今後、自動運転車が普及するにあたって、LiDARの果たす役割は、ものすごく大きいです。
LiDARを製造している会社って、Velodyneしか知りませんでしたが、調べたら、いくつもあるんですね。
しかも、アメリカやイスラエルには、LiDARを製造するスタートアップもあります。
オースティン・ラッセル氏が設立した「Luminar」は、22歳の若者がCEOだそうです。しかも5年前に起業したっていうんだから、17歳で起業したってすごいわ。3600万ドルの資金調達をしている模様。
現在22歳のラッセルは、5年前に自動運転車向けのLiDARセンサーを開発するLuminar Technologiesを設立し、CEOに就任した。Luminarは、シリコンバレーのポートラ・バレーと、フロリダ州オーランドに拠点を構えている。同社はこれまでステルスモードで製品開発を続けてきたが、目標とする技術水準をクリアし、量産体制の準備を開始したことを明らかにした。
Luminarは、これまでにCanvas Ventures、GVA Capital、1517 Fundなどから総額3600万ドルを調達している。ラッセルは、スタンフォード大学で応用物理学を専攻していた2013年に、ペイパル創業者のピーター・ティールから10万ドルの奨学金を得たため、1年目を終えた段階で休学してLuminarの事業に専念することにしたという。
LiDARとは
LiDARとは、Light Detection and Rangingの略で、光を使ったリモートセンシング技術を用いて、物体検知や対象物までの距離を計測することが可能です。
対象物までの距離を計測することに加えて、物体検知ができることも、LiDARの特徴の一つです。
距離センサーでは物体までの距離を計測することしかできませんでしたが、LiDARを使えば、物体がどんな形状をしていて、どこの方向にあるのかということまで検知することができます。
LiDARは、自動運転車に必ず搭載されています。
LiDARを製造している会社
LiDARを製造している会社を見ていきましょう。
Velodyne Lidar
Velodyne Lidarが製造するLiDARは、グーグルカーが自動運転の実験車両に搭載されています。
LiDARを製造している会社の中では、一番有名ですよね?頭一つ飛び出している感じです。
2007年に初めて製品を出荷した米Velodyne Lidar(以下、Velodyne)は、今も圧倒的な実績と資金力を持つライダー技術企業であり続けている。同社が2016年8月16日(現地時間)に発表したところによると、Ford Motor(以下、Ford)と中国の大手サーチエンジン企業Baiduは共同で1億5000万米ドルをVelodyneに出資するという。
Velodyneは現在、同社のライダーイメージングユニット「VLP 16」と「VLP 32」をベースにしたものを含む、複数の新製品ラインをサンプル出荷している。同社のプレジデント兼最高執行責任者(COO)であるMike Jellen氏は、守秘義務契約を理由にデザインウィンについて明確に述べることはなかったが、Velodyneのライダー技術が既に25件の自動運転プログラムに用いられていることを明らかにした。
とはいえ、自動車業界において、自動運転車は黎明(れいめい)期にある。新興企業が次々に設立されることに伴い、より低コストかつ小型のライダーについて既に競争が起こっている。この競争は、Velodyne以外の企業がVelodyneを追う構図となっている。そのような企業の例として、そのような企業の例として、米Quanergy Systems(以下、Quanergy)、イスラエルInnoviz Technologies、米Aerostar、カナダLeddarTech、カナダPhantom Intelligence、米Strobe、米TriLumina、ドイツIbeo Automotive Systemsが挙げられる。
Quanergy Systems
シリコンバレーに本社があるスタートアップです。
2014年12月の時点で、3450万ドルを調達しています。
提携しているダイムラー、ヒュンダイへLiDARを供給することが決まっています。
クアナジーの発表によると、同社が開発を進める半導体LiDARは機械的に可動な部分がまったく存在しないことから、低コスト化や小型・軽量化、信頼性の向上などが期待できるという。この話題を採り上げたFortuneでは、同分野の代表的メーカーであるベロダイン(Velodyne)の最新のプロトタイプが1基約8000ドルであるのに対し、クアナジーが今年1月のCESで発表していた自動車向けLiDAR「S3」が1基250ドル以下、またドローン向けの「S3-Qi」が1基約100ドルの価格にそれぞれ想定されていると記している。
