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日本政府の自動運転プロジェクトは、絶対に失敗するね・・

自動運転

政府が2020年の東京オリンピックに向けて、自動運転を導入のためのプロジェクトを開始しました。

大手企業が参加して3Dマップを制作する会社を立ち上げましたが、利権の匂いがものすごくします・・

まずはニュースを見てみましょう。

2020年の夏季オリンピック開催を控える東京では、政府や各業界のリーダーらが自動運転車の導入に向けて準備を進めている。

日本経済新聞の英字版Nikkei Asianの報道によると今月、日本の自動車テクノロジーの主要企業らが結集し、自動運転の導入に向けた3Dマップの制作を開始したという。このプロジェクトには2020年までに自動運転を実現したい日本政府も手を貸しており、自動運転車の安全な走行に必要となる、静的及び動的な情報を統合したマルチレイヤーのマップの構築を進めている。

このプロジェクトでは日本の内閣府が主導の「戦略的イノベーション創造プログラム」の一貫として、東京に本拠を置くダイナミックマップ・プランニング(以下、ダイナミック社)が地図製作を担当する。このマップには道路のカーブの位置や通行可能な車両の高さ、車線規制等の情報等の詳細な情報が集約され、その精度は従来の地図の20倍に及ぶとジャパンタイムズは伝えている。

東京五輪までに自動運転実現 内閣府主導の大型プロジェクトが始動

このニュースに出てくるダイナミックマップ・プランニングって初めて聞く名前なので、どんな会社なのか調べてみました。

ダイナミックマップ・プランニングとは?

2016年6月に設立されました。

どうやら官民一体になった会社のようです。主な業務内容は、自動運転車・安全支援システムの実現に必要な「3Dマップの整備や運用」です。

三菱電機株式会社、株式会社ゼンリン、株式会社パスコ、アイサンテクノロジー株式会社、 インクリメント・ピー株式会社、株式会社トヨタマップマスターの 6 社は、いすゞ自動車 株式会社、スズキ株式会社、トヨタ自動車株式会社、日産自動車株式会社、日野自動車株式会社、富士重工業株式会社、本田技研工業株式会社、マツダ株式会社、三菱自動車工業株式会社とともに、「ダイナミックマップ基盤企画株式会社」を設立し、自動走行・安全運転支援システムの実現に必要となる高精度 3 次元地図等(ダイナミックマップ協調領域)の整備や実証、運用に向けた検討を進める事に合意しました。設立は今年 6 月を予定しています。

6 社は、「ダイナミックマップ構築検討コンソーシアム」として、内閣府の委託業務「戦略的イノベーション創造プログラム(SIP)自動走行システム」の検討課題のひとつである「ダイナミックマップ構築に向けた試作・評価に係る調査検討」を受託する等、「ダイナミックマップ協調領域」の仕様などについて検討を進めてきました。

「ダイナミックマップ基盤企画株式会社」設立のお知らせ

資本金3億円の内訳を見て見ると、

出資比率:
三菱電機株式会社 18%、株式会社ゼンリン 17%、株式会社パスコ 17%、アイサンテクノロジー株式会社 6%、インクリメント・ピー株式会社 6%、株式会社トヨタマップマスター6%、いすゞ自動車株式会社 3.3%、スズキ株式会社 3.3%、トヨタ自動車株式会社 3.3%、日産自動車株式会社 3.3%、日野自動車株式会社 3.3%、富士重工業株式会社 3.3%、本田技研工業株式会社 3.3%、マツダ株式会社 3.3%、三菱自動車工業株式会社 3.3%

代表取締役は、出資比率が一番高い三菱電機株式会社から派遣される模様。

これって新しい利権が生まれるだけな感じがしませんか?

ちなみに、聞いたことのない会社もあると思うので説明します。ゼンリンは知ってると思うけど一応・・

  • 株式会社ゼンリンは、日本最大の地図制作会社です。Googleマップに地図情報を提供しています。
  • 株式会社パスコは、航空測量を行う会社で、GPSや空間情報のサービスも展開しています。
  • アイサンテクノロジー株式会社は、測量や土木関連のソフトウェアを開発しており、3D空間情報も取り扱う会社です。
  • インクリメント・ピー株式会社は、ゼンリン同様、地図制作を行う企業で、MapFanをブランドの地図やナビを提供しています。

IT企業がいない・・

Googleやテスラの参加は難しいとしても、国内のIT企業が1社も参加してないって、違和感ありますよね?

