いよいよ1月中に日本でもテスラの自動運転機能オートパイロットがスタートします。
2015年10月から、「Tesla Model S」で自動運転を実現する「ソフトウェア7.0」の提供が開始されています。
このソフトウェアを使用すれば、「Tesla Model S」に備わっているカメラ、レーダー、センサーなどを活用して、いくつかの走行中の動作を自動化してくれます。具体的には、同じレーンを自動で走行し続ける「Autosteer」、車線を変更を自動で行う「Auto Lane Change」、縦列駐車を自動で行う「Autopark」の3つの機能が利用可能に。
アメリカでは、2015年10月からオートパイロットの機能が搭載されていましたが、ようやく日本でも提供が始まります。国土交通省の承認を受けたことで実現します。
ちなみに日本以外の国では昨年から認可されているようです。
ガソリン車と電気自動車の違い
ガラケーとスマホくらいの違いがあります。
先日モデルSを試乗した時に、真っ先に感じたことでした。
常時接続の自動車
ネットワークに繋がっているというのが、既存の自動車との一番の違いです。
「Model S」は、日本ではdocomo回線で常時接続しています。LTEじゃなくて3Gなのが残念。すぐにLTE高速回線に対応するはずです。
ソフトウェアアップデートはネットワーク越しにできます。まあガソリン車だってこのくらいならやろうと思えばできるはずなんですけどね・・
常時接続のメリット
ネットワークと常時接続しているメリットは図り知れず、ソフトウェアの不具合ならば、アップデートすれば修正が可能です。スマホの不具合修正のアップデートと変わらないです。
ガソリン車の場合、自動車のコンピューター制御に不具合があれば、ディーラーへ持ち込まなければならなかったわけです。これがネットワークを使って、自宅でアップデートすれば修正されるので、ユーザー側の利便性は格段に向上しますよね。
部品点数が少ない
電気自動車は、エンジンがないから冷却するラジエターも必要ない。製造にあたっての部品点数だって、1/100~1/300となり、めちゃくちゃ少ないです。
今はまだ電気自動車の値段は高いですが、10年後には価格破壊が起きるはず。50万円以下で購入できるようになると言われてますからね。
「ソフトウェア7.0」をインストール
「Model S」はネットワークに常時接続されてますから、「ソフトウェア7.0」をインターネット経由でダウンロードするだけです。ダウンロード中は自動車の運転はできません。
あとは、スマホのアプリをインストールするように、「ソフトウェア7.0」を「Model S」へインストールすることによって自動運転は実現することです。これは画期的。
でも、アップデートには費用がかかります。オートパイロット機能はスマホのアプリのように無料ではなく、2500ドル(30万円)と結構高い。
さて、インストールしたアプリをどのように制御するのでしょうか?
現行の「Model S」は、様々なセンサーやカメラを搭載しています。
具体的には、ウルトラソニックセンサーを12個、フロントガラス上に配置された3つのカメラ、前方の車両との車間距離を計測するレーダーがあるのです。
これらの制御機器を使ってクルマの周囲を計測することによって、自動運転を可能にしています。
追加される機能を見てみましょう。
オートパイロット
高速道路で自動運転が可能になります。車間距離や速度を指定すれば自動運転するのです。
オートパイロットを解除するには、ブレーキを踏んだり、ハンドルを切ったりすればOK。
高速道路のような中央分離帯のある道路での利用が想定されています。
一般道でも自動運転は可能なようですが、テスラでは推奨していないようです。
一般道での走行の動画。
テスラの公式見解では、オートパイロット中の事故では、責任はメーカーではなくドライバーにあると、明言しています。現時点では、完全な自動運転というよりは、あくまでドライバーをサポートするための機能なので、運転席でドライバーがハンドルを握って無いと怖くて乗れません。次の動画のようなことが起こりますからね。
オートレーンチェンジ
オートパイロット走行中、ウインカーを出すだけで、前後の車両を確認して自動で車線変更します。
オートパーク
縦列駐車が自動化されます。駐車スペースを見つけて自動で駐車するのです。
充電スタンドの前に近づくと、自動で開いている充電器の前で駐車します。
Fleet Learning 機能
オートパイロットの機能を使ってドライブしているデータを収集して、クラウドの人工知能で学習します。
使えば使うほど機能改善が行われて賢くなという謳い文句ですが、まだ実験段階なので怖いですけどね・・・
ロボットカーの自動化レベル
アメリカの運輸省道路交通安全局や日本の国土交通省が定めている自動化レベルの中で、「Model S」は、5段階のレベルのうち3番目の「レベル2」に定義されています。
「レベル2」の基準は、「アクセル・ハンドル・制動」の2つ以上をドライバーの代わりに自動化するシステムを指します。
「レベル2」の車両はメルセデスやボルボからも既に登場しています。
ちなみにGoogleの自動運転車は、最も高い「レベル4」です。
今後のテスラ
SUVの「Model X」に続いて、3万ドル強の「Model 3」が投入される予定です。
このくらいの金額になれば日本でも爆発的に広がりそうですね。
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