Google日本語入力を複数のMacで使っている場合、すべての端末で辞書ツールを同期できたら便利ですよね?
現在提供されているGoogle日本語入力には、複数の端末で辞書ツールを同期する機能はありません。以前、Google日本語入力の開発版に、辞書ツールの同期機能がありましたが、2013年12月で廃止されています。
Google日本語入力は、無料で使えるIMEとしては素晴らしいのですが、単語によっては日本語変換がうまくいかないこともよくあります。そんなときには、辞書ツールに単語を登録することで、変換精度を上げることができます。
複数のMacを使っている場合、それぞれの端末で辞書ツールを設定するのは面倒です。
でもご安心ください。
今日のエントリーは、Google日本語入力の辞書ツールを、複数のMacで同期する方法を紹介します。
僕もメインで使っているiMacと、外出用のMacBook Pro、MacBook Airの3台で辞書ツールを同期して使っておりますが、すごく便利です。
辞書ツールをクラウドで共有すれば、Google日本語入力の辞書ツールは同期できる
辞書ツールをクラウドで共有すれば、複数のMacでGoogle日本語入力の辞書ツールは同期できます。
クラウドは次のどれでもOKです。
- iCloud Drive
- Googleドライブ
- Dropbox
今回は、iCloud Driveを使って辞書データを同期します。
iCloud Driveを使ったときの注意点
MacのiCloud Driveの設定で、「Macストレージを最適化」にチェックが入っていると、辞書ツールを参照できなくなり、辞書ツールが同期できないのでご注意ください。
- システム環境設定→iCloud→iCloud Drive
Google日本語入力の辞書ツールを、複数のMacで同期する手順
では早速、Google日本語入力の辞書ツールを、複数のMacで同期する手順を紹介します。
- 入力ソースをことえりへ切り替える
- 辞書ツール「JapaneseInputフォルダ」をiCloud Driveへコピー
- 元のライブラリにある「JapaneseInputフォルダ」の名称を変更
- ターミナルでシンボリックリンクを作成
- 複数のMacで、シンボリックリンクを作成
1. 入力ソースをことえりへ切り替える
入力ソースをことえりへ切り替えておいてください。
2. 辞書ツール「JapaneseInputフォルダ」をiCloud Driveへコピー
辞書ツール「JapaneseInputフォルダ」をiCloud Driveへコピーします。
Google日本語入力の辞書データの場所は、「ライブラリ」内にあります。
- ユーザー/ライブラリ/Application Support/Google/JapaneseInput
他のクラウドを使う方は、GoogleドライブでもDropboxでもOKです。
macOSのライブラリを表示する方法
デフォルトでは、macOSのライブラリは表示されません。
Finderで「移動」をクリックした状態でoptionキーを押すと、「ライブラリ」が出てきます。
3. 元のライブラリにある「JapaneseInputフォルダ」の名称を変更
元のライブラリにある「JapaneseInputフォルダ」の名称を変更します。場所は、Users/ユーザ名/Library/Application Support/Google にあります。
名称を変更しないと、シンボリックリンクを作成できませんのでご注意ください。僕は以下のように変更しました。
- JapaneseInput→JapaneseInput2
4. ターミナルでシンボリックリンクを作成
クラウドにコピーした「JapaneseInputフォルダ」のシンボリックリンクを、元の場所 (Users/ユーザ名/Library/Application Support/Google) に作成します。
シンボリックリンクとは、macOSのエイリアスやWindowsのショートカットのようなもので、特定のファイルを参照するためのリンクです。
エイリアスやショートカットは単なるリンクなのに対して、シンボリックリンクは、元ファイルや元フォルダと同等に扱うことのできるリンクです。OSやアプリからは、元ファイルと同等に扱える点が異なります。
アプリ側で参照ファイルの場所を変更できない場合でも、シンボリックリンクを作成すれば、参照ファイルの場所を変更できるようになります。
シンボリックリンクはターミナルで作成してください。次の手順で行います。
①ターミナルを開く
ターミナルを開きます。
②シンボリックリンクを作成する
シンボリックリンクを作成します。
ターミナルに「ln -s 」と入力し、クラウドにコピーした「JapaneseInputフォルダ」のパスを入力し、元々macOSのライブラリ内にあった「JapaneseInputフォルダ」のパスを入力します。
これだとわかりにくいと思いますので、クラウド別にパスを作りました。ユーザー名とクラウドのパスはお使いの環境に合わせて変更してください。
iCloud
ln -s /Users/ユーザ名/Library/Mobile Documents /Users/ユーザ名/Library/Application\ Support/Google
Dropbox
ln -s /Users/ユーザ名/Dropbox/JapaneseInput /Users/ユーザ名/Library/Application\ Support/Google
Googleドライブ
ln -s /Users/ユーザ名/Googledrive/JapaneseInput /Users/ユーザ名/Library/Application\ Support/Google
ターミナルにフォルダをドラッグする方法がオススメ
ターミナルにフォルダをドラッグする方法がオススメです。パスを間違えることがなくなります。以下のように行ってください。
- ターミナルに「ln -s 」と入力
- 半角スペースを入力
- iCloud Driveにコピーした「JapaneseInputフォルダ」をターミナルにドラッグする
- 半角スペースを入力
- 元々macOSのライブラリの「JapaneseInputフォルダ」があった Users/ユーザ名/Library/Application Support内にある「Googleフォルダ」をターミナルにドラッグする
- returnを押せば、シンボリックリンクが作成される
5. 複数のMacで、シンボリックリンクを作成
複数のMacで、シンボリックリンクを作成すれば、辞書ツールのデータは、クラウド上で常に同期されます。
Macを入れ替えたり、クリーンインストールした際は、再度シンボリックリンクを作成する
Macを入れ替えた際や、クリーンインストールをした際には、再度シンボリックリンクの作成が必要なのでご注意ください。
クラウド上の「JapaneseInputフォルダ」はそのままで構いません。
さいごに
以上、Google日本語入力の辞書ツールを、複数のMacで同期する方法を紹介しました。
辞書ツールがクラウドで同期するので、複数のMacでGogle日本語入力をお使いの方には非常に便利です。ぜひお試しください。
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