2020年2月27日に放送されたウェブマスター オフィスアワーのまとめです。
すぐにYouTubeを見たい方は、以下のリンクから直接アクセスできます。
0:07:00 検索結果に削除済みデータが反映されている
0:11:12 コーポレートサイトが逆 SEO を受けている
0:14:28 クロール頻度が下がったまま戻らない
0:16:30 Search Console のエラーが特定できない
0:18:09 カバレッジにCSSが上がってきた場合の対応
0:19:28 金谷さんから「逆SEO」についての補足
0:21:13 検索順位に影響する「インタースティシャル」
0:24:02 サイト移転時に検索結果に表示されなくなった
0:27:03 ビッグワードの検索で怪しいサイトを見かける
0:30:56 Chrome UA のアップデート
0:31:55 カニバリゼーションとは何ですか?
0:37:58 構造化マークアップの質問
0:42:22 無事 AMP 対応できたのか?
0:44:14 適切な AMP ページでない原因がわからない
0:49:13 検索結果から AMP ページのみ非表示にしたい
0:52:24 AMP ストーリーのための SEO
0:53:36 検索結果に引用されないようにする方法
0:55:46 強調スニペットに表示させたくない
0:58:29 別 URL によるモバイル対応の重複正規化
1:02:56 PDF ファイル内のリンクは影響を与えるか
1:05:07 YMYL のキーワードの検索結果
1:08:17 スパム行為の報告窓口
ブログ記事
2020年1月30日のウェブマスターオフィスアワー以降のブログ記事です。今回は日本語の記事が1記事、残りは全て英語の記事となります。
- Search Console の新しい削除レポート
- More & better data export in Search Console
- How to showcase your events on Google Search
- New reports for review snippets in Search Console
- Google Search News for January 2020
最新情報
削除ツールの誤った使い方
サイトの正しいバージョンをインデックスに登録する目的で(つまりはURLの正規化)、削除ツールを使わないでくださいとのこと。
URLを正規化するために、正規ではないURLを削除ツールに入れる方がいる。これをやってしまうとhttp、https、wwwありなし、全てのバージョンが削除される可能性がある。ヘルプ記事にも記載があります。
公式ヘルプ 削除ツール > 削除ツールの誤った使い方
URLの正規化については以下のヘルプをご覧ください。
公式ヘルプ 重複した URL を統合する
Google 画像検索に表示されるコンテンツに関するライセンス情報を表示する新しい方法のベータテスト
まもなく、Google 画像検索に表示されるコンテンツに関するライセンス情報を表示する新しい方法のベータテストを開始します。新しいバッジとライセンス情報の表示はまだ開始されていませんが、開始に備えて実装することが出来ます。詳しい情報はこちら: https://t.co/RWb9uzL2XP https://t.co/PpiZnpOHRP
— 金谷 武明 ★ Takeaki Kanaya (@jumpingknee) February 20, 2020
画像に「構造化データ」や「ITPCメタデータ」を追加すると、画像検索のサムネイルにライセンス情報が表示されます。ライセンスを管理している団体や、ライセンス可能かどうかのバッジも表示されます。詳しくはリファレンスをご覧ください。
公式 Image License Metadata in Google Images (BETA)
デスクトップ版のGoogle画像検索に表示されるアイコンが新しくなる
今週後半にデスクトップ版の Google 画像検索は、画像が商品やレシピ、または動画のページに関連するかどうかを示す有用な情報を提供する新しいアイコンの表示を開始します。アイコンをマウスオーバーするとそれらは展開し、テキストや動画の長さをアイコンとともに表示します。 https://t.co/fUe2Id6CjZ
— 金谷 武明 ★ Takeaki Kanaya (@jumpingknee) February 25, 2020
より多くのデータをSearch Consoleでエクスポートできるように
We’re happy to let you know that you’ll now have more and better data available to export in Search Console ? Learn more and see sample data in our blog https://t.co/jKm0Qp9jn8 pic.twitter.com/wlssPQli34
— Google Webmasters (@googlewmc) February 26, 2020
詳しくは英語版のブログ記事で。
公式ブログ More & better data export in Search Console
Q&A
検索結果に削除済みデータが反映されている
【質問】
検索結果のスニペットに店舗のテーブルデータが表示されているが、このデータは2ヶ月前に削除している。なぜ、サイトに存在しないデータが表示されるのか?以下のことは試してみたが結果は変わらなかった。
- サイトからテーブルデータを削除し、URL 検査よりインデックス登録
- 古いコンテンツの削除
- 検索結果下よりフィードバックを送信
【回答】
状況としては、検索結果のスニペットにお店の料金表などが自動で生成されているのだと思います。構造化データがなくても自動生成されます。
この件についてGoogleで公式にご案内している方法はないのですが、今回試された方法は非常に良いとのこと。
追加でご案内すると、max-snippet を実装し、スニペットの文字数の最大値を設定する方法があるので、一度お試しくださいとのこと。
公式ヘルプ Google がサポートしている特別なタグ
max-snippet:[number] – このページのテキスト スニペットの長さを [number] 文字に制限します。スニペットをなしにする場合は 0、スニペットの長さを無制限にする場合は -1 を指定します。
こちら、フォーラムでご質問があり、僕が回答しました。結局他のエキスパートから回答がつかなかったので、オフィスアワーにご質問いただいたようです。
参考 googleの検索結果に過去のテーブルデータが表示される
コーポレートサイトが逆 SEO を受けている
【質問】
会社のコーポレートサイトが低品質ドメインからリダイレクトされる逆SEOを受けている。具体的にはアダルトサイトから弊社のウェブサイトに50個ほど301リダイレクトされています。
今の時点でオーガニック検索に大きな影響はありませんが、今後どうなるか不安です。Search Consoleでリンクを否認した方がいいのでしょうか?