コンチネンタル
ドイツの会社です。
2016年に、アメリカのAdvanced Scientific Concepts(ASC)社のLiDAR事業を買収しました。
ドイツに本拠を置く自動車部品大手、コンチネンタルは3月上旬、自動運転に欠かせない「3DフラッシュLIDAR」テクノロジーについて、2020年の量産化を目指すと発表した。
3DフラッシュLIDARは、音響測深機のようにレーザーインパルスを介して、非常に正確で歪みのない車両周辺の画像を提供するためのテクノロジー。コンチネンタルはこの効率性の高い技術を、2020年に量産開始するべく、体制を急ピッチで整えている。
Bosch
コンチネンタル同様、ドイツ企業です。
ボッシュ・グループ傘下のベンチャー キャピタルであるRobert Bosch Venture Capitalは、TetraVueへの投資を完了しました。TetraVueは、自動運転車両の機能性向上への寄与が期待される超高解像度3Dデータおよび画像技術の開発をリードする企業です。Robert Bosch Venture Capital(RBVC)にとってこの投資は、自動運転車両用センサーとソフトウェア分野のポートフォリオのさらなる拡充を意味します。
Infineon
Infineonもドイツ企業です。
ドイツの半導体メーカーInfineonが、オランダのセンサーメーカーInnoluce BVを買収すると発表しました。Innoluceは自動運転車の目となるLiDARセンサーを製造しており、Infineonは今後急速に需要が高まると予測されるLiDARをより安価に供給するとしています。
リコー
日本勢も負けていません。
リコーはレーザーを用いた測距センサーであるLiDAR(Laser Imaging Detection and Ranging)の開発を進めており,その試作品を9月14日~16日にパシフィコ横浜(横浜)にて開催した光技術展示会,InterOpto2016に出展した。
開発品は900nm帯の半導体レーザーをミラーを使ってスキャンするメカニカルスキャン方式で,主な仕様は,1レイヤー,画角145°,角度分解能0.1°(最大0.25°),周波数60~100ms。出力は非公表だが,反射率10%の物体を50~70mの距離から検出できるという。
パイオニア
パイオニアもLiDARを開発しています。
パイオニアは自動運転システム向けの3次元(3D)ライダー「3D―LiDAR(ライダー)」の試作機を今秋にも車メーカーに提供する。3Dライダーは赤外線レーザーを照射し車の周辺環境を高精度に検知するセンサーで、自動運転や運転支援システムを高度化できる。パイオニアは2018年度の量産化を目指す計画を公表しており、車メーカーに試作機を提供して実用性を高める。
日本信号
日本信号は、トラックの自動運転に向けた実験に参加している模様。
LiDARの価格は?
LiDARの価格は現在数百万円しますが、2022年以降は1万円以下になると言われています。数年のうちに価格破壊が起きます。
LiDARメーカー各社は、価格を一気に2~3桁引き下げることを狙う。各社がベンチマークにしているのは、米Google社の自動運転車両に搭載している米Velodyne LiDAR社の製品である。現在の価格は数百万円。新規参入した各社が掲げる当面の目標は、性能を維持したままでの1万円以下への低減だ(図1)。例えばLiDARに特化したベンチャー企業のカナダLeddarTech社は、開発中の次世代品を100米ドル以下にする計画である。パイオニアは2022年以降に1万円以下での提供を目標に掲げる。
まとめ
LiDARを製造している会社は、ここに挙げただけでも、8社あります。
海外には、他にもLiDARを製造しているスタートアップはたくさんあります。
- イスラエル・・・Innoviz Technologies
- アメリカ・・・Aerostar、Strobe、TriLumina、Strobe
- カナダ・・・LeddarTech、Phantom Intelligence
- ドイツ・・・Ibeo Automotive Systems
今後、間違いなく中国の企業も登場するはず。
LiDARを製造する企業が増えるほど、LiDARの価格破壊の速度が上がっていくことは間違いなさそうです。
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