NEWS PICKSでサザビーリーグ会長の鈴木陸三氏の特集が組まれているので、掘り下げてみます。
NEWS PICKSの特集を見ると、鈴木陸三氏は高校生の頃、石原裕次郎氏や慎太郎氏とヨット遊びをして青春を過ごしたとあります。そりゃ羨ましい環境ですよね。
鈴木陸三氏は1943年生まれ。石原裕次郎氏は1934年生まれ。石原慎太郎氏は1932年生まれ。ということは、鈴木陸三氏が高校生1年生の16歳の頃、石原裕次郎氏が25歳、石原慎太郎氏が27歳。石原慎太郎氏は24歳で『太陽の季節』が第34回芥川賞を受賞しています。
ということは芥川賞の作家とヨット遊びする高校生。普通ありえないですよね。どういうことなのか調べてみました。
この3社に共通することをご存知ですか?
30以上の人気ブランドを日本で展開するサザビーリーグ。連結売上967億円(2015年3月実績)
- スターバックス
売上1256億円(2014年3月実績)
- スズキヤ
神奈川県にあるスーパーマーケット。売上174億円(2014年3月実績)
実は、この3社は鈴木一族で経営されています。正確に言うと、スターバックスジャパンは、2014年に米本社により完全子会社化されたので、バイアウトしていますが。
サザビーリーグ会長の鈴木陸三氏は三男。
スターバックス創業者の角田雄二氏は次男。(養子に行ってるので姓が違う)
スズキヤの元代表取締役の鈴木安之氏は、逗子市議会議員を3期勤めて元逗子市議会議長。この方が長男かどうかはわかりませんでした。この方が長男か婿養子なのかはわかりませんでした・・
逗子の名門、鈴木一族
鈴木家は、逗子でスズキヤという創業100年のスーパーマーケットを営んでいる地元の名士です。
石原一族も逗子に縁のある家系ですので、鈴木家とどこかで繋がっているのでしょう。そうでなきゃ高校生の頃から芥川賞作家とヨット遊びなんて環境は普通ありえないですよね。
鈴木安之氏
長男なのかどうか裏は取れてません。。
が、1976年からスズキヤの代表取締役社長を務めています。
株式会社スズキヤ 沿革を見ると、1988年に鈴木安之氏は代表取締役社長 → 取締役会長に就任します。が、面白いことに翌年の1989年、取締役会長に鈴木陸三氏が就任します。1990年の市議会議員選挙に備え、取締役会長を辞任したのでしょう。あくまで推測ですが。
その後、1990年の選挙で逗子市議会議員となり、1999年に逗子市議会副議長、2002年に逗子市議会議長まで上り詰めます。3期12年を務め上げました。2002年の市長選挙に敗れて政界を引退します。
鈴木安之 | 200212 – 47NEWS(よんななニュース)
2002/12/01 – 任期満了に伴う神奈川県逗子市長選は1日投票、即日開票の結果、最年少の現職市長で無所属の長島一由氏(35)が、前市議会議長の鈴木安之氏(63)と元市議の近藤大輔氏(32)の無所属新人2人を破り再選を果たした。
逗子葉山青年会議所
- 第11代理事長 鈴木安之氏
- 第14代理事長 角田雄二氏
逗子葉山青年会議所の理事長の代を見る限り、鈴木安之氏は、角田雄二氏より年上のような気がします。違ってたらすみません。
- 長男(?) 鈴木安之氏
- 次男 角田雄二氏(鈴木陸三氏の実兄)
- 三男 鈴木陸三氏
角田雄二氏
鈴木陸三氏の実兄で鈴木家の次男です。
葉山に日影茶屋という日本料理の老舗があるのですが、ここへ養子に入りました。
日影茶屋の経営の後、1981年からロサンゼルスでフランス料理店「チャヤ・ブラッセリー」を開業します。今はロサンゼルスの他に、サンフランシスコ、ベニスビーチ、ビバリーヒルズにも出店しています。
スターバックスジャパンの角田雄二CEO(最高経営責任者、61歳)は、対照的な存在である。実家は、神奈川県逗子市。弟でサザビーCEOの鈴木陸三氏とともに、学生時代は湘南ボーイとして地元では相当“ならしていた”ようだ。弟の鈴木氏は、石原慎太郎、裕次郎兄弟とも親交があった。
企業家になる転機は、就職した立体駐車場を作る会社での事故。現場監督をしていた際、高所から転落して大ケガをした。交際していた逗子の老舗料亭のオーナーの娘と結婚し、婿養子に入った。社長の座につくと、料亭の経営を多角的なものにした。
