鈴木さんにも分かるネットの未来 (岩波新書)
ドワンゴ川上量生さんが新著を出しました。
この本は、スタジオジブリが発行する広報誌「熱風」の連載を書籍化したものです。
1年半前、ネットで「熱風」のことを知りました。
この連載は、スタジオジブリの鈴木敏夫プロデューサーにネットの現在と未来を説明するという形をとっていましたが、川上さんの鋭い視点でネットの実態と未来予想について本音を綴ったものであったので、抜群に面白く、興奮したことを今でも覚えています。
「熱風」は一般に販売されているものではなく、ごく一部の書店で無料で配っていたのですが、ラッキーなことに近所の書店で取り扱いがあり、購読をはじめました。
当然バックナンバーも読みたくなり、武蔵野市図書館に揃っているということで、スキャンを取りに行ったのが懐かしいです。
著作権があるので、スタジオジブリに電話して、スマホのスキャナーアプリで撮影する許可を取りましたがww
インターネットの中の国境、グローバルプラットフォームと国家
特に面白かったのはタイトルです。
ご存じない方もいると思うので、簡単に説明しておくと、
グローバルプラットフォームとはGoogle、Apple、Facebook、Amazonといったプラットフォーマーのことを指します。
GoogleやAppleはGoogle PlayやAppStoreでアプリのマーケットを支配し、Facebookは莫大な個人情報を集積し、Amazonは電子書籍やAWSといったクラウドマーケットを支配しています。
これらのネットサービスの世界は、一種の治外法権になっていて、国家がコントロールすることが難しい、下手をすると国家のルールよりも、巨大なユーザーを抱えたネットサービスのルールが世の中への影響力を持つといった内容です。
国家が今までのように力を行使するには、インターネットの中に国境を引く、すなわち海外サーバーへのアクセス遮断が有効だといった内容は、当時、目から鱗で衝撃的でした。
国家とグローバルプラットフォーム
まさに今、国家とグローバルプラットフォームとの間で、綱引きが行われています。
中国がグレートファイアウォールを作ったのは外資系IT企業に勝たせない、自国のIT企業を育成するためでした。
ロシアや韓国も外資系IT企業に勝たせませんでした。
それ以外の国は、気づくのが遅かったので、今様々な対応に追われている。特にヨーロッパはアメリカと文化や言語が近かったこともあって、ダメージは大きいです。
日本はどうなっていくのか?
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