三菱東京UFJ銀行が紙の通帳に手数料をかける案を検討しているとのことです。
紙の通帳に手数料がかかるというのは、今まで無料だったことを考えると、納得がいかない人も多いはず。
三菱東京UFJ銀行は、ネット通帳に対しては手数料をかけないようです。
でも、紙の通帳がなくなると、銀行の利用客が資産管理をする上で、確実に利便性が低くなります。通帳の場合、どこの銀行にいくらあるのかが通帳を見れば一目瞭然ですが、ネットバンキングの場合はマネーフォワードのようなサービスと連携させない限り、銀行毎の残高を見ることは出来ません。どこの銀行にいくら入っているという確認をネットバンキングでやるのは、不便極まりないのです。
今日のエントリーは、紙の通帳に手数料をかけようとしている三菱東京UFJ銀行が、どのくらいの利益を出しているのかについて考察します。
紙の通帳にかかるコスト
通帳が発行される口座に対して、銀行は毎年200円の印紙税を国税庁に払っている模様。これは知りませんでした。新規口座を開設する際、1銀行1口座以上の口座を開設しようとすると、理由を根掘り葉掘り聞いてくるのは、このためだったんだね。
紙の通帳だと印紙税は毎年200円かかるのに対して、ネット通帳だと印紙税は不要です。
先程のニュースによれば、三菱東京UFJ銀行は、年間で約77億円の印紙税を国税庁に支払っているようです。
三菱東京UFJ銀行の利益はどのくらいあるのか?
三菱東京UFJ銀行の利益を見ていきましょう。
以下の数字は、純利益です。
- 2012 年 8,526億円
- 2013年 9,848億円
- 2014年 1兆337億円
- 2015年 9,514億円
- 2016年 9,264億円
毎年1兆円近い純利益を上げています。純利益なので、人件費などの経費を差し引いただけでなく、税金の支払いも済ませた後の利益です。
三菱東京UFJ銀行の利益に対する「通帳の印紙税」の割合は?
過去5年間の割合を見ると1%以下です。
- 2012年 約0.9%
- 2013年 約0.78%
- 2014年 約0.74%
- 2015年 約0.8%
- 2016年 約0.83%
この数字を見て、銀行の利用者が紙の通帳に手数料をかけるのが妥当なのかそうでないのか判断すればいいと思います。
紙の通帳に印紙税を課さないように財務省に進言すべし
そもそも、紙の通帳に印紙税が課されなければいい話だと思いませんか?
銀行が財務省や金融庁に頭が上がらないことは百も承知ですが、利用者の利便性を考えたら、銀行は紙の通帳に印紙税を課さないように財務省に進言するべきです。
現時点で、銀行の監督官庁は金融庁だし、一昔前は大蔵省が銀行の監督官庁です。大蔵省が解体して、財務省と金融庁に分割したことを考えると、銀行から財務省に対して印紙税をやめてくれとはいいにくいのかもしれないけど、利用者に手数料を課す前に、紙の通帳に印紙税を課さないように財務省に進言するべきです。
口座維持手数料が無料になる条件
海外の銀行などは、銀行口座を持つにあたって、口座維持手数料が発生します。が、一定の条件を満たしている利用者には、口座維持手数料が無料になります。
以下の金額は一例です。
- 残高が100万円以上ある口座
- 定期預金が一定額以上ある利用者の口座
- 銀行が発行するクレジットカードの年間利用額が30万円以上
さいごに
以上、紙の通帳に手数料をかけようとしている三菱東京UFJ銀行が、どのくらいの利益を出しているのかについての考察でした。
毎年1兆円近い純利益を出している三菱東京UFJ銀行が紙の通帳に手数料をかけることに対して、僕は反対です。
みなさんはどう思いますか?
銀行最大手の三菱東京UFJ銀行が、紙の通帳に手数料を課したら、他の銀行も追従することは明白ですからね。
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