40歳で渡米。’92年にカリフォルニアにできたスタバの香りに感激し、弟と相談したうえで、米スターバックス会長のハワード・シュルツ氏に「日本で経営したい」と手紙で訴え、’96年、日本1号店をオープンさせた。
鈴木陸三氏
鈴木家の三男です。神奈川県逗子市出身。俳優の石原裕次郎氏らとヨット遊びをして青春を過ごす。1966年明治学院大学文学部卒業。26歳から29歳までロンドン、パリ、ミラノを放浪。帰国後1972年にサザビー(現サザビーリーグ)を創業。
イケてる海外ブランドが日本に進出する際、背後にはいつもサザビーリーグがいるのです。前向きな消費者に向けて「半歩先」を提供するということを意識したそうです。
80年代のアニエス べーの流行って、サザビーリーグが大元だったのですね。高校生の頃、渋谷のショップまで買いに行きましたから。
海外ブランドが日本に入るためには、日本の特殊なマーケットを知っている通訳者が必要なのです。スタバの成功によって、サザビーリーグは「日本のマーケットをよく通訳する」といった評判が広がりました。「日本に進出するなら、サザビーリーグに相談しよう」様々な方面から声がかかるようになったということです。
最近だと、「シェイク・シャック」が話題です。2014年にスタバの株をバイアウトしたのは、シェイクシャックのためとも言われています。
「半歩先のライフスタイルの提案」を企業理念とするサザビーリーグが、アメリカ・ニューヨーク発のハンバーガーチェーン「シェイク・シャック」の日本進出に際し契約を結んだ。「シェイク・シャック」は健康的に育てられたアンガスビーフ100%のハンバーガーやホットドック、波状のフレンチフライ、その地域のビールやワインなどを提供する、素材や美味しさにこだわりをもっている新しいスタイルのハンバーガーショップだ。
鈴木陸三氏の軌跡
- 1972年 サザビー設立
- 1981年 アフタヌーンティー
- 1982年 アニエス べー
- 1995年 スターバックス → 2014年 株式売却
- 2003年 ロンハーマン
- 2009年 MBOで上場廃止
- 2011年 フライングタイガーコペンハーゲン
- 2016年 シェイクシャック
サザビーリーグ グループの展開ブランド
ファッション、小物類
- ロン・ハーマン
- フランク&アイリーン
- And A
- エストネーション
- バンド オブ アウトサイダーズ
- ベアフット ドリームス
- デミリー
- ELFORBR
- ジェイ・サバティーノ
- ラジャンス
- ナバアサナ
- ラクエル・アレグラ
- SAZABY
- ミズキ
- カンペール
- ノジェス
- マニエール・ド・ノジェス
- アガット
- ベルシオラ
- シルバースプーン
雑貨・飲食
- Afternoon Tea
- コクーニスト
- フライングタイガー
- ソープトピア
- マリエオーガニクス
- レイチェル アシュウェル シャビーシック クチュール
- レストランKIHACHI
- TAACOBA
- LE SUN PALM
- シェイク・シャック
- AKOMEYA TOKYO
- rejiig
- シェアードテラス
系列子会社展開
- ファーイーストカンパニー
- ANAYI
- allurevile
- 3.1フィリップ・リム
- アメリカン・ラグ・シー
連結子会社
- 株式会社アイシーエル
- 株式会社ビーエルティー
- 株式会社キハチアンドエス
- 株式会社バゲージハンドラーズ
- 株式会社エーアンドエス
- 株式会社ファーイーストカンパニー
- アメリカンラグ シー ジャパン株式会社
- アンド エー株式会社
- 株式会社エストネーション
- 株式会社タアコバ
- 株式会社アリストフロー
- 株式会社ピナ
- 株式会社アイエスエル
KIHACHIを運営する株式会社キハチアンドエスもサザビーリーグの子会社です。
サザビーリーグの今後!
名家は3代で資産を食い潰すなんて揶揄されますが、逗子の鈴木一族にとっては関係ない話のようです。
「シェイク・シャック」がどんな展開になるのか、楽しみですね。
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