【回答】
逆SEOと呼ばれる手法で、順位が下がることは発生しにくいとのこと。過去10年くらいの観測結果で全然見たことがないので、あまりに気しなくてもいいのでは。
ただし、Googleの手動対策チームが、何か不正なことをしているのではと誤解する可能性もあるので(ご自身で不正をしているという意味で)、否認ツールで送っていただけると予防になるとのこと。
もし業務妨害のようなことであれば、検索という話ではなく、法的な話になる可能性も考えられる。
クロール頻度が下がったまま戻らない
【質問】
年末にクロール頻度が増加してサーバが耐えられなくなったため、クロール頻度を下げる設定をSearch Consoleから行った。その後、1月7日に設定を戻したが、クロール頻度が以前の状態に戻らない。元々、1日に400万ページ程クロールされていたが、現在は10万ページ/日に下がっている。2点質問します。
- この設定は90日経過するまで解消されないのか?
- 元に戻す方法があれば教えて欲しい。
【回答】
ご質問にお答えすると、
- この設定は90日経過するまで解消されないのか?→そのようなことはない
- 元に戻す方法があれば教えて欲しい→行っていただいた設定で問題ない
金谷さんが確認したところ、現在は解消しているとのこと。今回、別の問題が発生していたため、戻すのに時間がかかってしまったのでは。
Search Console のエラーが特定できない
【質問】
URL検査よりインデックス登録すると以下のメッセージが表示されます。
URL は Google に登録されていますが問題があります。Google 検索結果には表示されますが(手動による対策や削除リクエストの対象でない場合)、問題があるためすべての拡張機能の対象にはなりません。
問題を特定できず、テーブルで商品を複数比較しているのが問題なのかなと思っています。
問題があればすぐに修正したいので、アドバイスをいただけないでしょうか?
【回答】
頂いたURLを確認したところ、Search Consoleで構造化データにエラーが出ているのではないか。data-vocabulary.org でマークアップしているパンくずリストを、schema.org へ移行してくださいというメッセージがあるのでは。エラー内容をよく読んでいただいて修正してください。
フォーラムのご質問で同じようなケースがあるので紹介します。
参考 URL検査「URL は Google に登録されていますが問題があります」について
カバレッジにCSSが上がってきた場合の対応
【質問】
Search Consoleで「カバレッジ > 除外 > ソフト404」に次のようなエラーが上がってきました。
https://example.com/hogehoge.css?12345678
CSSがカバレッジに上がってくるのは何か問題が発生しているのでしょうか?対処方法があれば教えてください。
【回答】
ご存知の通り検索エンジンはCSSをインデックスしませんが、何かの原因でインデックス対象として扱ってしまうこともある。
これによる悪影響はないので、仕様上の誤差として受け取っていただければとのこと。
金谷さんから「逆SEO」についての補足
逆 SEOについてコメントがあったので (Twitter上)、金谷さんから補足が入りました。
逆SEOでうまく行っているのを見たことがないとお話した理由として、逆SEOで順位が簡単に反映できてしまうほど、Google検索は単純ではないとのこと。
301リダイレクトの目的や、リンクのクオリティを見た上で、Googleは判断している。このような手法で効果が出ることに金谷さんは否定的とのこと。
もし、逆SEOが原因で順位が落ちてしまったケースがあれば、金谷さんにDMを送って欲しいとのこと。
ちなみにDMについては、個別にコメントしにくいものもあるので、すべて返事ができるかどうか分からない。全て目を通しているので、その点はご容赦いただければとのことでした。
検索順位に影響する「インタースティシャル」
【質問】
過剰なインタースティシャルがあるページは検索順位が低くなると理解しています。どのような用途のインタースティシャルに適用されるのか教えて欲しい。
