eコマースの市場は通販需要の高まりとともに急成長しています。特に、BtoCのEC市場の規模は顕著です。
経済産業省が「平成26 年度我が国経済社会の情報化・サービス化に係る基盤整備( 電子商取引に関する市場調査)」にてデータを発表しているので、見てみます。
- 2013年からの1年間で、約14.6%増です。
- 2010年と2014年を較べると、約64.3%増です。
2014 年の BtoC-EC 市場規模は、12兆7,970 億円(前年比 14.6%増)に。EC化率は、4.37%(対 前年比 0.52ポイント増)。※EC 化率は物販分野を対象
内訳は、「A. 物販系分野」が6兆8,043億円、「B. サービス分野」が4兆4,816億円、「C. デジタル分野」が 1兆5,111 億円となった。各分野の伸び率を見てみると、物販系分野が13.5%、サービス分野が10.1%に対し、デジタル系は37.1%であり伸び率が顕著である。
BtoC-EC市場だけをとっても、現在約11兆円(2013年)の市場規模が2020年には約20兆円に倍増する見込みだ。EC市場全体の今後の変貌を占ってみた。
経済産業省が今年8月に発表した『電子商取引に関する市場調査』によると、2013年の日本のBtoC-EC市場は前年比17.4%増の11兆1660億円に成長し、全商取引に占めるEC化率は3.67%だった。この市場規模が今後どの程度まで成長するかが注目だ。
毎年10万店が新規出店、ネット通販の低い参入障壁
上記のデータを見たら、店舗ビジネスを行っている小売店では、ネットで事業展開していこうと考えるのは普通ですよね。
市場規模は確実に拡大しているので、ネットショップは毎年10万店が新規出店するといわれています。
価格.comや、楽天などのショッピングモールへの出店
自社でECサイトを構築できるというケースを除いて、価格.comや、楽天などのショッピングモールへ出店するというのが一番手っ取り早いです。
特に楽天などのアウトバウンドの営業が強い会社は、ガンガン来ますからね。
EC-CUBEなどでECサイトの構築を外部制作会社へ依頼したら、200~300万円は最低でもかかるので、20~30万円で楽天などのショッピングモールへの出店というのは、出店者にとっても価格のメリットがあります。
利益の出ないショッピングモールへの出店
しかし、参入障壁も低くお金さえ出せば誰でも出来るビジネスモデルなので、他には無い商品をネットショップで展開している場合を除き、家電など希少性の低い商品を展開をしているネットショップでは、100%価格の叩き合いになります。
売上は立派でも、まったく利益が出ないというのがこのモデルに属します。
ショッピングモールは数字を公表しませんが、撤退の数も相当あるでしょう。
特に、価格.comへ出店しているネット通販は、特に家電カテゴリーの商品を展開しているショップは毎年かなりの数撤退しているようです。
鵜飼モデルのショッピングモール
- 楽天
- Yahoo!ショッピング
- Amazon
- ポンパレモール
鵜飼モデルです。始めは手数料を安く設定して徹底的に顧客を囲い込み、競合を潰してサービスに依存して抜けられなくなった後、値上げをしていきます。タップリと搾り取られます。
楽天は売上の10%くらいは持って行かれます。元々の利益率が20%だとすると、利益の50%が楽天税ということになります。
元々の利益率が10%だと、利益は1円も出ず、楽天のためにネットショップを運営していることになりますよね。
出品手数料が無料となったYahoo!ショッピングでも、アフィリエイト等がかかるので2.5%くらいです。
脱ショッピングモールを図る
今まで見てきたように、利益率が20%以下の場合はショッピングモールへ出店しても全く利益が出ません。
鵜飼モデルで搾り取られないためには、ショッピングモールからの売上比率を減らして、脱ショッピングモールを図らなければなりません。
成功するECサイト
自社ドメインにECサイトを構築する
自社ドメインにネットショップを構築した場合、どこで集客を図るかということがを真っ先に考える必要があります。
- SEOでサイト流入を増加させる
- SNSで拡散して、サイトへのアクセスを増やす
- 口コミで集客
サイトのコンテンツを増やす
自社サイトで集客を図ると言っても、何もしなければ、砂漠の中に自販機を置くようなものです。誰も見に来てくれません。
商品のコンテンツ増やし、商品展開を自社サイトで展開して、検索からの流入を増やします。
