以前から参入を表明していましたが、ついに「ZOZOTOWN」がフリマ業界へ参入します。
実際の運営は、グループ会社のブラケットが行います。
「ZOZOTOWN」の母体であるスタートトゥデイは、2013年7月にオンラインストア作成サービス「STORES.jp」を提供するブラケットを子会社化してますから、フリマのノウハウもかなりあるはず。
拡大するフリマ市場
最後発での登場になりますが、衣料品のフリマ需要はかなり大きいです。
だって、フリマアプリのメルカリでは、ターゲットとなる層はユーザーの半数以上が20~30代の女性、衣料品が取引点数の4割を占めますからね。
フリマを利用するユーザー数を見てみましょう。
ニールセンの調査によると、2015年8月のオークション・フリマのユーザー数はヤフオク1589万人、次いでメルカリ567万人(アプリとブラウザの合計数)。
スマホのアプリだけだと、2015年11月時点でメルカリがヤフオクを抜いたそうです。あのヤフオクを抜くとはすごい。
今見てきたように、CtoCのフリマは急成長を遂げています。特にヤフオクのスマホシフトはうまく進んでいません。ZOZOは最後のチャンスとばかりに、このタイミングでの参入なのでしょう。
結局、ヤフオクがアプリでメルカリに勝てないのは、出品の手間なのです。もっと使い勝手の良いアプリでないと、CtoCでは利用されません。まあヤフオクの場合、業者も入っているのでBtoCの比率も高いんですけどね。
「ZOZOフリマ」は出品が数秒で完結
「ZOZOTOWN」「WEAR」とのデータ連携により、出品が非常に簡単です。
「ZOZOフリマ」「ZOZOTOWN」「WEAR」のIDが連携するため、過去に「ZOZOTOWN」で購入した洋服や、「WEAR」でクローゼットに登録した洋服なら、「ZOZOTOWN」が保有する10年分のデータを活用できます。データベースの一覧から洋服を選択するだけで出品が可能なので、あとはサイズを指定するだけで出品手続きが完了。
しかも、2次流通の市場データを元に最適な金額も自動で入ります。
これはめちゃ便利です。流行りそう。
フリマのデメリットを克服
「ZOZOTOWN」のデータベースを活用できるので、ネットで洋服を売買する際のデメリットが克服されます。
今までの出品者側と落札者側のデメリットを見てみると、
- 出品者にとって一番面倒なのは、出品する際に洋服を採寸して商品説明を書くことです。洋服は引っ張れば伸びるので、測り方によって誤差は出るから、クレームになることも多いし。
- 落札者側から見ると、同じ商品でも出品者によって情報が異なるので、どの採寸データが正しいのかよくわからない。混乱するんですよね。出品している商品の詳細や情報整理ができるので、ユーザーの利便性は格段に向上します。
匿名で売買する「あんしん配送」
有料オプションになりますが、お互いの住所や氏名を知らせずに匿名で取引できます。こういう需要ってこれから増えてきそうです。
ヤフオクの「かんたん取引」よりも進んでいますね。ヤフオクだとお互いの情報は開示されます。
手数料は?
売買時に出品者が10%の手数料。売上の振り込みに250円。
メルカリの手数料10%というのが一つの目安になっています。
ヤフオクの手数料は以前は3%。5%に上がって、今は8%とどんどん上がっています。
ZOZO経済圏
このモデルは、魅力的な経済圏を構築して利用者を囲い込むことが、今後の成長を左右します。
ZOZOでは、大きく3つの経済圏が想定されています。
ZOZOの各サービスとの連携
中古品から新品への動線を引いたところが素晴らしい。
「ZOZOフリマ」「ZOZOTOWN」「ZOZOUSED」などのサービスの動線を繋ぐためのツールとして「WEAR」コーディネートアプリもありますからね。「WEAR」と連携するのでショッピングが楽しくなるのもポイント。
いらなくなった古着を出品して、「ZOZOTOWN」で新品を購入する。飽きたらフリマに出品して、また新しい服を購入といったユーザーの囲い込みができますからね。
出品が面倒な人向けの、ブランド古着買取サービスもあります。これならダンボールに詰めて送るだけ。
メルカリのようにフリマ単体でのサービスではないのです。
死角なしのサービス展開にみえますよね。
ZOZOポイント
売上金は現金以外にZOZOポイントでの受け取りも可能。その場合は現金より5%多く受け取れます。
仮想通貨を導入すると経済圏は広がります。
フィンテックとの連携
決済はZOZOを通じて行われるため、ZOZOには潤沢なキャッシュが積み上がります。
ZOZOから引き出す際、手数料が250円かかるので、売上がある程度溜まってから引き出すことになります。
メルカリと同じビジネスモデルです。メルカリでは、1万円以下の現金を引き出す場合、手数料が210円かかります。なので1万円を超えてから引き出す人が多いのです。早く引き出したいから、せっせと出品するだろうしね。よく考えられたビジネスモデルです。
潤沢なキャッシュ
この潤沢なキャッシュを回す経済圏が出てくるはず。時にフィンテックとの相性はいいですよね。
先日のエントリーで、MF会計やFreeeなどのクラウド会計では与信機能ができるので、マッチングサービスが行われるという話をしました。
潤沢な資金を持っているZOZOやメルカリと、資金供給が必要な会社とのマッチングがされるのです。
今後のフリマアプリ
ZOZO、メルカリ、ヤフオクなどのプラットフォームでは、経済圏の確立とユーザーの囲い込みが今以上に進んでいきます。
すでにヤフオクでも、スマホなどの売買では「代金支払い管理サービス」が導入されています。
この取引では「Yahoo!かんたん決済」での決済しか選択できないし、落札者が「受け取り連絡ボタン」を押すまでは、「Yahoo!かんたん決済」で一時的にお金を預かるという仕組みになっていますからね。
今後、すべての取引に導入されるかもしれません。
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