日本の電気自動車のシェアは、とにかく低いです。わずか0.1%ですからね。
2016年のデータでは、電気自動車のシェアは僅か0.1%しかありません。
- 2012年・・・0.02%
- 2013年・・・0.04%
- 2014年・・・0.06%
- 2015年・・・0.08%
- 2016年・・・0.1%
日本の自動車メーカーは、電気自動車の普及には全く力を入れておりません。理由は、参入障壁の低い電気自動車の普及が進めば、電気自動車の価格が下がるからです。参入障壁の高いガソリン車、ハイブリッド車、PHVの販売している方が利益が出ますからね。
でもね、中国政府がEVシフトした結果、2019年から中国で電気自動車の生産を始める模様です。
トヨタ自動車は2019年にも中国で電気自動車(EV)を量産する検討を始めた。エコカー戦略として累計販売1千万台のハイブリッド車(HV)を軸に、水素で走る燃料電池車(FCV)を次世代の柱にしてきた。だが世界の新車市場の3割を占める中国では政府が環境規制や減税、都市でのナンバープレート取得でEVを優遇し、自動車メーカー各社はEVシフトを迫られている。
中国はEVなど環境負荷が低い車を「新エネルギー車」と定義し、早ければ18年以降に車メーカーに一定規模の生産を義務付ける方針。トヨタは20年までの量産を目指してきたが前倒しを検討する。中国では人気の多目的スポーツ車(SUV)のEV投入を検討する。
日産自動車は18年度以降に中国で仏ルノーや三菱自動車と車台を共通化した低価格EVを発売する。ホンダも18年に中国専用のEVを現地生産し、2社ある合弁会社から発売する。独フォルクスワーゲン(VW)は中国の安徽江淮汽車(JAC)とEV事業で合弁会社を設けて本腰を入れる。
結局、人口のパイが大きく、売れる可能性が高いエリアで市場のルールが変わると、カメレオンのように方針を変えるってことなんだよね。
Appleも中国でVPNアプリをApp Storeから削除したもんね。
日本はガソリン車のシェアが高い
とにかく日本にはガソリン車の数が圧倒的に多い。
一般財団法人 自動車検査登録情報協会のデータによれば、2016年の日本における、乗用車の保有台数は5,558,725台、ハイブリッドは5,558,725台、電気自動車は62,136台です。
このデータによれば、ガソリン車は全体の90%強を占めています。ハイブリッドが9.1%、電気自動車が0.1%ですからね。
日本の自動車メーカーの技術力を持ってすれば、電気自動車が今以上に普及してもいいと思いませんか?せめてハイブリッドと同じくらいのシェアになってもいいよね。
日本の自動車メーカーが電気自動車を開発したがらない理由
理由は2つあります。
- 電気自動車はテクノロジーがコモディティ化しやすく、参入障壁が低い
- 電気自動車はメンテナンスフリーで壊れないから、系列のディーラが売りたがらない
電気自動車はテクノロジーがコモディティ化しやすく、参入障壁が低い
電気自動車の参入障壁が低いので、低価格化が進むことは間違いない。自動車メーカーは出来る限り、EVシフトを遅らせて、その間にハイブリッド車、PHVを売りまくって、利益を出したいことは間違いないよね。
電気自動車はメンテナンスフリーで壊れないから、系列のディーラが売りたがらない
自動車の中で、最も複雑で壊れやすいのは、エンジン周りです。
ガソリン車におけるエンジンの部品点数が10万点あるのに対して、電気自動車のモーターの部品点数はわずか30〜40点。
トータルの部品点数を比較すると、電気自動車の部品点数は、ガソリン車の部品点数の1/100〜1/300しかありませんからね。
日本の自動車メーカーは、直販をやっているわけではなく、販売は系列のディーラーに任せています。
電気自動車は、メンテナンスフリーなので、ディーラーは売りたがらないよね。保守点検や修理の回数が減ることは明らかなので。
世界的にEVシフトは始まっている!
日本の自動車メーカーは、ハイブリッド車・PHV・FCVとガラパゴスな方向に向かっていますが、世界的にはEVシフトが進んできます。
EV先進国のノルウェーの電気自動車のシェアは?
ノルウェーの電気自動車のシェアは17.5%、PHVのシェアが20.5%と、日本と比べると桁違いのシェアだよね。
伸びているのはプラグインハイブリッド車(PHEV)と、純粋な電気自動車(EV)だ。PHEVのシェアは20.0%、EVのシェアは17.5%、合計すると37.5%に達した。
ノルウェーよりも日本の方が技術力高いんだから、もっと電気自動車の普及に力を入れてもよくね?
インドも電気自動車を推進
<インド政府は、「2030年までに、ガソリン車およびディーゼル車の国内販売を禁じ、インドで販売される自動車を電気自動車のみに制限する」との方針を明らかにした>
ボルボも全モデル電気自動車へ
ボルボ・カーズは7月5日(現地時間)、2019年以降に発売する新型車ついて、EV(電気自動車)、PHV(プラグインハイブリッド車)、マイルドハイブリッド車と、全てのボルボ車に電動モーターを搭載すると発表。
電気自動車が普及すると自動車メーカは何が困るのか?
ガソリンエンジンの技術が不要になる
自動車メーカーの技術の肝は、エンジンに関する技術です。ファミリーカーだったら、いかに少ないガソリンで長距離を走行することが求められるし、スポーツカーならガソリンは使ってもいいからパワーを出すことを求められます。こういったノウハウを自動車メーカーはたくさん持っています。
でもね、電気自動車になったら、エンジンが不要になってモーターに取って代わるわけでしょ?
となると、電気自動車を作る場合、トヨタである必要はないんだよね。
自動車メーカーは今まで培ってきたガソリンエンジンの技術というアドバンテージを失うことになります。
電気自動車に求められるのは、少ない電気で長距離を走るということだから。これはスマホのバッテリーをいかに長く使うかということと共通の技術なので、GoogleやAppleがスマホのOSで培った技術が生きてくるのです。
電気自動車になると価格が下がる
電気自動車になると、確実に自動車の価格破壊が起こります。
部品点数だって少ないし、壊れませんから。
BNEFの調査は、電池コスト値下がりで早ければ2025年に欧米でのEV購入がガソリン車より安くなることを示唆している。現在、EV全体のコストで電池が占める割合はほぼ半分。BNEFの予想では2016年から30年までの間に電池価格は約77%下落する。
今後、日本で電気自動車の普及は進むのか?
海外と比較すると緩やかですが、日本でも電気自動車が増えていくことは間違いないです。
2018年テスラのモデル3が普及すること、2019年にトヨタが中国で電気自動車の生産を始めることを考えると、2020年辺りから、日本でも電気自動車の普及が進んでいくことになりそうですね。
ナレッジ