Appleはシカゴで開催された教育機関向けのイベントで、新型iPadを発表しました。
新型iPadは、廉価版にも関わらずApple Pencilが使えます。教育機関向けにiPadを普及させたいAppleの意思が表れています。
昔のAppleはeMacという教育機関向けの廉価版eMacを発売しており、アメリカの学校におけるシェアが高かったのですが、最近はChromebookにやられっぱなしですからね。
ということで今日のエントリーは、Appleが新型iPadを教育機関に売り込むために、どんなサービスを展開するのかを見ていきます。
新型iPadの特徴
まずは新型iPadの特徴から。
- Apple Pencilが使える
- Logitech Crayonも使える
- 329ドル(37800円)と安い
- A10 Fusion搭載
- 9.7インチ
- カメラ
Apple Pencilが使える
新型iPadは、従来iPad Proでしか使えなかったApple Pencilが使えます。
iPad Proは10.5インチの一番安いモデルでも69800円なので、新型iPadはおよそ半額の値段でApple Pencilが使えることになります。
Apple Pencilは10800円とちょっとお高いですけど、筆圧検出があります。
Logitech Crayonも使える
サードパーティのペンシルですが、新型Padの発表に合わせて、Logitech Crayonも発表されました。
筆圧検出はないものの、サブピクセルの高精度と低遅延、チルト検出、パームリジェクション(ペンシルで書いている際、手が画面に触れても検出しない機能)を搭載しています。で、価格は49ドルです。
ただし、今の時点ではアメリカでの発売のみで、しかも教育機関向けのみの発売とのことです。日本でも発売して欲しいし、一般向けに発売してもいいのにね。
329ドル(37800円)と安い
教育機関に売り込むという話なので、Apple Pencilが使えるにも関わらず、昨年のモデルと価格は据え置きです。329ドル(37800円)。
でもね、今1ドル105円でしょ?329ドルってことは、34545円です。
従来iPadは日本市場であまり売れていないこともあって、日本市場での価格は為替レートとほぼ同額で販売していいました。今回は3000円以上もぼったくってるとは・・
新型iPadは日本市場で、ある程度売れるという読みなんだろうね。
A10 Fusion搭載
A10 FusionはiPhone 7に搭載されているプロセッサーです。まあ今となっては速くもなく遅くもないプロセッサーですね。
iPad Proに搭載されたA10Xだと嬉しいのですが、このあたりはAppleの大人の事情なんだろうねw
9.7インチ
Retinaディスプレイを搭載しています。
解像度は、2,048 x 1,536pxなので、今までのiPadと同様です。
カメラ
- リアカメラ・・・8MP
- フロントカメラ・・・1.2MP
Appleは、iPadを教育機関に売り込むために、どんなサービスを展開するのか?
アメリカの教育機関は、Googleの提供するChromebookとGoogle for Educationが高いシェアを誇っています。
2017年3月にFuturesource Consultingが調査したデータでは、Chrome OSのシェアが58%です。iOSのシェアはわずか14%。
参考 Sales of Mobile PCs into the US K-12 Education Market Continue to Grow, As OS Battle Heats Up
Appleは現状を打破し、iPadを教育機関に売り込むために、どんなサービスを展開するのか見ていきましょう。
- 教育機関向けユーザーにはiCloudが200GBへ増量
- 教育機関向けアプリ「Classroom for Mac」が6月に配信される
- 教育機関向けのClassKitフレームワークを提供
- Schoolworkを提供
教育機関向けユーザーにはiCloudが200GBへ増量
教育機関向けユーザーには無料で使えるiCloudが200GBへ増量されます。学校が発行するApple IDが必要とのことです。
Googleが提供するGoogle for Educationに対抗していることは間違いない。でもGoogleが教育機関向けにG Suiteを容量無制限で提供していることを考えると、Appleの200GBは少ないですよね?
教育機関向けアプリ「Classroom for Mac」が6月に配信される
教育機関向けアプリ「Classroom for Mac」が6月に配信されます。
Googleにも同様のアプリケーションがあります。以前のエントリーに書きましたので興味のある方はぜひ。
Google Classroom
Classroomは時間割・授業割・学年などを管理するクラウドサービスです。教育用のGoogle Appsの一元管理が可能です。
このアプリケーションを導入することで、ペーパーレス化も実現します。いかにもGoogleらしいツールです。Google Classroom は、クラスのコミュニケーションの改善、課題や学習状況の管理、学習目標の達成のために、教師や生徒の方々の協力を得て設計されました。
教育機関向けのClassKitフレームワークを提供
教育機関向けのClassKitフレームワークを提供します。
ClassKitフレームワークは、Schoolworkと連携しているだけでなく、PagesやNumbersなどのアプリケーションとも連携しています。また、ClassKitフレームワークを活用したサードパーティのアプリと連携も可能です。
Schoolworkを提供
iOS向けアプリSchoolworkを提供します。Schoolworkを使えば、学校の先生が生徒に宿題や課題を配信したり、進捗状況を管理したりすることができます。
さいごに
以上、新型iPad登場の特徴と、教育機関に売り込むためにAppleが展開するサービスについてでした。
アメリカの教育機関では、Chromebookのシェアが58%とぶっちぎりですが、新型iPadの登場で少しは挽回できるような気がします!
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