジニア、デザイナー、マーケティングの方など、サイト運営に関わる方に情報を届けたい。
ウェブマスターという言葉を使うと対象の範囲が狭くなるのではと考え、Google検索セントラルに名称を変えた。
Google ウェブマスターから Google 検索セントラルへ
それに伴い、オフィスアワーも「Google検索オフィスアワー」に名称を変更する。
Search Consoleのクロールの統計情報が一新される
Search Console のクロールの統計情報が新しくなりました!より詳しいデータを確認できるようになりましたので、ぜひご確認ください!https://t.co/BKToE46XuL
— 金谷 武明 ★ Takeaki Kanaya (@jumpingknee) November 24, 2020
クロールの統計情報は、Search Consoleの設定から確認できます。
詳細はヘルプページをご覧ください。
ブログ記事
2020年11月5日のウェブマスターオフィスアワー以降のブログ記事です。
- New and improved crawl stats for your site
- We moved! Introducing the new home for the Google Webmaster Blogs
- Google ウェブマスターから Google 検索セントラルへ
- Timing for bringing page experience to Google Search
Q&A
MFI 移行後のアノテーション
【質問】
別々のURLで構成されたサイトでアノテーションを設定しているが、MFI移行後は正規URLがモバイルになる。canonical と alternate リンク要素を逆にする必要はあるのか?
【回答】
その必要はない。むしろ変えないでくださいとのこと。
この手の質問は、MFI導入時から多かったですね。
asking people to switch these would take decades, so we’re trying to be a bit smarty about them
— Gary 鯨理/경리 Illyes (@methode) November 5, 2016
モバイル ファースト インデックス登録に関するおすすめの方法
デスクトップとモバイルで異なるURLを使うことをGoogleは推奨しておりません。アノテーションの設定に漏れが出る可能性も高いので、レスポンシブに移行することも視野に入れてもいいと思います。
MFI 適用済みサイトにおける「PC 版」ページ
【質問】
動的な配信をしているページでモバイル版はあるがデスクトップ版はないURLがある。
このようなURLは、デスクトップの検索結果では、デスクトップ版のページがない理由で、順位が下がることがあるのか?
ユーザビリティの問題は承知しているが、社内リソースの問題で制作には時間がかかる。
【回答】
デスクトップ版のページがないという理由で、順位が下がることはないのでは。
モバイルフレンドリーはスマホ版のページがないと順位が下がることがあるが、デスクトップ版がないことが理由で下がることはない。
しかし、ユーザーがデスクトップでアクセスした際、モバイル版のページしかないのは、見にくいページになっている可能性はある。
重要なページやそのようなページがたくさんあると、仮に順位が下がらなかったとしても、使いづらいのでアクセスしなくなる可能性がある。その結果トラフィックが減っていく可能性はある。
インデックス登録が突然削除された
【質問】
11月4日からインデックスが突然削除されたページがある。
現在、Search Consoleからインデックス登録のリクエストはできないので困っている。
【回答】
頂いたURLを確認したところ、すでに問題は解決していると思われる。
金谷さんからのアドバイスとして、インデックスから削除されたからインデックス登録のリクエストをするのではなく、なぜ削除されたのか原因を突き止めてくださいとのこと。
- サイトに変更があったのか
- ガイドライン違反
- 重複コンテンツ (別ページが正規URLとなる)
重複コンテンツになった場合、Search ConsoleのURL検査ツールを使えば、Googleが認識している正規URLを確認できる。
インデックス未登録ページ増加への対応
【質問】
Search Consoleでカバレッジを確認すると、コンテンツ不足によると思われるインデクス未登録のページが増えている。
コンテンツ不足のページだとしても、サイトの構成上必要で削除できないページに、無理やりコンテンツを詰め込む必要があるのか?
