テスラがトヨタのお膝元である名古屋に直営店を出すという、テスラによるトヨタへの殴り込みが始まりました。
いよいよ黒船来航が本格化してきたという感じで、面白くなってきましたね。
テスラモーターズ ジャパンは、国内6店舗目となる直営店「テスラ名古屋」(愛知県名古屋市千種区)を6月3日にオープンする。
中部エリア初の直営店となるテスラ名古屋は、日本で展開する直営店として最大規模を誇り、新たなブランド発信拠点としての役割を担う。サービスセンターも併設され、アフターサービスにも対応する。また、事前予約を行なうことで4ドアセダン「モデル S」、SUV「モデル X」の試乗も可能という。
↓2010年よりトヨタとテスラは電気自動車の部門で提携していたのですが、これも解消した模様。
トヨタ自動車7203.Tが電気自動車(EV)メーカー、米テスラTSLA.Oの株式をすべて売却していたことが3日明らかになった。両社は2010年に資本・業務提携したが、協業は進展せず、14年にはトヨタがテスラ株式を一部売却。トヨタによると、残りの株式も16年末までにすべて市場で売却したという。
トヨタとテスラの力関係は変わった
2010年にトヨタとテスラが提携を発表した当時は、テスラが生産する電気自動車は年間1万台にも届きませんでした。
これに対して、2010年のトヨタの生産台数は、グループ全体だと約855万台あります。内訳はトヨタ自動車分が762万台、ダイハツが82万台、日野が11万台です。この数字は、ほとんどがガソリン車かハイブリッド車になるとはいえ、トヨタはテスラと比較すると桁違いの規模なことが分かります。
先日のエントリーに書きましたが、日本における電気自動車の保有台数ってメチャ少ないんですよね。
電気自動車の保有台数の推移
2012年から増えていますが、まだまだ自動車全体から見ると、シェアは少ないです。
- 2007年・・・234台
- 2008年・・・204台
- 2009年・・・186台
- 2010年・・・141台
- 2011年・・・4,637台
- 2012年・・・13,267台
- 2013年・・・24,984台
- 2014年・・・38,796台
- 2015年・・・52,641台
- 2016年・・・62,136台
ちなみにテスラによる電気自動車の生産台数は、2010年は1万台以下の生産台数だったのが、2016年には7万台を生産するまでに成長しました。
2016年の日本における電気自動車の保有台数は62,136台なので、いかにテスラの生産する電気自動車の数が多いかが分かると思います。
トヨタとテスラの電気自動車における力関係は、2010年と2016年とでは大きく変わったといえますね。
名古屋でテスラは売れるのか?
名古屋はトヨタの販売網が強固なことで有名です。ま、トヨタのお膝元なので当たり前といえば当たり前ですが。
今までテスラは東京や大阪で直営店を展開していましたが、今回、6店舗目にして初の名古屋ですからね。ある程度勝算があってのことだと思いますよ。
名古屋はメルセデスやBMWなどの外車が多い地域でもありますからね。
わたくしの勝手な予想ですが、名古屋でテスラは結構売れると思います。
テスラを購入する層ってどんな人?
テスラを購入する層は、ネットに精通してるイノベーターやアーリーアダプターが多いのが特徴です。
例えば、川上量生さんとか夏野剛さんはテスラのユーザーですよね?
テスラを車としてみているのではなく、ガジェットとして見ているという感じが強くします。
夏野さんは、インタビューを見ると、テスラ褒めちぎってますもん。
レイトマジョリティー以下の層は?
小金持ってるけどITのことはよく分からんというレイトマジョリティー以下の層は、テスラではなく、メルセデス・BMW・レクサスを購入します。
とはいえ、Model 3が登場して、プリウスと対して値段が変わらないという事実にみんなが気がつくと、電気自動車の普及は進むと思います。
Model 3 で流れは変わるはず
2017年中にテスラのModel 3がリリースされる予定です。
3万5000ドルで発売されるという話なので、日本だったら400万円を切ることは確実です。しかもCEV補助金が支給されたり、自動車税、自動車取得税、重量税が減額されることになるので、実質300万円くらいになるんじゃないかな?
このくらいの価格帯になれば、Model 3が普及することは間違いない。
だって、プリウスPHVが326万円〜422万円という価格帯なので、誰が考えてもModel 3の方がよくね?Model 3の方が全然お洒落だし!
まあ保守的な人がプリウスPHVを購入するということを考慮に入れても、十分バッティングすると思いますよ。
トヨタは水素自動車という呪縛から目を覚ますべし
トヨタのお膝元の名古屋で、電気自動車がガンガン走ることで、トヨタは水素自動車の呪縛から目を覚ますはずです。
水素自動車は参入障壁が高すぎるから、トヨタなどの大手自動車メーカー以外開発できないことは誰でも分かっています。
そんなことは百も承知で、トヨタは水素自動車を開発しているわけでしょ?
超保守的な自動車業界が、テスラという黒船の来航によって、どうなっていくのでしょうか?
テスラのトヨタへの殴り込みが、どんな展開になっていくのか楽しみです。
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