- アプリ誘導のインタースティシャル
- インタースティシャル広告
- それ以外 (ページの使い方や注意書きを、ページ全体を覆うようなインタースティシャル)
【回答】
ランキングに影響を受けないインタースティシャルもあります。
次のようなものは例外になります。
- 法律上の必要性に基づいて表示されているCookie の使用に関するインタースティシャル
- 年齢確認のインタースティシャル
- 画面スペースから見て妥当な大きさのバナー
例外については以下のページに詳しく掲載されています。
公式ブログ モバイル ユーザーが簡単にコンテンツにアクセスできるようにするために
サイト移転時に検索結果に表示されなくなった
【質問】
URL検査ではインデックスされていると表示されるが、検索結果に表示されない。
【回答】
頂いたURLを確認したところ、サイト移転の際、削除ツールを使っていると、このようなことが発生する。
例えばhttps→httpsへ移行する際、301リダイレクトで正規化するのではなく、削除ツールでhttpのURLを消してしまうようなケース。httpだけでなくhttpsも同時に消えてしまい、しばらくの間インデックスされないので、このようなことはやめてくださいとのこと。
サイト移転をするのであれば、以下のヘルプ記事をご覧ください。
公式ヘルプ URL の変更を伴うサイト移転
ビッグワードの検索で怪しいサイトを見かける
【質問】
通販のクエリで検索すると、海外の怪しいサイト検索結果に表示されます。
原因や対策できることを教えて欲しい。
【回答】
Googleも様々な取り組みを行っている。
探せば出てくるが、探さなければ表示されないようなケースもある。
- ハッキングされたサイトにサイトがコピーされている→スパムレポートを送信
- フィッシング→フィッシング攻撃への対策と報告を送信
Chrome UA のアップデート
【質問】
GoogleはChromeでユーザーエージェント文字列を段階的に廃止するようですが、ウェブサイト側で何か修正をする必要はありますか?
ユーザーエージェントでPCページとモバイルページを出し分けているサイトに影響しそうなのですが。
【回答】
今の時点で、何かを修正する必要はない。修正をお願いする場合、準備期間を用意してからお知らせするとのこと。
カニバリゼーションとは何ですか?
【質問】
カニバリゼーションという用語をよく聞きます。共食いという意味だと思いますが、何か対処方法はあるのでしょうか?
【回答】
カニバリゼーションという用語は、Googleが公式で使っている言葉ではなく、ある現象についてウェブマスターのみなさんが使っている表現だと思います。
金谷さんの理解では、このキーワードでページAの順位を上げたい、でも実際にはページBが上位に来ている。そのためページAに流入せず、コンバージョンを得られない状況だと思います。
これについては、サイトの戦略もあるのでケースバイケースとのこと。こうすればいいという方法はないが、考えられるものとしては次のものがある。
- ページの構成や情報を正しくGoogleに伝える
- 上位に来るページにコンバージョンが発生する要素を載せる
- 2つのページをマージする
よく聞かれるご質問として、一つのテーマでたくさんのページを作るのがいいのか、それとも一つのページにまとめた方がいいのかについてもケースバイケース。
訪問するユーザーにもよるので、ユーザーを見てコンテンツを作ると結果はついてくるのではないか。
構造化マークアップの質問
【質問】
商品ページにProductタイプの構造化データを入れたいが、推奨プロパティであるreviewやaggregateRatingを用意できず、構造化データテストツールでエラーが表示されている。このまま公開して問題はないか?
【回答】
リッチリザルトに表示されなくても構わないという文脈であれば、致命的なタグがないといったことでなければ、エラーが出たまま実装しても特に問題が出ることはない。手動対策が取られることもない。
無事 AMP 対応できたのか?
【質問】
AMPを実装し、特定のページをAMPテストすると、有効な表示が出ているが、これでサイト全体がAMP化されたと認識していいか?