インデックスされないだけで、サイト全体に影響がないのであれば、手を加えたくないと考えている。
【回答】
頂いたURLを確認した。
サイトは特定のジャンルの専門的な情報を掲載している。専門的な情報が入っているカタログのようなページがコンテンツ不足になっていると思われるので、情報を足した方がいいですかというお話。
ショートアンサーとしては、ページごとにコンテンツを足す必要はない。
しかし、このまま放置するとインデックス未登録のページが増え続けていくだけで、サイトのパフォーマンスは改善されるわけではない。
サイトを拝見した限り、おそらく専門家の方ならば誰でも知っているようなサイトにはなっていないと思われる。サイト全体の魅力を伝える活動をしていくとよいのでは。
1つ1つのページは、データ系のコンテンツなので、それ以外のものを入れる必要はないが、サイト全体として認知されるような工夫をしていくとよい。
そのコミュニティに属する方ならば、誰でも知っているサイトを目指してください。
Googleとしては、コミュニティの専門家が参照するようなサイトを、何らかの形でシグナルとして拾って、そのようなページを検索結果に表示したい。
もしすでに専門家に認知されているというお話であれば、オンラインでのビジビリティが低い可能性がある。他のサイトから自然なリンクや言及、クチコミが増えるような活動をしてください。
別々の URL 方式サイトでのモバイル対応
【質問】
別々のURLで構成されたサイトをレスポンシブか動的な配信に移行してURLを統一する場合、SPとPCのどちらのURLに統一すればいいのか?
【回答】
どちらもいいが、PC版にするとよいのでは。
モバイル版のURLは m.example.com などサブのURLと認識されるようなURLになっている。違和感を感じるユーザーも多いのでは。
別々のURLはモバイルファーストインデックス (MFI) に移行すると、正規URLはモバイル版URLに変わります。
認証画面へのリダイレクトの影響
【質問】
2016年より導入されているインタースティシャルのランキングへの影響について質問する。
医療に関するページを扱っているため、業界ガイドラインに従って、コンテンツを表示する前に、訪問ユーザーが専門資格を有するかどうか確認するページがある。確認ページの表示は、インデックスされているページの表示前に302リダイレクトで実装している。
Googleのブログでは「法律上の必要性に基づいて表示されているように見えるインタースティシャル」についてランキングの影響を受けないと明記されており、弊社のページは該当していると認識しているが、302リダイレクトを用いた実装方法でインタースティシャルの例外として認識されるのか?
認識されない可能性があるのであれば、別の実装方法でおすすめがあれば教えて欲しい (ポップアップやオーバーレイ表示など)。
【回答】
一般論として、モバイルでページにアクセスしたときに、画面全体を覆うインタースティシャルな広告やクーポンなどはランキングを下げる可能性がある。
その一方、年齢認証やCookieを使って、法律上の必要性に基づいて表示されているように見えるインタースティシャルはランキングの影響を受けない。
頂いたURLを確認したところ、今回のケースはインタースティシャルに該当しないので、ランキングの影響は受けないと思われる。
以下、気になる点をお伝えする。
実際のユーザーが302リダイレクトされるのであれば、Googlebotも同様にリダイレクトされるはずで、その先のコンテンツにGooglebotは行きようがない。しかし、ページの文言で検索すると、302リダイレクト後のページが検索結果に表示されている。
実装方法までは分からないが、おそらくクローラには確認ページを飛ばして本来のコンテンツを見せているのでは。
クローラとユーザーに異なる情報を見せているので、技術的にはクローキングのような状態になっていると思われる。
あまりはっきりしたことはお伝えできないが、このページはクローキングなので止めてくださいという感じでもないのと、クローキングとして扱われることはないので大丈夫ですとも言えない。ただし、このような状態でクローキングで手動対策を受けたことは見たことがないというコメントを残して終わりにしたい。
ちなみに、Googleのブログには「ユーザーがモバイル検索結果からコンテンツに簡単にアクセスできないページのランキングを下げる」とあり、モバイルで検索結果からアクセスした際にインタースティシャルとなるのがNGとなります。
個人的にはAdSenseの全画面広告はユーザービリティが低いので好きじゃありませんが、ヘルプページを読む限りランキングへの影響はありません。理由は、AdSenseの全画面広告は検索結果からアクセスしたときに表示されるわけではないので。
SPA サイトのダイナミックレンダリング対応
【質問】
SPAサイトのダイナミックレンダリングでCSSは必要ですか?
クローラに正しくコンテンツが認識されなかったので、ダイナミックレンダリングを行うことにしたが、表示時間が非常に長くなるので、CSSを省いている。問題ないか?
【回答】
一般的に、CSSを削除するとSearch Consoleでモバイルフレンドリーではないとエラーが表示されることが多いと思われる。
問題になる可能性が高いのでは。
なぜ、ダイナミックレンダリングを採用されたのか、もう少し聞きたい。サイトの構造が複雑かつページのロードに時間がかかるので、SPA以外の実装方法はなかったのかどうか気になる。
クローラに正しくコンテンツが認識されなかったとのことだが、少し飛躍があるように思われる。もう少し思考のプロセスがあってダイナミックレンダリングを採用されたのでは?
time datetime タグの更新基準
【質問】
記事の追加や更新をしてtime datetime タグを更新する際、どの程度の追加や修正をしたら、日付タグを更新すればいいのか?
