ついにメタップスがマザーズへ8月28日に上場します。
メタップスの新しいサービスが出るたびに、ブログでサービスをご紹介しました。
2014年2月にhoriemon.comで堀江貴文氏と佐藤航陽さんの対談を読んでから、メタップス佐藤航陽氏の存在を知りました。
エスタブリッシュメントに立ち向かっていく姿が、2人は良く似てるなと思っていたのですが、改めて2人の軌跡をまとめてみると、本当によく似てます。
事業展開における2人の共通点
- 大学中退で起業
- 初期投資がかからない分野で起業→
- 広告事業を展開
- 金融事業を展開
- 上場
上場後の株式保有率
創業者は上場後も株式保有率が高いです。
比較のためSoftbank、楽天、Cyber Agentも入れました。
- メタップス 佐藤航陽氏 37.27%(1株3300円として148.5億円の資産)
- 元ライブドア 堀江貴文氏 40%以上(ピーク時)ニッポン放送買収時に20%程度に低下
- Softbank 孫 正義氏 19.26%
- 楽天 三木谷浩史氏 40.3%(個人資産管理会社と三木谷家の株の合算)
- Cyber Agent 藤田晋氏 21.41%
メタップスの主な株主は以下のとおり
メタップスと堀江貴文氏の人脈
共通点が多いです。
竹中平蔵氏 堀江氏と共著もあります。2005年の堀江氏の選挙の時は応援に入ってました。
元米Apple Computer 前刀禎明氏 メタップス経営顧問に就任。ライブドアの生みの親です。
美人広報担当の類似性
広報の女の子をスター化する戦略も似ています。
広報PRって、発想一つで数億円生み出せる価値がありますからね。
ライブドア
ライブドアの広報といえば乙部綾子氏ですよね。大阪近鉄バファローズの買収騒動ではよくテレビで見かけました。
メタップス
広報担当は、鈴木聡子氏です。2015年7月にネットで話題になりました。
佐藤航陽氏の軌跡
早稲田大学中退後、「イーファクター株式会社」という社名で起業し、SEOを中心としたマーケティングコンサルティングサービスを提供。
4年後にリワード広告事業へ参入し、アプリ収益化プラットフォーム「metaps」のサービス提供。
その3年後に金融事業へ足を入れる(起業から7年後)。
起業から8年後に東京証券取引所マザーズ市場に上場予定です。
2007年9月「イーファクター株式会社」を設立
SEOを中心としたマーケティングコンサルティングサービスを提供
2011年 アプリ収益化プラットフォーム「metaps」のサービス提供を開始
2011年12月「株式会社メタップス」へ社名変更。
2014年4月 オンライン決済プラットフォーム「SPIKE」の提供を開始
2015年2月 シリーズCで調達した金額は総額43億円
2015年8月 東京証券取引所マザーズ市場に上場予定
堀江貴文氏の軌跡
東京大学中退後、サイト制作会社を起業し、2年後に広告事業へ参入。
4年後に東京証券取引所マザーズ市場に上場。上場まで4年とメタップス佐藤さんより早いですが、当時はITバブルがありましたからね。
上場後、金融事業へ参入して、時価総額をあげます。
1996年ウェブサイトの制作請負を手がけるベンチャー企業「有限会社オン・ザ・エッヂ」を設立
小室哲哉やglobe等のオフィシャルサイト製作で一躍ウェブ業界ではオン・ザ・エッヂの名を轟かせる。
1998年9月 インターネット広告事業、サイバークリックを開始。
2000年4月 東京証券取引所マザーズ市場に上場。
2004年2月 『株式会社ライブドア』に社名変更。
2004年6月 プロ野球球団大阪近鉄バファローズを買収したい旨の意思を表明
2005年2月8日 『ニッポン放送』の発行済み株式の35%を取得。
2005年5月23日 『ニッポン放送』の株式を32.4%保有する『ライブドア・パートナーズ』を『フジテレビ』に売却。
2005年12月5日 – 経団連に入会承認される。
2006年1月16日〜23日 「ライブドア・ショック」勃発。証券取引法違反の容疑による家宅捜査、堀江貴文代表取締役が逮捕される。
2006年4月14日 – ライブドアの株式が上場廃止。
ライブドア、メタップス共に金融サービスを展開
利益を生む金融事業
ライブドアは2004年の社名変更以降、急速にたくさんの金融事業会社を買収し、展開していきました。
金融サービスの展開まで、起業から8年かかりました。
