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新型プリウスPHVの車載太陽光パネルは、補機バッテリーにしか充電されない件

電気自動車

トヨタが新型プリウスPHVを発表しました。

新型プリウスPHVの特徴は、「ダブルバブルウインドゥ」「車載太陽光パネル」だそうです。

バックドアのガラスを支えるフレームはCFRP(炭素繊維強化樹脂)製。レクサスブランドの高級車種「レクサスLFA」で採用した軽量化技術で、トヨタブランドとしては初めて搭載した。中央のくぼみは走行時の風の通り道となるため空気抵抗を低減でき、燃費向上につなげられる。

新型プリウスPHVの搭載技術で印象的なのが、「S」と「Sナビパッケージ」のみのオプションとして採用した太陽光パネルのルーフだ。ルーフと同じくらいの大きさのパナソニック製パネルをルーフ上に載せ、旭硝子製の透明な強化樹脂で覆った。透明であるため、太陽光パネルに刻まれた幾何学的な電子回路を外から見ることができる。

「量産車に太陽光パネルを積んだのは世界初」(内山田会長)といい、これも新型プリウスPHVを特徴づける。ちなみに、この仕組みを搭載すると車体の重さが9㎏増えるが、前述したCFRP部品の採用などで軽量化を図っている。CFRP部品は通常の部品に比べて「重さを4割削減した」

トヨタの答え「次はPHV」

「ダブルバブルウインドゥ」とありますが、ファミリーカーのプリウスで、このようなニーズはあるのでしょうか?

ダブルバブルウインドゥ

「車載太陽光パネル」については、一見良さそうなのですが、補機バッテリーにしか充電されない仕様のようです。

車載太陽光パネル

新型プリウスPHV

新型プリウスPHVに車載された「車載太陽光パネル」は、量産車では世界初とのことです。

でもね、「車載太陽光パネル」で充電された電気で、プリウスが走るわけじゃないんですね。今回、新型プリウスPHVに車載された「車載太陽光パネル」で充電されるのは、補機バッテリーだけですから。

補機バッテリーと駆動用バッテリー

FCVのバッテリーは、補機バッテリーと駆動用バッテリーの2つが車に積んであります。

補機バッテリー

補機バッテリーとは、「オーディオ系統」「ライト」「一般電装品」に使うバッテリーです。なのでバッテリー容量は非常に小さいです。

補機バッテリーがどのように充電されるのかというと、駆動用バッテリー・ブレーキ・エンジンの発電によって充電されるのです。

トヨタに確認したところ、新型プリウスPHVでは、「車載太陽光パネル」から補機バッテリーへ充電されることで、駆動用バッテリーの負担が減るとのことです。具体的にどのくらい走行距離が伸びるのか確認しましたが、社内でのデータはないようです。

ぶっちゃけ、「車載太陽光パネル」で補機バッテリーに充電しても、走行距離が伸びるとは思えませんけどね。

子供だましな感じで残念です。

駆動用バッテリー

駆動用バッテリーとは、その名の通り、EV走行の際に使うバッテリーです。なので、バッテリー容量は、補機バッテリーとは比較にならないほど大きいです。

太陽光パネルを車載するなら、駆動用バッテリーに充電すべし

走行しながら、駆動用バッテリーに充電できるのが理想的です。

EVのデメリットは、走行中にバッテリーが切れてしまった時に、走行できなくなることだからね。車載太陽光パネルで、駆動用のバッテリー切れを解消できるなら素晴らしい。

今後、車載太陽光パネルの性能が上がることは間違いないです。そうすると、車載された太陽光パネルで、駆動用バッテリーを充電できるようになることは間違いないです。

そうしたら、PHVなんて必要ないし、電気自動車で完結する世の中になると思いますけどね。

ZEV規制の対策としてのPHV

プリウスPHVってZEV規制の対策な感じしませんか?

2018年以降はHV(ハイブリッド)は、ZEVの対象外になりますからね。

ZEV規制とは

ZEV(Zero Emission Vehicle)とは、電気自動車や燃料電池車などの排出ガスを一切出さない車を指します。

カリフォルニア州のZEV規制とは、州内で年6万台以上の自動車を販売するメーカーは、14%をZEVにしなければならないというものです。クライスラー、フォード、GM、トヨタ、ホンダ、日産の6社が対象となります。

電気自動車や燃料電池車のみで規制をクリアするこということではなく、プラグインハイブリッドカー、ハイブリッドカー、天然ガス車、排ガスが極めてクリーンな車両などを組み入れることも許されています。

2018年以降は、販売比率が18%になるとともに、BMW、ダイムラー、マツダ、フォルクスワーゲン、現代、起亜も対象となる予定です。また2018年以降はHVはZEVの対象外となる見通しです。PHVは引き続き対象です。

ZEV規制をクリアできないと

ZEV比率を達成できないメーカーは、次のどちらかの選択肢しかありません。

  • 州へ罰金を払う
  • ZEVを販売する他の自動車メーカーから「排出枠」(クレジット)を購入する

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トヨタがEVに移行したくない理由

自動車メーカーへの高い参入障壁を維持したいことは間違いない。

トヨタの技術を持ってすれば、EVの量産は、簡単にできますから。

結局、自動車メーカーのアドバンテージとは、ガソリンエンジンに対する技術力ですからね。トヨタがPHVやFCVを開発しているのは、わざとEVへの移行を遅らせているだけにしか見えないんですよね。

PHVやFCVを作り続ける限り、トヨタのアドバンテージは維持できて、自動車産業への参入障壁を今までのように高くすることが可能ですからね。

でもね、トヨタのような非常に高い技術力を持っている自動車メーカーが、テクノロジーの出し惜しみをするのって、社会的損失が大きいと思いませんか?

EVになったら自動車の価格は暴落

EVになったらバッテリーとモーターがあればいいので、参入障壁が非常に低く、誰でも簡単に参入できます。

そうなると、EVの価格が安くなることは間違いないですね。10年後には、50万円くらいで、ミドルレンジの車種が替えるようになるはず。

まとめ

今回の車載太陽光パネルには非常にがっかりしました。

車載太陽光パネルは、補機バッテリにしか充電できないということなので、実際の走行距離が伸びることには貢献しないだろうね。

近い将来、テスラから駆動用バッテリーに充電できる「車載太陽光パネル」を搭載した自動車が発売されることを願っています!

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