【回答】
AMPはサイト単位ではなく、ページ単位のものなので、全体がAMP化されているかどうかは全てのページを確認する必要がある。
適切な AMP ページでない原因がわからない
【質問】
Google検索からAMPページに遷移すると、「Sorry, this page is not valid AMP HTML」と表示され、通常ページにリダイレクトされる。
The AMP Validatorでエラーはなかったが、Search Consoleで「カスタム JavaScript は使用できません」とエラーが出ている。
原因が分かれば教えてください。
【回答】
頂いたURLを確認したところ、テンプレートの似たようなページにカスタム JavaScriptが入っているページがあったので、確認してみてくださいとのこと。
こちらのサイトの構成は、PC版ページとAMPページのみでモバイル版ページがない。AMPページがモバイルページとなっている。
GoogleがAMPページとして把握しているページもあれば、PC版ページをAMPページとして把握しているものもあった。PC版ページからモバイル版へのアノテーションがなかったので、このあたりも見直してみるといいのでは。
検索結果から AMP ページのみ非表示にしたい
【質問】
AMPページのみ非表示にしたいが、削除ツールを使ったところ、検索結果から消えてしまった。AMPページのみ一時的に非表示にする方法を教えてください。
【回答】
削除ツールを使うのは間違っています。
正規URLのページから rel=”amphtml” を削除してください。
AMPを止めたいという場合は、以下のページもご覧ください。
AMP ストーリーのための SEO
【質問】
AMP公式サイトで、AMPストーリーのための記事が公開されました。
メタデータとしてtitleを正しく設定するように書かれていますが、記事内にtitle属性について言及したリンクが設置しています。
この記事はtitle属性について書かれたものなのでしょうか?
【回答】
いえ、違います。フィードバックありがとうございます。
ブログの著者に伝えておきました。後日修正されると思います。
検索結果に引用されないようにする方法
【質問】
ページ内のtableタグがスニペットに表示されることがあります。
検索結果に引用されないようにする方法を教えて欲しい。
【回答】
次の方法をお試しください。
- data-nosnippetでスニペットに使用しないよう指定する
- max-snippetで文字数を制限する
- 構造化データを入れる
以下のヘルプを参考に。
強調スニペットに表示させたくない
【質問】
強調スニペットに表示させない方法を教えて欲しい。
【回答】
方法としては次のものが考えられる。
- max-snippetで文字数を減らす
- data-nosnippetを使う
max-snippetで文字数を減らすのがいいかなと思います。状況にもよるので一概には言えませんが、強調スニペットで表示されている部分をdata-nosnippetで指定すると、通常のスニペットに影響が出る可能性があります。
別 URL によるモバイル対応の重複正規化
【質問】
別々のURLのサイト構成で、重複ページがある場合の対処方法を知りたい。
【回答】
かなり複雑なサイト構造が原因で重複しているので、その状況を修正してみては。
別々のURLは実装とメンテナンスが困難なので、Googleはレスポンシブを推奨しています。
PDF ファイル内のリンクは影響を与えるか
【質問】
英語のウェブマスターオフィスアワーで「PDF内のリンクはGoogleに知らせる方法がない。nofollowリンクに似ている」と言及されており、検索順位に影響を与えないと解釈できます。
ウェブマスター向けブログ (2011年9月20日のブログ) ではPDFファイル内のリンクも検索順位に影響があると解釈できます。
公式ブログ 検索結果における PDF ファイルの取り扱いについてのヒント
質問: PDF 文書内のリンクはどのように取り扱われるのですか?
答え: 一般に、PDF ファイル内のリンクは HTML 内のリンクと同じように扱われます。つまり、リンクから PageRank をはじめとするインデックス登録のシグナルが渡されるので、Google は、その PDF ファイルをクロールしたのち、リンクをフォローできるようになります。現在のところ、PDF ファイル内のリンクに対しては nofollow 属性は設定できません。
解釈が変わったということなのでしょうか?
【回答】
解釈が変わったということもなく矛盾はしていないのだが、話がややこしいのと、その説明をすると別の誤解を与えてしまう可能性があるとのこと。
一度SEOのことは忘れて、PDF内にリンクがあった方がユーザーにとって便利かどうかを考えていただくのが良いのでは。
YMYL のキーワードの検索結果
【質問】
権威性ばかり重視されており、ユーザーのことを考えていないのではないか?
【回答】
YMYLやE-A-Tを誤解されているのだと思いますが、Googleはユーザーのことを考えて、ユーザーが探している情報が提供できるように、権威性や専門性を評価しようとしている。
スパム行為の報告窓口
【質問】
公共機関の資料を不正にアップロードして、リンク切れのサイトを見つけては連絡し、ユーザーからのリンクを集めている会社がある。通報窓口はあるか?
【回答】
Googleに該当する通報窓口はない。
ウェブマスター向けガイドラインに照らし合わせると、望ましい行為ではないが、単純なスパムかというと判断は難しい。
できることがあるとすれば、地方公共団体に連絡をとったり、リンクを集めている方に連絡を取るなどが考えられる。
ウェブマスターオフィスアワーに質問するには?
質問フォームから質問できます。
質問が多い場合は、翌月に持ち越されることもあります。
URLを非公開で質問したい場合、その旨記載すると、URLは公開されません。
次回は、2020年3月後半を予定しています。
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