このエントリーでは、Macが起動しない時に写真やデータを取り出す方法をお伝えします。
電源を入れたのにMacが起動しないとパニックになりますよね?
写真やデータのバックアップを取っていない場合、どうやって起動しないMacからデータを取り出せばいいのか分からない方も多いと思います。
SSDやハードディスクが完全に故障してしまった場合はデータ救出の専門業者に依頼するしかありませんが、電源は入るけどMacが起動しない場合ならばデータを取り出せる可能性は高いです。
では、起動しないMacから写真やデータを取り出す手順を詳しく書きます。
最初に試してみること
以下をお試しいただくとMacが起動する可能性がありますので、最初にお試しください。
SMCのリセット
Macが起動しなくなった場合、まずはSMCのリセットを試します。
SMCとは、システム管理コントローラ (System Management Controller) の略で、電源を押したときの反応やバッテリー、センサーを管理している機能を指します。
SMCのリセットを行うことで、電源周りの不具合がリセットされ、Macが起動する可能性があります。起動できればデータを取り出すことができます。
お使いのMacによってSMCのリセット方法は異なります。
ノートブック
- 電源を落とす
- shift + control + optionを押しながら、電源ボタンを10秒間押し続けます。
- すべてのキーを離して、電源を入れる
デスクトップ
- 電源を落とす
- 電源コードを抜いて15秒間待つ
- 電源コードを付けて、電源を入れる
T2 セキュリティチップを搭載したMac
2018年以降のモデルでT2 セキュリティチップを搭載したMacは、次の方法でSMCをリセットします。
- 電源を落とす
- 電源ボタンを1秒間長押し
- 電源ボタンを離して、再度電源を入れる
NVRAM または PRAM をリセット
NVRAM または PRAM に記録されている情報に問題が起きて、Macが起動しない可能性もあります。以下の手順でNVRAM または PRAM をリセットしてください。
Late2016モデル以降の起動音が鳴らないMac
option + command + P + Rの4つのキーを同時に押して、20秒押し続けてからキーを離します。その間、Mac は再起動します。
起動音が鳴るMac
option + command + P + Rの4つのキーを同時に押して、2回目の起動音が鳴ったらキーを離します。
T2 セキュリティチップを搭載したMac
option + command + P + Rの4つのキーを同時に押して、2回目のAppleのロゴマークが表示された後、ロゴが消えたらキーを離す
セーフモードで起動
Macが起動しない場合でも、セーフモードでならば起動できることがあります。
セーフモードとは、macOSの起動方法の1つで、起動に問題が起こった際に使用します。起動する際にOSのチェックをして修復したり、一部の機能を無効化してOSを起動します。
- 電源を入れたらshiftを押し続ける
- ログイン画面が出てきたらshiftを離す
セーフモードでMacが立ち上がれば、写真やデータにアクセスすることが可能です。
写真やデータを外付けのハードディスクなどにバックアップを取ればOKです。
ディスクユーティリティで修復
ディスクユーティリティで修復することで、Macが起動することもあります。
- 電源を入れたら、command + Rを押し続けて、リカバリモードで起動
- Macintosh HDでFirst Aidを実行する
ここまでの操作でMacが起動しなければ、次のステップに進んでください。
Macが2台あるなら、ターゲットディスクモードで接続して、写真やデータを取り出す
Macが2台あるなら、動いているMacにターゲットディスクモードで接続します。
ターゲットディスクモードで接続すれば、起動しないMacが外付けハードディスクとしてマウントされますので、写真やデータを取り出すことが可能です。
以下手順です。
- 起動しないMacのTを押しながら電源ボタンを押す
- 正常なMacにThunderboltケーブルを使って接続する
- 正常なMacのデスクトップに、起動しないMacのハードディスクがマウントされる
- 写真やデータを取り出す
1. 起動しないMacのTを押しながら電源ボタンを押す
起動しないMacのTを押しながら電源ボタンを押します。
2. 正常なMacにThunderboltケーブルを使って接続する
正常なMacにThunderboltケーブルを使って接続します。
3. 正常なMacのデスクトップに、起動しないMacのハードディスクがマウントされる
正常なMacのデスクトップに、起動しないMacのハードディスクがマウントされます。
FileVaultがオフの場合はすぐにマウントされますが、FileVaultが有効の場合はアカウントのパスワードを入れないとマウントされないのでご注意ください。
4. 写真やデータを取り出す
アクセス権を変更したので、写真やデータを取り出すことが可能です。
外付けハードディスクでも、起動しているディスク上でも構いませんので、データを取り出してください。
macOSの入った外付けハードディスクで起動して、写真データを取り出す
もう1台Macを用意できない場合、macOSの入った外付けハードディスクで起動して、写真データを取り出すことも可能です。
この方法はmaoOSをインストールした外付けハードディスクをご用意いただく必要がありますが、何か不具合が発生したときに備えて1つ作成しておくと便利です。
ターゲットディスクモードで接続したときと同様、起動しないディスクがデスクトップ上にマウントされます。
ただし注意点もあります。ターゲットディスクモードでは、すぐにデータ移行できましたが、macOSの入った外付けハードディスクで起動した場合、フォルダーのアクセス権を変更しないとデータは取り出せないのでご注意ください。
- macOSの入った外付けハードディスクで起動する
- 起動しないMacがハードディスクとしてマウントされる
- 写真やデータのフォルダのアクセス権を変更する
- 写真やデータを取り出す
- 追加したフォルダのアクセス権を削除する
1. macOSの入った外付けハードディスクで起動する
macOSの入った外付けハードディスクをMacに接続します。
電源ボタンを押したら、すぐにoptionを長押しします。
オレンジ色のmacOSの入った外付けハードディスクが登場するので、選択してください。
2. 起動しないMacがハードディスクとしてマウントされる
起動しないMacがハードディスクとしてマウントされます。
3. 写真やデータのフォルダのアクセス権を変更する
写真が入っている「pictures」フォルダーを開こうとしても、赤い進入禁止マークがついていてアクセスできません。以下の画像のように「内容を表示するためのアクセス権がないため、フォルダ “Pictures”を開けませんでした。」と表示されます。
デスクトップや音楽についても同様にアクセスできません。
以下の手順で、写真やデータのフォルダーのアクセス権を変更してください。
①「pictures」フォルダーで右クリックして「情報を見る」をクリック
②鍵マークをクリック
③ログインパスワードを入力
④「+」をクリックしてユーザーを追加
⑤今起動しているMacのユーザーを選択
⑥アクセス権を「読み出しのみ」と設定
4. 写真やデータを取り出す
アクセス権を変更したので、写真やデータを取り出すことが可能です。
外付けハードディスクでも、起動しているMacのディスクでも構いませんので、データを取り出してください。
5. 追加したフォルダのアクセス権を削除する
写真やデータを取り出したら、追加したフォルダーのアクセス権を削除します。
さいごに
以上、Macが起動しない時に写真やデータを取り出す方法を紹介しました。
Macが起動しなくなったときの参考にしてください。
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