検索からの流入が増えればGoogleの評価は上がるので、更に検索流入が増えるという相互作用が働きます。
これまでのネットショップの構築方法
自社サイトでECサイトを構築すると言っても、プログラム言語がわからないと構築できませんでした。
ショッピングカートASPを自社サイトに組み込んで、ネットショップを構築します。
- EC-CUBE + ショッピングカートASP
セキュリティーもしっかりしなければならず、EC-CUBEなどでECサイトの構築を外部制作会社へ依頼したら、200~300万円は最低でもかかります。
毎月の保守管理費も3~5万円/月程度です。
ショッピングカートASP
ネットショップは、普通のサイトとの違い、
「お客さんが商品を選んで、カートに入れて、決済する」という手順があり、この仕組みを提供するのが、ショッピングカートASPになります。
Wikipediaより
アプリケーションサービスプロバイダ(英語: Application Service Provider、ASP)とは、アプリケーションソフト等のサービス(機能)をネットワーク経由で提供するプロバイダ(= provide 提供する 事業者・人・仕組み 等全般)のこと。広義にはこうした仕組みのソフトウェア提供形態やビジネスモデルまでも指す。
ASPはアプリケーションソフトの機能をネットワーク経由で顧客にサービスとして提供することであり、それを行っている事業者である。通常、利用者はブラウザソフトなどを使用してインターネットなどのネットワークを経由し、遠隔地からASPのサーバにアクセスすることで、そのサーバ内に格納された各種アプリケーションソフトの機能をサービスの形で利用する。
今後おすすめのネットショップの構築方法
メタップス「SPIKE」のフィンテックサービスを使う
自社サイトをWordpressやJoomlaのCMSで構築している場合、商品の追加などの作業は、出品者自ら行っていると思います。
メタップスが提供しているフィンテックのサービスを使えば、コストを掛けずにショッピングカートの構築から決済までを行えます
「SPIKE」のカート機能
メタップスが無料で提供するカートは、すごく簡単にショッピングカートを構築できます。
「SPIKE」へログインすれば分かります。
自社サイトへ誘導
自社サイトへ商品を掲載し、「SPIKE」のカートを設置すれば、月100万円まではクレジットカード手数料なしでショップ運営ができます。
100万円を超えるようなら、3000円/月払ってビジネスプランへ移行すれば、月1000万円までクレジットカード手数料がかかりません。
ネット通販で、利益が上がり、うまく集客できるケース
希少性の高い商品を展開している
この場合、ヤフオクに出品するだけでも、売れます。
商売としてきっちりサイト構築した場合、単価を挙げることが出来るので、より利益率が上がります。
ネットで売るからには、ネットに最適化したサービスや商品を作り出している。
ネットに最適化したサービスや商品を展開しているケース。この場合、SNSなどで爆発的にヒットする可能性があります。
品質の高い農産物は海外富裕層に売れる
今後は、農産物や魚介類といった一次産品の取扱事業者のネットショップ開設が増えていくでしょうね。
特に、日本の美味しくて安全なお米などの農作物は、海外の富裕層から絶大なる支持がありますから。
農業経営者で、ITリテラシーに強ければ、あまり費用をかけずにサイト構築できますから。
ネット通販で、利益も出ず、集客できないケース
希少性の低い商品を展開している(PC、家電等)
家電など希少性の低い商品の場合、競合との間で価格の叩きあいになるので、いくら売っても利益が出ないというパターンに陥ります。競合との価格合戦になって撤退するというケースはよく聞きます。
サービスや商品がネットに最適化してない。
駄目なパターンは、店舗を持っているお店が、同じ商品やサービスをネットで売るというケース。
ネットで大幅に集客して利益を上げていくには、サービスや商品をネットを利用する人に最適化する必要があります。
ITリテラシーが必要
今後ネットで事業展開したい小売店や販売店の方は、ある程度ITリテラシーを養わなければ、生き残りは厳しくなっていきます。
ITリテラシーが低いと、楽天などの鵜飼モデルに依存することになりますからね。
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