【回答】
time datetime タグに関して、Googleから特にお伝えすることはないので、ご自身で定義した日付のルールでユーザーから不自然に思われないように更新すればよいのでは。
ウェブページの日付について理解を深めるには、以下の記事が参考になります。
Google ではさまざまな要素に基づいて日付を判断しています。たとえば、ページ自体に読者にもはっきりとわかるように明確に記載されている日付や、サイト運営者が構造化マークアップで指定している日付などが挙げられますが、これらに限定されません。
Google は(ユーザー向け形式か構造化データ形式かを問わず)日付が検索結果に表示されることを保証するものではありませんが、上記のガイドラインに従っていただくことで、Google のアルゴリズムが日付情報を検出、処理しやすくなります。
- dateModified:記事が最後に変更された日時
- datePublished:記事が最初に公開された日時
AMP Page Experience Guide について
【質問】
AMP Page Experience GuideのフィールドデータはCrUXレポートに基づいているが、オリジンのAMPページへのアクセスなのか?それとも検索からAMPキャッシュへ訪問したユーザーのアクセスも含まれるのか?
キャッシュへのアクセスが含まれないならば、検索からのトラフィックの大半を占めるAMPページは、CrUXのデータが十分に集まらないので、フィールドデータを計測できない場合が多いのではと考えている。
【回答】
CrUXデータに関する仕様に関する仕様のお話だと思う。
CrUXデータのChangelogに関するものなので、以下ページの2020年6月のアップデートを見てください。
質問者さんの懸念することは発生しないと思います。
Google の AMP キャッシュから提供されるユーザー体験は、CrUX のパブリッシャーのオリジンに帰属するようになりました。効果は、ウェブサイトの他の部分と比較した AMP キャッシュ トラフィックの量によって異なりますが、ほとんどのオリジンでは、Core Web Vitals のパフォーマンスに 5 パーセントポイント以下の変化が見られ、ほとんどの効果がプラスになります。
Google 検索結果からページを削除したい
【質問】
ブログ記事を削除したが、Google検索結果に残っている。
検索結果から削除する方法を教えて欲しい。
【回答】
URLを頂いていたが、具体的なクエリが書いてなく今の状態が分からないので、お伝えできることはない。
一般論としては、削除リクエストを送ってくださいとのこと。
おそらく、記事は削除したのに、検索結果のスニペットに残っているという話だと思います。
以下の2つのパターンで対応できると思います。
- Search Consoleの権限がある場合:削除ツール
- Search Consoleの権限がない場合:古いコンテンツの削除ツール
金谷さんからのコメント
初心者の方に寄り添うような回答をしていきたいので、初心者の方も遠慮なくご質問ください。
フィードバックやランキングへの不満については取り上げないのでご理解くださいとのこと。
年間1兆回の検索が行われ、毎日15%が新しい検索クエリという状況で、すべての検索結果をGoogleで論理的に説明できるわけではないし、うまくできていないこともあるので、優先順位をつけて対処している。
オンラインで大変な方がいる一方、オンラインで一儲けしようとしている方もいる。
SEOのコツとか裏技はあるのかもしれないが、長いスパンでみたときに有効でないことが大半。
アルゴリズムの隙間を狙って施策を行うことを否定しませんが、アルゴリズムを追い続けることはすごく大変なこと。
基本的は良いコンテンツを作って、Googleにクロールさせて、インデックスさせて、検索結果に適切に配信されることが重要。
そのためにユーザーにとって良いコンテンツは何かを考え続けてください。
サイト運営の指導的な立場にいる方は、このあたりを強調していただくと、初心者の方が騙されたり道に迷うことがないので、ぜひお願いしたい。
この話をすると、良いコンテンツを作っても順位が上がらないじゃないかということも出てくる。Googleもうまくできていないことはあるので改善を続けている。
ユーザーのことを考えて、当たり前のことを当たり前のことをやることが、遠回りのようで近道だったりすることはよくある。
もちろん多少のコツのようなものはあると思うので、誰の情報を信じるのかは非常に大事。
Google検索オフィスアワーに質問するには?
質問フォームから質問できます。
質問が多い場合は、翌月に持ち越されることもあります。
URLを非公開で質問したい場合、その旨記載すると、URLは公開されません。
次回は、2020年12月23日を予定しています。
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