ソフトバンク、DeNA、docomoなどが、自動運転に参入してるんだから、一緒に開発すればいいのに。

DeNA、自動運転バス「ロボット・シャトル」を発表 – 千葉で試験運用開始へ

自動運転に力を入れるDeNAとドコモ、その狙いは?

DeNAが展開するRobot Taxi

Robot Taxiとは、自動運転のタクシーです。

わたくしの住んでる藤沢市で実証実験が行われています。

自動運転車の仕組み

自動運転車が、どのような仕組みで自動運転しているのかおさらいしましょう。

以前のエントリーから引用します。

グーグルカーの実用化はいつ?
Googleの自動運転車プロジェクトは2010年の開始から6年が経ち、約190万キロメートルの走行距離を突破しました。グーグルカーは日常の運転において、道路で発生するほとんどの問題に対応が可能です。 グーグルカーがどんな仕組みで自動運転して...

グーグルカーは、車両上部に搭載されたセンサーやカメラを使って制御しています。64個のビームレーザーを搭載し、車の周りの詳細な3Dマップを作ります。3DマップとGoogleの高解像度マップとを照らし合わせて、自動運転を制御するシステムになっているのです。

自動運転のキモは

「センサー」と「制御装置」と「AI」です。

日本政府が2020年までに導入しようとする自動運転タクシーは、レベル4の自動運転です。レベル4の自動運転車は、完全自動運転なので、緊急時も含めて、加速・操舵・制動の運転の3要素が完全自動化されるのです。

例えば、障害物があって回避する場合、「センサー」からの情報を元に、「制御装置」で自動運転車を制御します。でも、誤認識や誤動作が起こることも十分考えられます。その場合、「AI」が誤認識や誤動作を検知して、正しい判断を下すことになるのです。

「地図精度」はどこまで重要なのか?

今回の日本政府のプロジェクトは、実際の「地図精度」を従来に20倍に上げるというものです。
でもね、「地図精度」だけ上げても、自動運転の能力は上がらないのです。「地図精度」は、「制御装置」と「AI」の判断材料の1つにすぎませんからね。

自動運転の精度を上げるには

「制御装置」と「AI」の能力を上げることが重要です。この部分は、自動車メーカー各社が、それぞれ開発することなるはず。でないと、自動車メーカーの存続意義が無いですからね。

でも、「制御装置」と「AI」の分野は、GoogleやテスラなどのIT企業が得意とするところですよね。自動車メーカーが単独で開発するより、IT企業と組んだ方が、自動運転の精度は上がると思います。

↓ちなみに、トヨタはAIの研究所をシリコンバレーに作っています。

人工知能研究新会社Toyota Research Institute, Inc.(TRI)の体制および進捗状況を公表

Googleから引き抜かれた方もいるようです。

クリス・アームソン氏は、グーグルの自動運転車プロジェクトの技術チーフだったが、その彼が今月初めに他のベテラン2人を連れて会社を去った。

人材流出が止まらぬグーグル自動運転車プロジェクト、何が起きてるのか?

政府主導の自動運転プロジェクトは失敗しそう

内閣府の委託業務をこなしながら官民一体で、3Dマップ制作を進めていくって、絶対にうまくいきませんって。

結局税金を投入することになるし、代表取締役はおそらく持ち回りだろうし、何も新しいことはできずに、このプロジェクトは終わるような気がしませんか?

各自動車メーカーは、自社の自動運転の制御装置に最適化した3Dマップの開発をしたいはず。でも、自社の制御装置の情報は外へは出したくありません。となると、3Dマップの開発に自動車メーカー各社が力を合わせるとは思えないのです。

このプロジェクトを横目に、グーグルカーの開発はどんどん進んでいきます。こういうプロジェクトは、強いリーダーシップのもと、1社で秘密主義的にやっていかないと、絶対にうまくいかないのです。

ガラパゴスな3Dマップを作って、しかも性能はめちゃいいんだけど、Googleなどの黒船に全部自動運転のプラットフォームを持っていかれたなんてことにならないようにして欲しいです。

意外と知らない電気自動車!今後のグーグルカーの進む道
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