書籍「いちばんやさしいGoogleビジネスプロフィールの教本」

Googleの中の人から聞いた「SEO中級者になる方法」 Google Dance Tokyo 2018

SEO

4月3日、Google東京オフィスで、Google Dance Tokyo 2018が開催されました。

2016年から3回目の開催となったGoogle Dance Tokyo 2018では、日本からは金谷さんとあんなさん、スイスからGary Illyesさんが来日し、マウンテンビューから長山さんも来日しました。

今日は、長山さんのセッション「SEO中級者になるには」で聞いた話を紹介します。
Googleの中の人から「SEO中級者になる方法」を聞く機会は滅多にないと思いますよ。

SEO中級者になる方法

最初にSEO中級者になる前に、SEO初心者の方が何をすればいいのかお話します。

SEO初心者がやるべきことは5つです。1年前に開催されたGoogle Dance Tokyo 2017で長山さんがお話されました。

以前の記事に詳しく書きましたので、SEO初心者の方は、まずご覧ください。

SEOに関して重要なことは、以下5つです。

  1. ユーザーを知る
  2. モバイル対応
  3. Search Consoleを使う
  4. Webmaster Guidelinesを守る
  5. Googleに聞く

Google Dance Tokyo 2017 に参加しました!

「SEO初心者がやるべきことは5つ」に加えて、SEO中級者になるには、次のことを理解する必要があります。

  1. SEOを理解する
  2. 検索エンジンについて知る
  3. ユーザーの行動を理解する

1. SEOを理解する

SEO中級者になるには、まずSEOを理解しなければなりません。

SEOとはSearch Engine Optimizationの略で、ウェブサイトを検索エンジンに最適化することを指します。ここまでは皆さんご存知ですよね?

長山さんは、ここから一歩掘り下げた視点でお話されていました。
ウェブマスターがサイトを検索エンジンに最適化するということは、具体的に何をやりたいのか?
ウェブマスターはユーザーに対して「情報伝達の加速化・円滑化」をやりたいのではないか。SEOの本質は「情報伝達の加速化・円滑化」ということになるのです。

SEOの本質は情報伝達の加速化・円滑化

「情報伝達の加速化・円滑化」をするために、長山さんは次の3つのことが重要であるというお話をされていました。

  • Googleに認識させる
  • ユーザーに魅力的なサイト作る
  • 自分のサイトを理解する

ここで重要なのは、ウェブマスターは自分のサイトを理解する必要があることです。自分のサイトを理解できなければ、ユーザーに魅力的なサイトを作ることはできませんからね。

  • トピックは何か?
  • 重要なページはどれか?
  • 主要なオーディエンスは誰か?
  • 競合サイトはどのようなものか?

2. 検索エンジンについて知る

次に、検索エンジンについて知る必要があります。

Google検索は次のような仕組みになっています。

クロール インデックス ランキング
ページのフェッチ ページの理解 クエリとページのマッチ
スケジューリング コンテンツ分析 関連性
優先度付け リンク分析  パーソナライズ

Google検索の仕組みについて解説します!

クロール・インデックス制御の「3種の神器」

クロール・インデックス制御の「3種の神器」があるので紹介します。重要なページがクロールされ、インデックスされ、ランキングされることが重要です。それぞれツールが、検索エンジンに対して、どのような制御をするかについて、SEO中級者ならば、理解しておく必要があります。SEO上級者の方はすでにご存知だと思いますので、スルーしてください。

  • noindex、robots.txt
  • Sitemap
  • Canonical

noindex、robots.txt

noindex、robots.txtは両方とも、検索エンジンにNoを伝えるための指示です。
robots.txtがクロールをブロックするのに対して、noindexはインデックスをブロックします。

noindex、Robots.txt

noindex robots.txt
meta要素またはHTTPヘッダ テキストファイル
主にHTML向け ファイルタイプを問わない
個別ページ向け ホスト、パス全体に運用可
インデックスをブロック クロールをブロック

※robots.txtとnoindexの違いについては、下記のページで紹介しております。

クロール不可なのにインデックスされている?

robots.txtでクロール不可を設定しているにも関わらず、インデックスされることがあります。なぜでしょうか?

robots.txtでクロール不可を設定しているページでも、他のページからリンクを貼られていたりすると、リンク分析が行われてインデックスされることがあります。
なので、インデックスさせたくない場合は、robots.txtではなく、noindexを使います。

インデックスを止めたい場合、クロールは止めない

Google検索のインデックスを止めたい場合、noindexだけを設定します。

よくあるミスが、robots.txtでクロール不可、noindexを設定すると、ページにnoindexを設定しても、そもそもクロールができないので、いつまで経ってもインデックスを止めることができません。

サイトマップ

サイトマップとは重要なページのリストです。
記事を更新した時に、サイトマップを送信している方は多いと思います。

サイトマップはメタデータやイメージも送信できるXMLファイルで送信することが多いです。
長山さんのセッションでは、サイトの情報を伝えるだけならば、sitemap.txt ファイルでもOKとのこと。これは知りませんでした。

canonical

同じ内容のページが複数存在する場合、canonicalを使って同じページだとGoogleに伝えることが可能です。
URLの正規化でよく使われます。

canonicalを使うことで、Googlebotにインデックスして欲しいページを伝えることができます。ただし、今のGoogleはcanonicalの指示に全て従うわけではなく、別のURLが表示されることもあるとのことです。

3. ユーザーの行動を理解する

最後は、ユーザーの行動を理解する必要があります。
よく良質なコンテンツとは何かという質問がありますが、これについて答えはないとのこと。クエリによってユーザーニーズは多様だということを頭に入れておいた方が良さそうです。

1. クエリポートフォリオを理解する

クエリポートフォリオを理解してください。

クエリポートフォリオを理解する

  • 現在流入があるクエリは何か?
  • 流入を発生させたいクエリは何か?
  • それぞれの現在の平均順位は?
  • クエリのオーディエンスは誰か?
  • 指標に特徴のあるディメンションはあるか?

2. ユーザーニーズ理解の良い循環を作る

ユーザーニーズ理解の良い循環を作るには、PDCAを回すことにつきますよね?
長山さんは、PDCAをより細かい項目に分けたOHATPAM(おはっとパン)という造語を作っていました!

OHATPAM(おはっとパン)とは?

次の頭文字を取ったものです。みなさんぜひ覚えておきましょう。

OHATPAM(おはっとパン)

  • Observation(観察)
  • Hypothesis(仮設)
  • Analysis(分析)
  • Test(検証)
  • Plan(計画)
  • Action(実行)
  • Monitoring(看視)

まとめ

Google Dance Tokyo 2018で、Googleの中の人から聞いた「SEO中級者になる方法」についてお伝えしました。

クロール・インデックス制御の「3種の神器」が使いこなせれば、あなたもSEOの中級者です。

長山さんのお話の中で重要なことを最後にお伝えします。

検索順位については、ランキングの制御をするという考え方は捨て、ユーザーにとって有益なコンテンツを作れば、ランキングは後からついてくるというお話をされていました。愛と情熱を持ってコンテンツ制作に取り組んでくださいとのことでした。

Google Dance Tokyo 2018の会場から、ウェブマスターオフィスアワーがLIVEで開催されました。会場の雰囲気も伝わリますので、興味のある方はぜひご覧ください。

※2018年11月15日に大阪で開催されたGoogle Dance Osaka 2018については、以下のページで紹介しています。