子会社のライブドア証券(現 かざか証券)による金融サービスおよび投資銀行業務は、グループ内において当時最も採算性の良い部門と言われていた。ライブドアというとネット広告・ポータルサイトというイメージが強かったが、実際には当部門が連結売上高の約68%を占めていた(2005年9月期)。
メタップスとの類似性
金融サービス「SPIKE」は起業して7年後にサービスを開始しました。
ライブドアが金融サービスを始めた2004年と比べると、世界的に見た金融サービスもITテクノロジーも違うので一概に比較することは出来ませんが、堀江氏と佐藤氏の貨幣に対する考え方は非常によく似ています。
貨幣に対する考え方の類似性
株を分割して貨幣を代替したかったライブドア
以前堀江氏は、ライブドア株を分割して、スーパーでライブドア株を流通させたいというお話をしていました。
作家の佐藤優氏の、堀江氏との対談の感想をご紹介します。
ライブドア株を100分割どころか、1万分割、10万分割していけば、やがてライブドア株で大根が買えるようになる。ライブドアの株主同士は、ライブドアの株券を貨幣代わりに使うことができる。これは一種の「物々交換」だから、現行の税法では消費税を払う必要はない。この発想を国家は認めることができません。なぜなら、国家から見れば堀江さんがやろうとしたことは、偽金つくり、私造通貨発行に他ならないからです。これを本当に実現すれば国家という制度は内側から崩壊しかねません。堀江さんの言説や行動の論理連関を追及すると、新自由主義には、国家の内側から革命を志向するような動きが内包されているということが分かります。 (『月刊日本』平成一九年五月号)
「SPIKE経済圏」で貨幣を代替するメタップス
「SPIKE」は、「SPIKE決済サービス」「SPIKEコイン」「SPIKEマーケット」を核に経済圏を確立しています。
今後これ以外の金融サービスも入ってくると予想されますが、核となるサービスはこの3つです。
これが確立されると、貨幣というものの価値が根本的に変わってくると思います。
貨幣はバーチャルなもの
堀江氏、佐藤氏ともに貨幣をバーチャルなものとして捉えているところが似ています。
貨幣がバーチャルなので、「貨幣の代わりに使えるサービス」を次から次へと作ることが出来るのです。
貨幣をクラウドに上げるといった発想もよく似ています。
バーチャルな貨幣の次を見据えるメタップス
「テクノロジーでお金の在り方を変える」というミッション
メタップスは、EC事業者の利便性向上に繋がるサービスを提供していくとともに、「テクノロジーでお金の在り方を変える」というミッションを掲げています。
特に中小事業者や個人事業主のビジネス環境の向上に繋がるお金に関わる幅広いサービスを、今後も展開していくことが予想されます。
法人の取引をオンラインでモニタリング
海外では、請求書は紙かPDFで送る代わりに、オンライン上で管理画面のダッシュボードで承認するような仕組みが増えてきました。
海外に「トレードシフト」という会社があり、こういったシステムを構築しています。
メタップスも今後このようなシステムを作っていくと思います。今の「SPIKE」の管理画面を発展させれば、すぐにでも出来ますからね。
与信管理を行うと法人へ融資が出来る
取引を全部オンラインでモニタリングできると、与信管理が出来るようになります。
メタップスが、ネット上での与信管理システムを構築すれば、オンラインで法人が必要な金額を把握できるようになります。
バーチャル化する現存の貨幣
「SPIKE決済サービス」「SPIKEコイン」「SPIKEマーケット」間で、流通する仮想通貨の規模が大きくなると「SPIKE経済圏」が確立されます。この場合「SPIKEコイン」が貨幣と同じ価値を持つことになり、現存する貨幣がバーチャルなものになります。
「SPIKE経済圏」が広がれば、メタップスが、中小企業向けの金融領域を銀行に代わって行うことができます。「SPIKEコイン」を使って貸付業務をするという事業展開も期待できるのです。リアルの世界に現金を持ってくる必要がなくなります。
メタップス 佐藤航陽氏への期待
メタップスの佐藤氏には堀江貴文氏の轍を踏まずに、更に新しい金融サービスを展開していってもらいたいです。
今後の奮闘を期待しています。
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